生活保護は働きながらでも受給できるの?仕事で得た収入の取り扱いは?

Q&A

「生活保護を受けながら仕事はできない!」
「生活保護受給中は働いたら駄目!」
「働きだしたら生活保護がすぐに廃止させられる!」

と言ったデマを時々信じている方がいらっしゃいますが、それらはハッキリ言って嘘です。

生活保護を受けながら仕事はできる

生活保護の受給条件は非常にシンプルで「世帯の収入が最低生活費以下であること」です。

生活保護の条件はたった1つ!
生活保護は最後のセーフティネットと呼ばれており、 生活に困窮された人のための、最後の救済措置です。 生活保護とは 資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、 困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度...
生活保護の最低生活費とはいくら?最低生活費の計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも...

そのため、働いて給料収入があったとしても、その世帯の収入が最低生活費以下であれば、生活保護を受けながら仕事することは可能です。

では、最低生活費はいくらなのか?についてですが、最低生活費は8つの扶助の合計金額で算出されます。

生活保護の8つの扶助とは?特性・要件・支給内容について解説
生活保護には全部で8つの扶助があります。生活保護の支給はどれも必ず、この8つの扶助のどれかに該当します。ただし、自動的にもらえるわけではなく、必ず申請が必要です。このページではそれぞれの特性・要件・内容・支給金額等についてわかりやすく解説しています。

そして、それら8つの扶助の合計金額(最低生活費)から児童手当等の収入があれば収入を引いた金額が毎月の支給日に支給されている生活保護費です。

Q 生活保護費の支給日はいつ?定例支給と追加支給の支給日を紹介
生活保護の受給が開始されると、生活保護費が支給されるようになります。 では、いつ生活保護費が支給日されるのか?気になりますよね。 実は、生活保護費の支給日は、生活保護費の支給方法や支給月、福祉事務所によって変わってきます。 そ...

つまり、毎月支給される生活保護費以内の給料収入であれば、生活保護を受けながら仕事をすることができます。

もちろん、夫婦共働きであったとしても同様で、世帯収入が最低生活費以下であれば生活保護を受けながら仕事をすることができます。

例:最低生活費25万円、児童手当5万円の場合
最低生活費25万円-児童手当5万円=毎月の支給額20万円
となるため、上記の場合、世帯の収入が20万円以下なら生活保護に該当します。
世帯の収入で見るため、例えば夫8万円、妻6万円の給料収入があっても、
世帯収入14万円<最低生活費20万円
となるので生活保護を受けながら仕事をすることができます。

うん?ちょっと待てよ。例えばビッグダディのところみたいに大家族の場合はどうなるんだ?と思った方、非常に鋭いですね。

大家族の場合、その分、最低生活費も当然のように増えるため、極端な話、正社員として働いていたとしても、生活保護の条件を満たすような場合もあります。

なお、生活保護を継続できるからと言って、生活保護費が満額もらえるわけではありません。

収入認定を行い最低生活費に満たない額が支給されます。

ただし、給料収入の場合、年金収入等とは違い、給料分がそのまま生活保護費から引かれるわけではありません。

収入申告をすれば毎月の生活費が増える

給料収入は、その他の収入と違い、きちんと収入申告をすれば収入認定額から交通費等の必要経費を差し引くことや各種控除を受けることができます。

生活保護における給料収入の取り扱いは?収入申告しないとどうなる?
生活保護受給中に給与収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。

給料収入だけ、このような取扱いをする理由は1.勤労に伴う必要経費の補填2.勤労意欲の増進・自立助長をするためです。

つまり、「働いたってどうせ無駄」と思わせないように、国も考えていると言うことです。

必要経費については、そこまでお得感を感じにくいですが、各種控除があるため、働いて給料収入を得た方が生活保護費のみで生活するよりも、月々に使えるお金も増加するため保護脱却に至らなくても働いた方が絶対にお得です。

生活保護の支給金額を増やす方法
生活保護費の支給金額(=最低生活費=生活保護の条件)は、 一律ではありません。 地域や世帯の状況によっても支給金額がガラリと 変わります。 誰しも、生活保護費をもらえるなら、 できるだけ多い金額をもらいたいのではないでしょ...
生活保護を受けながらいくらまで働ける?稼げる収入の目安はいくら?
仕事をしていると生活保護を受給することができない、とよく勘違いされていますが、生活保護を受けながら仕事をすることはできます。 しかし、そこで問題になるのが、いくらまでなら生活保護を受給しながら働くことができるのか?と言う点だと...

