生活保護の問題とは?わかりやすく問題点を解説

Q&A

生活保護は”最後のセーフティネット(安全網)”と呼ばれており、
・健康な人は働いて給料収入を得る
・家や土地、株、貯金等の資産があれば、資産を活用する
・年金等の利用可能な福祉制度を利用できるなら申請して受給する
・親族からの援助等が受けられるなら、援助を受ける
など上記のような様々な手段を活用しても、なお生活が苦しい場合に最後の手段として生活保護が適用されます。

生活保護を利用することで、本当に生活に困ったときでも、最低限の生活は保障されるはずなんですが、実は、この生活保護制度には、様々な問題が隠されています。

そこで、このページでは、生活保護の問題について、わかりやすくご説明します。

生活保護を受給するための条件が非常にゆるい

生活保護制度の1つ目の問題点は生活保護の条件が非常にゆるい点です。

生活保護制度は生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。

しかし、実際のところ、生活保護の条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」だけです。

生活保護の条件はたった1つ!
生活保護は最後のセーフティネットと呼ばれており、 生活に困窮された人のための、最後の救済措置です。 生活保護とは 資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、 困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度...
生活保護の条件である最低生活費とはいくら?計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも...

それ以外に、自立に向けた活動をしなかればいけないとか、生活保護の受給期間は○年までと言った制限は一切ありません。

つまり、生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を保障することだけが目的となってしまい、自立を助長することは二の次、三の次になってしまっているのが現状です。

あまりに生活保護の条件が厳しすぎると最後のセーフティネットとしての役割が果たせないため、現状の条件がゆるい理由はわかるんですが、生活保護受給者が自立に向けた取り組みをしようとする意欲を喚起できていないのは問題です。

生活保護受給者に対して指導指示ができない

生活保護制度の2つ目の問題点は生活保護受給者に対して指導指示ができない点です。

生活保護受給者には、それぞれ担当ケースワーカーがつきます。

ケースワーカーとは?仕事内容は?
生活保護受給者には、必ずケースワーカー(CW)と言う担当の人がつきますが、このケースワーカーとは、そもそも何者なのか?どういう仕事をするのか?よくわからないと思います。 そこで、このページでは ケースワーカーはどうい人なのか? 仕...

そして、ケースワーカーは、生活保護受給者が自立できるように生活指導や就労指導など、様々な助言・指導をすることができます。

Q 担当ケースワーカーの指導指示に従わない場合どうなりますか?
Q  担当ケースワーカーの指導指示に従わない場合どうなりますか? A  最悪の場合、生活保護の停止又は廃止になります。 生活保護法第二十七条を根拠に担当ケースワーカーは生活保護受給者に対して、 生活の維持、向上その他保護の目的達...

もしも生活保護受給者がケースワーカーからの再三再四による指導を無視した場合、福祉事務所は、その生活保護受給者を職権で廃止にすることができます。

Q 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの?
Q  「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの? A  どれも月々の生活保護費の支給はありませんが全く違います。 毎月1日の生活保護費の支給がないところは共通していますが 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支...

それならケースワーカーがしっかりと仕事をすれば生活保護受給者も自立に向けて取り組めるのでは?と思うかもしれませんが、実際はそんな簡単な話ではありません。

確かにケースワーカーは生活保護受給者を指導できる立場にはありますが、実際のところ、それ以上に生活保護受給者は憲法によって守られています。

そのため、ケースワーカーは実際のところ指導することができません。

例えば生活保護受給者が住宅扶助の支給金額よりも高い家賃に住んでいる場合は転居するように指示することができます。

生活保護の住宅扶助とは?住宅扶助の基準額や上限額についてわかりやすく解説
住宅扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。住宅扶助では毎月の家賃や住宅の修繕にかかる費用、敷金等の引っ越し費用の他、住宅に関するあらゆる費用が支給されます。このページでは、住宅扶助の基準額や上限金額についてについて、できるだけ簡単にわかりやすく解説します。
生活保護の家賃上限がオーバーしている場合の取扱いについて
生活保護を受給する場合、様々な制限が掛かります。 その中に生活保護受給者が住む住宅の家賃上限と言うものがあります。 そこで、このページでは、 生活保護の家賃上限はいくらなのか? 生活保護の家賃上限をオーバ...

