生活保護の老後は?老人ホームに入居できる?年金があっても受給できる?

Q&A

若い時はバリバリ働いていても年を取って働けなくなり、生活保護の検討をはじめる人。
病気等を理由に若い時から生活保護を受給し、そのまま老後を迎える人。
様々な方がいますが、生活保護の老後はどうなるのか?気になるところだと思います。

そこで、このページでは、

・年を取ってから生活保護を申請できるのか?また、何歳まで受給できるのか?
・老人ホームに入居することができるのか?
・年金収入があっても生活保護を受給することができるのか?
・高齢者世帯の支給金額はどれくらいか?
・生活保護の老後は安泰か?

等、生活保護の老後がどうなるのか?について、わかりやすくご説明します。

生活保護は何歳でもいつまでも受給することができる

生活保護の受給条件に「○○歳だと受給できない」と言った年齢制限はありません。

生活保護の受給条件は非常にシンプルで「世帯の収入が最低生活費以下であること」ただそれだけです。

生活保護の条件はたった1つ!
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預貯金等のすぐに現金化できる資産がなく、世帯の収入が最低生活費以下であれば、申請者が20代の若者であろうと、80代の高齢者であろうと関係なく生活保護を受給することができます。

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次に生活保護の支給期間ですが、受給条件を満たしている限り、何歳まででも受給し続けることができます。

アメリカ等の海外の生活保護制度では一生の間で生活保護を受給できる期間が決まっていますが、日本の生活保護制度では支給期間の定めがありません。

そのため、極端な話、ゆりかごから墓場まで一生涯生活保護で生活し続けることも可能です。

年金収入があっても生活保護を受けられる

年金収入があったら生活保護を受給できないと勘違いされている方が非常に多いですが、年金収入があっても生活保護を受給することはできます。

年金収入
生活保護受給中に年金収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。

生活保護の受給条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」です。

そのため、年金収入があっても、働いて給料収入を得ていても、その世帯の収入が最低生活費以下であれば生活保護を受給することができます。

生活保護は働きながらでも受給できるの?給料収入の取り扱いは?
「生活保護受給中は働いたら駄目!」 「働きだしたら生活保護がすぐに廃止させられる!」 と言ったデマを時々信じている方がいらっしゃいますが、それらはハッキリ言って嘘です。 生活保護は働きながらでも受給できる 生活保護の受給条件...

ただし、年金収入がある場合は、収入認定をされるため、年金の支給金額に応じて生活保護費は減額されます。

給料収入の場合は、基礎控除等があるため、働けば働くほど月々に使えるお金が増えますが、残念ながら年金収入には控除がありません。

生活保護における給料収入の取り扱いは?収入申告しないとどうなる?
生活保護受給中に給与収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。

年金支給額全額が生活保護費の支給額から減額されます。

また、年金は2ヶ月に1回振り込まれるため、年金がない場合とくらべて支給方法が変則的になります。

例えば年金収入がある場合は下表のような支給方法になります。

例:最低生活費10万円、年金支給額5万円(1ヶ月分)の場合
支給月生活保護費年金
1月5万円0円
2月5万円10万円
3月5万円0円
4月5万円10万円

それに対して、もしも年金収入がない場合は下表の通りとなります。

例:最低生活費10万円で年金収入がない場合
支給月生活保護費年金
1月10万円0円
2月10万円0円
3月10万円0円
4月10万円0円

どちらも最低生活費は10万円のため、合計金額は一緒ですが、支給時期がズレるため、年金収入がある方がお金の管理が若干難しくなります。

ちなみに、生活保護費も年金も、どちらも国から支給されるもののため、生活保護受給者から「年金を辞めて生活保護に一本化して欲しい」と相談を受けることが多々ありますが、残念ながら年金を辞めることはできません。

なぜなら、生活保護は最後のセーフティネットと言われていることから、生活保護制度を利用する場合は、老齢、遺族、障害年金や扶養義務者からの援助等、利用できる制度や援助を生活保護よりも優先しなければいけないからです。

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これを「他法他施策優先の原則」と言うんですが、この「他法他施策優先の原則」があるため、生活保護を受給中もしくは生活保護を申請する方は年金をもらえる権利があるのであれば、年金を優先しなければいけないため、お金の管理は難しくなりますが、年金を辞めて生活保護に一本化することはできません。

生活保護でも老人ホームに入ることができる


老人ホームと一口に言っても様々な老人ホームがあります。

例えば公的施設である特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設、民間施設である住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームなど様々な種類があります。

生活保護受給中に入居できる老人ホームはどれか?と言うと、どの老人ホームにも入居することが可能です。

ただし、どの有料老人ホームに入居する場合も生活保護の支給金額範囲内でなければならないと言う条件が付きます。

そのため、よくテレビとかで紹介されている高級ホテルのようなサービスが提供される老人ホームには入居することができません。

なお、介護保険が使える老人ホームに入居する場合は、「他法他施策の原則」により、まずは介護保険が利用され、介護保険では足りない部分について生活保護費が支給されます。