特に20代、30代の若い世代の方で、生活保護を受給している人は、生活保護費だけでは足りないと思うので、働くことを検討することをオススメします。

生活保護は20代でも受給できる?20代の場合の条件や金額、注意点等について
20代と言うと、若く健康で、これから社会に出て仕事をしていく年代でもあることから、生活保護を受給できないのでは?と思う方が多いのではないでしょうか?結論から言いますと、実は生活保護は20代でも受給することができます。しかも、病気や障害等の特

厚生年金・健康保険に加入することもできる

生活保護受給中は厚生年金や健康保険に加入できないと勘違いしている方がいますが安心してください。

生活保護受給中でも厚生年金や健康保険に加入することはできます。

生活保護受給中に加入できないのは、生命保険や学資保険です。

生活保護を受給すると生命保険はどうなる?解約せずに継続する方法とは?
生活保護受給者が生命保険等に加入している場合の取扱いについて詳しく説明しています。
学資保険
生活保護受給者が学資保険に加入している場合の取扱いについて詳しく説明しています。

もしも厚生年金や健康保険に入れたなら非常にラッキーです。

例えば入院した場合などに世帯収入が最低生活費を超える場合があります。

生活保護受給中に入院した場合の注意点
生活保護受給者が入院すると生活に様々な影響が出ます。 良い影響ならいいのですが、残念ながら悪い影響が出ます。 そのため、入院する時の注意点をまとめました。 注意しないと、生活に支障が出るので、入院予定の方は、 必ず目を通してくだ...

最低生活費を超えてしまった場合、超えた分の医療費は自己負担になるんですが、自己負担する分は医療費の3割ではありません。

通常、国民健康保険や健康保険に加入している方の場合、医療費は3割負担ですが、生活保護受給者はどちらにも加入していないため、自己負担になった場合は医療費は10割負担になってしまいます。
夫婦共働きであったとしても同様です。

例:収入15万円、最低生活費12万円、医療費2万円の場合
収入15万円-最低生活費12万円=自己負担額3万円>医療費2万円
となるため、医療費としてかかった2万円については医療扶助が支給されず、全額を生活保護受給者が病院に支払わなければいけません。しかし、健康保険に加入していれば医療費は3割負担のため、6,000円しか支払わなくてすみます。

 

もちろん、世帯収入を超えた分は医療扶助から出るため、健康保険に加入していれば通常どおり3割負担しかしなくて良いため、自己負担額を抑えることができます。

例:収入15万円、最低生活費12万円、医療費6万円の場合
収入15万円-最低生活費12万円=自己負担額3万円>医療費6万円
となるため、医療費として自己負担額3万円については、支払わなければいけませんが、残りの3万円については医療扶助が出ます。この場合も、仮に健康保険に加入していれば自己負担額は3割の18,000円だけですみます。

そのため、厚生年金や健康保険に加入できるのであれば加入した方が良いです。

会社に生活保護受給中であることはバレない


生活保護受給中であることを自分から話さない限り生活保護受給中であることが会社にバレることはありません。

仮に会社の人が「○○さんは生活保護受給中でしょうか?」と福祉事務所に尋ねてきたとしても、個人情報のため福祉事務所が答えることは絶対にありません。

もしも周りの人が「福祉事務所の人が生活保護って答えた!」と言う人がいても、その反応を見て生活保護を受給しているかどうか判断しようとしているだけなので無視してください。