しかも、住宅扶助の上限よりも高い家賃からの転居の場合、敷金・礼金等も全て福祉事務所から支給されます。

転居費用(引越し代・敷金等)
「生活保護受給者は引越しができない」と勘違いしている方もいますが、 そんな事はありません。 生活保護受給者でも引越しをする事はできます。 引越しができるどころか、安定した住居のない場合(ホームレス等) 又は転居が必要と認めら...

しかし、それでも今のアパート・マンションが良いと言って転居に応じない生活保護受給者はいます。

このような場合、ケースワーカーは転居をするように指導をすることはできるんですが、転居を強制することはできません。

なぜなら生活保護受給者は憲法第22条により、居住・移転の自由が守られているからです。

そのため、生活保護受給者が「転居に向けて物件を探している」と言い続ければ、極端な話、一生転居しなくても良いわけです。

お仕事についても同様で、若くて健康な場合、ケースワーカーは生活保護受給者に対してお仕事をするように指導をすることはできます。

就労指導ってどんなことするの?
一昔前までは健康なのに就職できないのは、個人の責任と見なされていたため 生活保護の条件を満たせず生活保護を受給することができませんでした。 しかし、時代は変わり、不景気となったため就職できないことを個人だけの 責任で片付けることが...

しかし、生活保護受給者にも職業選択の自由があるため、ハローワークに行ったり、ホームページ等で検索するなど、求職活動だけをしっかりやっていれば、ケースワーカーは、それ以上の指導をすることはできません。

Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの?
Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの? A 生活保護受給者は職業選択の自由で守られているからです。 「病気や障害等があって生活保護を受給しているのはわかる。しかし、特段病気や障害もなく、至って健康な人が、な...

「そんな指導意味ないじゃないか!?」と思った方、まだまだこんなものじゃありません。

実は、仮に一切指導に従わなくて生活保護の廃止になったとしても、次の日には生活保護の申請をすることができます。

指導指示に従わなくても生活保護を受け続けることができる。
生活保護法第二十七条を根拠に担当ケースワーカーは生活保護受給者に対して、 生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができます。 そして生活保護法第二十八条及び第六十二条を根拠に指導指示に従わない場合、 ...

繰り返しになりますが、生活保護の条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」だけなので、指導指示に従わないことを理由に生活保護の申請を却下することはできません。

そのため、例え指導指示に従わなくて廃止になっても、通常どおり、生活保護の審査を経て、再び生活保護の支給が開始されます。

生活保護の申請から決定・却下までの流れ・必要書類・申請時の注意点
生活保護を受給したいと思うけど、 ・どこに申請したら良いの? ・申請に必要なものは? ・申請してから、お金がもらえるまで、どれくらいかかるの? 等、気になりますよね? それらの疑問に、このページではズバリお答えします。

このように生活保護受給者は憲法により守られているため、ケースワーカーが自立させようと思っても、指導指示できないと言う問題があります。

一度生活保護を受けると抜け出せない

生活保護制度の3つ目の問題点は、一度生活保護を受けると抜け出せなくなってしまうところです。

生活保護を受給すると様々な制限が掛かると思われていますが、実は生活保護受給中にしてはいけないことは、ほとんどありません。

生活保護受給者がしてはいけないことは?罰則などはある?
生活保護の受給を開始すると、様々な制限や義務が発生します。 例えば ・所有してはいけないものがある ・収入申告書を提出しなければいけない ・ケースワーカーによる訪問調査数ヶ月に1回ある などなど、多数あります。 ...

