Q 健康で働けるのに、なぜ生活保護受給者を働かせないの?
A 生活保護受給者は職業選択の自由で守られているからです。

「病気や障害等があって生活保護を受給しているのはわかる。
しかし、特段病気や障害もなく、至って健康な人が、なぜ生活保護を
受給しているんだ!!そして、そのような生活保護受給者に対して
ケースワーカーは何をしているんだ!!キチンと就労指導しろ!!
これだからお役所仕事は!!」

と私がケースワーカーをしていた時に市民の方から
何度も何度も指摘を受けました。
市民の方々の気持ちは凄くよくわかります。

そもそも病気や障害がなくても生活保護を受給できるのか?については、
以前は働ける健康状態であれば、生活保護を受給することができなかったんですが、
たった1つの条件を満たせば生活保護は受給できるのページにあるように
世帯の収入が最低生活費以下であれば、生活保護を受給できてしまいます。

そして就労指導についてですが、実は生活保護受給者に対しての就労支援は非常に充実しています。
下記の通り5つも支援制度があります。

資格取得費
就職支度費
就労自立給付金
就労意欲喚起等支援事業
就労活動促進費

資格取得費に関しては条件を見たせば自動車の免許の取得費用も出すこともできます。
これだけの支援体制が整っていて、なぜ就労させることができないのでしょうか?

職業選択の自由に守られている

日本国憲法第22条で、全ての国民は職業選択の自由が認められています。
この職業選択の自由が担当ケースワーカーが就労させられない最大の原因です。

もちろん本人が嫌がっているのに女性なら風俗、
男性なら土木等の肉体労働と言った仕事を
強制させられるのは問題です。

そのため、職業選択の自由が認められるべきだと思います。

しかし、例えば
「今まで経験したことのある仕事以外したくない。」
「正社員採用でないと働きたくない。」
「年収600万円以上は最低欲しい。」
と言うような理由で就職しなくても、職業選択の自由で守られて
しまっているのが現状です。

ケースワーカーは就労指導できないのか

生活保護受給者が就職活動自体をしない場合は
就労指導をするように指導することができます。

そして、その指導指示に従わない場合は、生活保護の停止・廃止と言った
対応をすることはできます。

しかし、生活保護受給者がハローワークに行く等、形だけでも
何かしらの就職活動をしていれば、それ以上の指導をすることはできません。

「いつまでに就職するように指導すれば職種を限定している
わけではないので、良いのでは?」
と思うかもしれません。

しかし、その期間内に本人の希望する職種がない場合は、
「本人の意志に背く就労を強制させた」と言うことになってしまうため、
このような指導もできません。

ケースワーカーにできること

担当ケースワーカーにできることは、生活保護開始後半年~1年以内に
就労させるしかありません。

生活保護を受給すると最低生活は維持できますし、世帯の状況によっては、
働くよりも良い生活をすることができます。

そのため、生活保護受給し始めた当初は何とか就労しようと努力するんですが、
受給期間が長くなれば、長くなるほど、やる気が下がり、最終的には
「求職活動はするけど、働く気もないし、働かない」と言う状態に陥ってしまいます。

健康な生活保護受給者を働かせるには

生活保護を受給していない場合は、明日の生活に困るため、
就ける職業に就くしかありません。

生活保護受給者も同様に就ける職業に就くように職業選択の自由を認めつつも、
健康な人に対しては、もう少し強制力のある指導指示ができるように生活保護制度
そのものを改正するしかないのでは?と個人的には思います。