ただし、給料収入を申告しなかったり、過小申告をするなどの不正受給の疑いが発生した場合、ケースワーカーが勤め先に調査に行くことがあります。

そうなると、生活保護を受給中であることが職場の仲間にバレてしまうため、職場の仲間にバレたくないのであれば、絶対に収入申告はキチンとしましょう。

不正受給となった場合は全額徴収金となる


給料収入の収入申告をしない方が生活保護費満額+給料収入になるから、お得なんじゃないの?と悪いことを考える人が中にはいますが、生活保護を受けながら仕事をする場合は絶対にやめてください。

給料収入の収入申告をしなければ生活保護の不正受給となります。

生活保護の不正受給とは?不正受給の対策や対応はどうしてる?
生活保護は皆さんが払っている税金を原資としています。 そのため、生活保護の不正受給は悪いことだ!生活保護費を不正受給するなんて許せない!と言う声を市民の方から、よく頂きますが、そもそも不正受給とは何なのか?詳しくご存知でしょうか? ...
Q 不正受給が発覚した場合の取扱いは?
Q 不正受給が発覚した場合の取扱いは? A 不正受給した金額を一括返還する必要があります。また悪質な場合は刑事告訴される場合があります。 不正受給が発覚した場合、担当ケースワーカーは収入調査・金融機関調査等の各種調査を行い ...

生活保護の不正受給となった場合、隠していた給料収入全額を生活保護法第78条徴収金として、福祉事務所に返還しなければいけません。

生活保護法第63条返還金と第78条徴収金の違いとは?
福祉事務所は本来支給する金額よりも多くの生活保護費を支給してしまった場合に、 生活保護法第63条返還金又は生活保護法第78条徴収金を根拠に 生活保護者から返還又は徴収することができます。 返還金も徴収金も生活保護受給者から生活保...

給料収入をキチンと申告していれば、上記のように基礎控除等の各種控除を受けることができますが、徴収金となった場合、各種控除は一切受けることができません。

例:1ヶ月の給料15,000円の生活保護受給者が6ヶ月未申告の場合
15,000円×6ヶ月=90,000円
毎月キチンと給料収入を申請していれば、給料全額が控除され、6ヶ月で90,000円も生活保護費に加えて生活することができます。
しかし、未申告であれば、各種控除は一切受けられず、給料として得た90,000円全額を徴収金として、返還しなければいけません。

このように、給料収入を黙って隠していた方が損をするため、生活保護を受けながら仕事をする場合は、収入申告するべきです。

給料収入の未申告は必ずバレる


「いやいや給与収入があってもバレなければ、大丈夫!!」と思ったら大間違いです。

ケースワーカーは生活保護法第29条を根拠に年間の収入について調査をする権限があります。

ケースワーカーとは?仕事内容は?
生活保護受給者には、必ずケースワーカー(CW)と言う担当の人がつきますが、このケースワーカーとは、そもそも何者なのか?どういう仕事をするのか?よくわからないと思います。 そこで、このページでは ケースワーカーはどうい人なのか? 仕...

そして、毎年必ず収入調査をしていますので、給与収入を隠そうと思っても必ずバレます。

収入調査
生活保護を申請すると収入調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

福祉事務所に100%バレるため、給料収入を隠すだけ無駄ですし、損をするだけなので、生活保護を受けながら仕事をする場合は給料収入が入ったら、必ず申告しましょう。

また、繰り返しになりますが、不正受給の疑いがあれば会社にも調査が行くため、生活保護を受給中であることが職場の仲間にバレてしまいます。

そうなると働きづらくもなるため、収入申告は必ずしましょう。

まとめ

生活保護を受けながら仕事できることや、給料収入の取り扱い、その他生活保護受給者が働くうえで気になるであろうことについて、ご説明させていただきました。

・毎月支給される生活保護費以内の給料収入であれば生活保護を受けながら仕事ができること
・働いて給料をもらった方が毎月の生活費が増えること
・給料収入が入ったら必ず収入申告をすること

この3点だけを最低抑えておいてもらったら大丈夫です。

いきなりフルタイムでガッツリ働くのは難しいと思いますので、まずはパート・アルバイトなど、少しずつで良いので、できることから始めてみてはいかがでしょうか?

生活保護受給者がパート・アルバイトした場合の収入認定や注意点
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その他、生活保護では就職するための支援が多数あるため、ぜひ活用してみてください。

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