生活保護受給中でも酒、タバコを購入することもできますし、パチンコ等のギャンブルをすることもできます。

Q 生活保護費でお酒を購入しても良い?
Q 生活保護費でお酒を購入しても良い? A 生活保護費でお酒を購入しても問題ありません。 生活保護受給中はお酒を買ったり、飲んだりしてはいけないのでは? と思っている人がいますが、生活保護受給者が生活保護費でお酒を 買っても飲ん...
Q 生活保護費でタバコを購入しても良い?
Q 生活保護費でタバコを購入しても良い? A 生活保護費でタバコを購入しても問題ありません。 生活保護受給中はタバコを買ったり、吸ったりしてはいけないのでは? と思っている人がいますが、生活保護受給者が生活保護費でタバコを 買っ...
生活保護受給者はパチンコ等をしても良いの?
Q 生活保護受給者はパチンコ等をしても良いの? A 何も罰則はありません。生活保護受給者はパチンコをすることが認められています。 日本国憲法第25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 と定め...

海外旅行に行くと、返還金が発生する場合もありますが、貯金をすることで、自由に旅行に行くことだってできます。

生活保護は貯金があったら受給できない?貯金の上限はいくらまで?
貯金があると生活保護を申請できない、もしくは生活保護が廃止になると勘違いされている方が多いですが、生活保護は貯金があっても受給することができます。 と言いますか、むしろ生活保護を申請する時も受給中もある程度の貯金は必要です。 ...
生活保護でも旅行はできる?実家への帰省もできない?
生活保護の受給を開始すると、様々な制限が掛かってきます。 例えば自動車やバイクの所有や利用は認められていませんし、就労指導を受けたり、数ヶ月に1度訪問調査を受ける必要があります。 では、旅行はどうなんでしょうか?...

最近はスマホやパソコン、ゲーム機、インターネットなどの普及により、ほとんどお金を使わなくても家で十分遊ぶことができるため、退屈することもありません。

Q 生活保護者でもスマホを持てますか?
生活保護受給者は携帯電話はもちろん。 スマートフォン持つなんてもってのほか!! と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 実は、その考え間違っています 生活保護受給者でもスマホを持っていい 生活保護受給中でもスマ...
Q 生活保護者でもパソコンやゲーミングPCを持てますか?
Q 生活保護者でもパソコンやゲーミングPCを持てますか? A 生活保護者でもパソコンやゲーミングPCを持てます。 生活保護受給中はパソコンやゲーミングPCを持ってはいけないのでは?と思っている人がいますが、生活保護受給者がパソコンや...
生活保護でゲーム機を買っても良い?ゲームを売ったら申告が必要?
生活保護の受給を開始すると様々な制限や義務が発生します。 では、果たしてゲーム機を所有・購入したり、ゲームをプレイすること等は生活保護の制限に引っかるのでしょうか?気になるところだと思います。 そこで、このページでは ...

このように、生活保護費の使用用途には制限はなく、よほど贅沢なことをしようと思わない限りは、生活保護費だけでも、十分楽しく遊んで暮らせる時代のため、働こうとする意欲がわきません。

生活保護は楽すぎる?まじめに働くよりも生活保護の方が良い?
生活保護の世間一般的なイメージは、「働かずに楽してお金をもらっている」と言うイメージが強いのではないでしょうか? ケースワーカーをしていると市民の方から「生活保護受給者は楽すぎではないか?もっと厳しく指導しろ!」と厳しい意見を言われる...

「それでも結婚したいと思ったり、子どもが産まれたら働くしかないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、生活保護制度は、その点は非常に手厚く、むしろ結婚したり、子どもが産まれると、その分、支給金額が増額されます。

生活保護でも結婚することはできる?結婚後の生活保護はどうなる?
Q 生活保護受給中でも結婚することはできますか? A 生活保護受給中でも結婚することはできます。 生活保護受給中は結婚することができないのでは?と思っている人が多数いますが、実は生活保護受給中でも結婚することはできます。 ...
母子家庭の生活保護費はいくら?働くよりも贅沢な暮らしができる?
「母子家庭の生活保護受給者はずるい!生活保護費をもらいすぎている!」等の声をよく聞きますが、実際に母子家庭だと生活保護費はいくらもらえるのでしょうか?パート・アルバイトで働くよりも生活保護をもらった方が贅沢な暮らしができるのでしょうか? ...

一般世帯であれば「結婚したから、もっと仕事頑張ろう!」「子どものために、もっと稼ごう!」と仕事に対する意欲が湧くところですが、生活保護の場合、生活扶助が増額されると共に各種加算が付くようになります。

生活保護の生活扶助とは?生活扶助の基準や金額についてわかりやすく解説
生活扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の1つです。8つの扶助の中でも生活扶助は、衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものを購入するために支給される大事な扶助です。そのため、このページでは、生活扶助の基準や金額について、できるだけ簡単にわかりやすく解説します。
児童養育加算
児童養育加算の要件や金額等について詳しく説明しています。
母子加算
生活保護受給中の世帯がひとり親家庭の場合、母子加算が支給されます。名称は母子加算ですが、父子家庭でも母子加算はつきます。このページでは母子加算の要件や金額等について詳しく説明します。

さらに、子どもが小学校、中学校、高校と進学すれば、それに応じて教育扶助や生業扶助が支給されるようになります。

生活保護費から小学校、中学校、高校の入学準備金は支給される
小学校、中学校、高校に入学する児童、生徒がいる生活保護世帯の親御さんは子どもの制服代等をどう工面すれば良いのか?不安を抱えているのではないでしょうか? 安心してください。 生活保護受給中の世帯に小学校、中学校、高校に入学する児童...
教育扶助とは?教育扶助の基準・金額・対象についてわかりやすく解説
教育扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。教育扶助では義務教育(小学校・中学校)にかかる給食費や教材代、交通費、部活動にかかる費用等、あらゆる費用が支給されます。このページでは、教育扶助で基準や金額、支給される項目等について、できるだけ簡単にわかりやすく解説します。
生活保護の生業扶助とは?高校進学や資格取得等の自立に向けた費用が支給される
生業扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。生業扶助では高校の学費や資格取得費など世帯の収入増加、又は自立を助長する上で必要な費用が支給されます。このページでは生業扶助で支給される項目について、わかりやすく説明しています。

給料が上がらないため結婚ができなかったり、子どもを産まない選択をするご時世ですが、生活保護受給者の場合、むしろ結婚して子どもを産んだ方が支給金額が増えていき、ますます贅沢ができるようになる仕組みとなっています。

生活保護は贅沢できる?贅沢をするのは図々しいことなのか?
「生活保護は私達が払った血税から支払われているのに、その生活保護費を使って贅沢するとはどういうことだ!?」と言う声はケースワーカーとして働いていると、市民の方から、よく頂きます。 では、果たして、生活保護受給者は贅沢をしてはいけないの...

そのため、本来であれば結婚・出産が転機となるところですが、生活保護の場合は、ますます生活保護を抜け出せなくなると言う問題があります。

念のため申し添えておきますが、生活保護は制度上、様々な就労支援が用意されています。

給料収入に対しては基礎控除等が付いたり、資格取得費や就労支度費が支給されたり、就労自立給付金と言って、就職して生活保護を脱却するとお金がもらえる制度もあります。

生活保護は働きながらでも受給できるの?給料収入の取り扱いは?
「生活保護受給中は働いたら駄目!」 「働きだしたら生活保護がすぐに廃止させられる!」 と言ったデマを時々信じている方がいらっしゃいますが、それらはハッキリ言って嘘です。 生活保護は働きながらでも受給できる 生活保護の受給条件...
資格取得費
生活保護受給者が就職するために必要とする資格取得・技能習得費用については、 資格取得費が臨時的に支給されます。 正式名称は技能習得費です。 しかし、技能習得よりも資格取得に利用されることが多いため このページでは資格取得費として...
就職が決まると就職支度費が支給されます。
就職の決まった生活保護受給者が、就職のため直接必要とするスーツや靴等の 購入費用については、就職支度費が臨時的に支給されます。 また、初任給が支給されるまでの通勤費についても、就職支度費から支給されます。 ちなみに… 就職...
就労自立給付金が創設されました。
平成26年7月1日から就労自立給付金が創設されました。 簡単に言うと 就労して生活保護を脱却したら、お金を支給する制度です!! 趣旨 生活保護受給中は固定資産税、国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料等が免除されています。 ...

どうしても就職するのに必要な場合は、なんと自動車の運転免許だって取ることもできます。

Q 車の運転免許を取得できますか?
Q 車の運転免許を取得できますか? A 条件は難しいですが担当ケースワーカーに就労が確実と認めさせれば支給されます。 生活保護受給中の場合、原則として自動車を運転することはもちろん、保有することも 禁止されています。 しかし...

これだけ就労支援が充実していても、生活保護制度が手厚すぎるくらい手厚いので、どうしても易きに流れてしまい、生活保護から抜けさせなくないと言う問題があります。

親から子、子から孫へと負の連鎖が続く


生活保護制度の4つ目の問題点は親から子、子から孫へと負の連鎖が続く点です。

生活保護の負の連鎖とは、本来であれば、親が生活保護を受けていても、その子や孫は生活保護から脱却し、自立することが望ましいんですが、子や孫も生活保護も受けるようになってしまうことを言います。

負の連鎖について
よくニュース等で「負の連鎖」と言う言葉を 聞いたことがあると思います。 生活保護の場合、負の連鎖と言うと、生活保護世帯の 子どもや孫が自立せず、生活保護世帯になっていくことです。 この負の連鎖を断ち切ることがケースワーカーの...

では、なぜ生活保護を受給した親の子や孫は生活保護受給者になってしまうのでしょうか?生活保護費が少なくて、子どもの教育が行き届かないからでしょうか?

結論から言うと、生活保護では、子どもの教育費は十二分に支給されています。

生活保護受給者の子どもが小中学校になると教育扶助、高校生になると生業扶助が支給されます。

教育扶助とは?教育扶助の基準・金額・対象についてわかりやすく解説
教育扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。教育扶助では義務教育(小学校・中学校)にかかる給食費や教材代、交通費、部活動にかかる費用等、あらゆる費用が支給されます。このページでは、教育扶助で基準や金額、支給される項目等について、できるだけ簡単にわかりやすく解説します。
生活保護の生業扶助とは?高校進学や資格取得等の自立に向けた費用が支給される
生業扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。生業扶助では高校の学費や資格取得費など世帯の収入増加、又は自立を助長する上で必要な費用が支給されます。このページでは生業扶助で支給される項目について、わかりやすく説明しています。

これらの扶助により、教材代や給食費、交通費、学習参考書等の購入費、部活動に掛かる費用が支給されます。

Q 生活保護受給中でも部活動をすることはできる?費用は生活保護費から出る?
Q 生活保護受給中でも部活動をすることはできる?費用は生活保護費から出る? A 部活動はできます。実は毎月の支給金額にも部活動費が含まれています。 日本国憲法第25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有す...

また、生活扶助も増額されますし、各種加算も付きます。

そのため、生活保護受給世帯は一般世帯と同じか、それ以上に子どもを習い事や塾に通わせることもできます。

しかし、実態としては、負の連鎖が途切れることはありません。

その理由は2つあります。

1つ目の理由は、本来は子どもの教育費として支給されている教育扶助・生業扶助が教育費として支給されていないからです。

生活保護費の使い方は生活保護受給者が自由に決めることができます。

中には子どもの教育費に生活保護費を使う受給者もいますが、残念ながら生活保護受給者の大半は子どもの教育費に使わず、遊興費に使い込んでしまっています。

そのため、就職して自立するだけの学力等が身につかず、生活保護を受給するようになります。

2つ目の理由は、子どもは親の姿を見ているからです。

生活保護受給者が如何に世の中に対して「生活が苦しい!」「生活保護費が少ない!」と訴えるのは自由ですが、その実態を子どもたちは見ています。

生活保護は月額29万円も貰える?29万円以上もらっても苦しいと訴える理由
2013年3月6日に発刊された朝日新聞の朝刊の記事で生活保護受給中の母親がとりあげられました。 記事の内容としては、生活保護を受給している母子3人世帯の母親が生活が苦しいことを訴えていますが、支給金額は月額29万円もあり、生活費の内訳...

本当に生活保護だと人間らしい生活が送れないとしたら、子どもたちは「生活保護を受けないように頑張ろう!」と奮起するはずです。

しかし、実際は、生活保護受給者の子や孫も生活保護を受けています。

つまり、一生懸命働くよりも生活保護を受給した方が、遥かに楽だと気づいてしまっているわけです。

生活保護は楽すぎる?まじめに働くよりも生活保護の方が良い?
生活保護の世間一般的なイメージは、「働かずに楽してお金をもらっている」と言うイメージが強いのではないでしょうか? ケースワーカーをしていると市民の方から「生活保護受給者は楽すぎではないか?もっと厳しく指導しろ!」と厳しい意見を言われる...

これら2つの理由により、親から子、子から孫へと続く負の連鎖を断ち切ることができないとう問題があります。

生活保護を受給しても救われない人たちがいる

生活保護制度の5つ目の問題点は生活保護を受給していても救われない人たちがいる点です。

生活保護を受給すれば健康で文化的な最低限度の生活を送ることはできます。

しかし、生活保護受給者をターゲットとした貧困ビジネスと言うものが存在します。

貧困ビジネスの実態
貧困ビジネスとは 貧困ビジネスとは社会的弱者を顧客として 稼ぐビジネスの総称です。 例えばゼロゼロ物件、消費者金融、ヤミ金融など 様々な種類の貧困ビジネスが存在しています。 もちろん毎月支給される生活保護費を目的...

例えばホームレスの人等をターゲットにした貧困ビジネスがあります。

この貧困ビジネスではホームレスの人等に対して衣食住を提供し、生活保護を受給するための支援を行います。

ホームレスは生活保護を受けることはできる?できない?
生活保護とはのページで説明しているとおり生活保護は全ての国民に対して その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を補償することを 目的としています。 もしも最低限度の生活が補償されるのであれば、ホームレスはいない...

ここだけ聞けば、非常に素晴らしい行いをしているように聞こえるんですが、実態は1畳くらいの狭い部屋に住まわせて、質素な食事と数千円のお小遣いのみを提供し、残りの生活保護費をすべて巻き上げています。

また、闇金業者も同じく貧困ビジネスを行っています。

生活保護受給者に対しては取り立てができないため、生活保護受給者は、銀行はもちろん、消費者金融からお金を借りることはできません。

生活保護受給中の借金の取扱いについて
生活が苦しい・・・生活保護を申請しようと思うんだけど 借金があっても生活保護は受けられるの? 生活保護受給中だけど、借金はできるの? このような疑問を持っている方は、多数いると 思います。 インターネットで調べてみる...

しかし、闇金業者は法の外でお金を貸しているため、生活保護受給者でも闇金業者からは、お金を借りることができます。

ただし、金利が暴利のため、2、3万円しか借りていなくても、利子だけで毎月6、7万円くらい支払わなければならなくなり、生活保護費の大半を巻き上げられています。

このように、貧困ビジネスに引っかかると、とても健康で文化的な最低限度の生活とは言えないような生活を送る羽目になります。

「担当ケースワーカーが貧困ビジネスであることを教えてあげたら良いのでは?」と思うかもしれませんが、そんな簡単な話ではありません。

もちろん、ケースワーカーも生活保護費を自立に向けて使って欲しいですし、生活保護より下の制度はないため、説明・説得はします。

しかし、生活保護受給者は聞き入れてくれません。

なぜなら、マスコミ等の影響で行政は悪だと刷り込まれているからです。

むしろ自分たちからお金を巻き上げる貧困ビジネスの人たちに感謝している生活保護受給者も多数います。

生活保護のあきれた受給者とは?実際にあった事例をご紹介します!
一生懸命自立に向けて努力している生活保護受給者は多数います。 一方、生活保護のあきれた受給者がいるのも、また事実です。 そこで、このページでは、私が実際に出会った生活保護のあきれた受給者の実例をご紹介していこうと思います。 ケ...

お金を渡している行政が悪で、お金を巻き上げている貧困ビジネス業者が正義って明らかにおかしな話だとは思うんですが、残念ながらそういう認識のため、生活保護を受給しても救われない人が出ると言う問題があります。

生活が苦しいのに生活保護を受けていない人がいる

生活保護制度の6つ目の問題点は生活が苦しいのに生活保護を受給しない人たちがいる点です。

生活が苦しいのに生活保護を受給しないのには2パターンあります。

1つは生活保護を受給することは恥だと思っている人です。

生活保護を受給することは恥?
現在、生活保護を受給している方又は生活保護を申請しようと 思ってこのページに来られた方は、心のどこかで 「生活保護って恥なのかな?」と思っているのではないでしょうか? 生存権は日本国憲法で保障された権利です。 日本国憲法第25条...

こういう人たちは生活保護の制度をわかったうえで受給していないので問題ありません。

以前、私が担当したケースの話ですが、生活保護は恥だと思っていても、ガンが治るまでは仕事ができないからと生活保護を受給し、ガン治療後にスパッと辞退届を出して辞めた方がいました。

生活保護のがん治療はどこまで?投薬は?手術は?先進医療まで受けられる?
生活保護を受給すると、病気になった場合の治療費や薬代は医療扶助から支給されます。 では、もしも生活保護受給者ががんになった場合やがんになったことで仕事ができなくなり、生活保護の受給を開始した場合、どこまで医療扶助では、がん治療...
生活保護をやめたい時の辞め方や辞退届の出し方について
生活保護の受給を開始したものの、途中で生活保護をやめたい!と思った場合に、生活保護をやめることは自由にできるのでしょうか?また、一度生活保護の辞退をしたら、もう二度と生活保護の受給をすることはできないのでしょうか?気になるところだと思います...

このように生活保護が恥だと思っている方は生活保護制度を上手に使うため、問題はありません。

もう一つは生活保護の制度を知らない人です。

生活が苦しいのに生活保護の制度を知らないのは非常に問題です。

なぜなら、命に関わる問題だからです。

しかし、生活保護は申請主義のため、申請がなければ福祉事務所はどうすることもできません。

そう言うと「行政の怠慢だ!」「これだから公務員は!」と言う声が聞こえてきそうですが、それは大間違いです。

福祉事務所には、各世帯の収入や預貯金等の資産がいくらあるのかを調査する権限はありません。

確かに税金は徴収しているため、市役所に世帯収入の情報はありますが、個人情報なので税務担当部署の人でなければわかりません。

民間企業でも開発部門の機密情報を営業部門が知らないのと一緒です。

逆に福祉事務所が各世帯の収入や預貯金等の資産を勝手に調べるだけ調べてあげた後に突然家にやってきて「あなた最低生活費以下の生活を送っていますよ。生活保護を申請しましょう!」と言ってきたらどう思うでしょう?

非常に失礼な話ではないでしょうか?また、実際に家に来なくても収入や資産を常に見られているのはどうでしょうか?常に行政側から監視されているようで決して気持ちのいいものではないはずです。

そのため、行政側から本当に支援の必要な人に手を差し伸べることはできません。

このように生活保護が本当に必要な人に支援が行き届かないと言う問題があります。

まとめ

生活保護の問題について、できるだけわかりやすくご説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 生活を守ることばかりに注力し過ぎていて自立に向けた支援ができていない
  • 生活保護受給者は憲法に守られているためケースワーカーの指導指示に強制力が一切ない
  • 生活保護費の使用用途に制限が一切なくパチンコやタバコ、お酒等、自由に使える
  • 就職のための支援は複数があるが、生活保護を受けた方が楽なため活用されていない
  • 親が生活保護で楽に生活している姿を見ているため、子も孫も生活保護を受ける負の連鎖が続く
  • 貧困ビジネスに食い物にされていても本人が気づき改善するしか健康で文化的な最低限度の生活を取り戻す方法はない
  • 行政に世帯の収入や預貯金等の資産を調査する権限はないため、生活困窮者に手を差し伸べるどころか、そもそも生活困窮者を調べる方法がない

となります。

その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/

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