介護保険から支給される分が上乗せされるわけではないため、注意しましょう。

ちなみに介護保険を利用するために必要な介護保険料についてですが、40歳から64歳までの間については生活保護受給中は免除となります。

生活保護受給中は介護保険料が免除されます。
生活保護受給中は介護保険料が免除されます。手続き方法や免除内容について詳しく説明しています。

生活保護受給中でも65歳以上になると、介護保険料を支払わなければいけませんが、介護保険料加算が付くようになるため自己負担はありません。

介護保険料加算
生活保護受給者が65歳以上になった場合、第1号被保険者となり、介護保険料を支払わなければいけません。月々の生活保護費から支払うと思うと不安になると思いますが、介護保険料の実額分については、介護保険料加算が付くため、実質の負担はありません。安心してください。

以上のように、生活保護受給中の介護保険料は免除されるか、加算により支払われているため、介護保険を利用することが可能です。

生活保護の支給金額は少ないけれど病院代が無料なので安心

次に生活保護の老後の支給金額を見てみましょう。

上表は厚生労働省が発表している最低生活保障水準の具体的事例です。

支給金額についてですが、一人暮らしの場合は高齢者単身世帯、夫婦の場合は高齢者夫婦世帯の表が支給金額の目安となります。

表の見方についてですが、住む地域によって1級地-1から3級地-2に分類され、都会に行くほど支給金額が増えます。

例えば東京23区や大阪などであれば1級地-1に分類され支給金額が多くなり、過疎地等の田舎に行けば行くほど2級地-1、2級地-2と順に級地が変わり支給金額が少なくなります。

表の生活扶助とは食費や電気代等の光熱費にかかる費用等、通常予想される生活需要のために支給されるものです。

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住宅扶助はアパートやマンションの家賃額をそのまま支給されるものなので、実質自由に使えるお金は生活扶助として支給される金額となります。

例えば上表の高齢者単身世帯であれば66,300円から77,980円が月々に使える自由なお金になります。

母子世帯と比べると、高齢者世帯に支給される金額は半分程度しかないため、非常に少ないです。

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しかし、医療扶助により、国民健康保険の対象であれば治療費や薬代は無料で医療行為を受けることができます。

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例えばガンになった場合、厚労省が認めていない先進医療は受けることができませんが、投薬治療や手術を受けることはできるため、完治する可能性は十分にあります。

生活保護のがん治療はどこまで?投薬は?手術は?先進医療まで受けられる?
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一般世帯の場合、老後の医療費が心配の種ですが、生活保護受給者は医療費はタダのため、確かに生活保護費の支給金額は少ないですが、全てを生活費として使えるため、安心して生活することができます。

ただし、注意点として、病気等で入院期間が1ヶ月以上を超える場合は、生活扶助の支給基準が居宅基準から入院基準に変わり、支給金額が激減するため、気をつけましょう。

生活保護受給中に入院した場合の注意点
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生活保護は高齢者世帯の割合が最も多い

老後、仕事ができなくなり、生活保護を検討する方が多数います。

特に自営業の方は、厚生年金がなく、基礎年金しかないため、仕事を辞めると収入が激減します。

そこで皆さんが気にされるのが、老後に生活保護を受けても良いのか?と言う点です。

結論から言うと、老後から生活保護を受給開始しても、もちろん良いですし、実は、生活保護を受けている方の大半は同じような境遇の高齢者の方たちです。

上表を御覧ください。

黄色マーカーの部分が全国で生活保護を受給している高齢者の世帯数と構成割合をあらわしているんですが、なんと全生活保護世帯の55.3%が高齢者世帯です。

このように、大半の人が高齢者のため、老後に生活保護を受給して良いのか?と悩まれる方もいますが、生活が苦しいのであれば周りの目等気にせず生活保護を申請しましょう。

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今若い人の老後は支給金額が減らされる可能性が高い

老後も生活保護で安心して暮らせるなら、若い内からずっと生活保護で良いや!と考える方もいるかもしれませんが、その考えは危ないかもしれません。

確かに20代からでも生活保護を受給することは可能です。

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そして、実際は働けるのに、色々と理由をつけてわざと働かない生活保護受給者がいるのも事実です。

Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの?
Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの? A 生活保護受給者は職業選択の自由で守られているからです。 「病気や障害等があって生活保護を受給しているのはわかる。しかし、特段病気や障害もなく、至って健康な人が、な...

しかし、今若い人が、ずっと老後まで今のままの支給金額が保証されるとは限りません。

生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を保証するものではありますが、日本の経済状況が悪化したり、生活保護受給者の数が増え続ければ生活保護費の支給金額を下げざるを得ません。

日本を支える産業である自動車産業も電気自動車になれば雇用者数も減り、また火力発電の電力使って生産した電気自動車はLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)で評価すると駄目なので購入してもらえなくなります。

結果、景気がますます悪化する可能性があるため、今若い人たちは生活保護を受給するにしても、基礎控除等を利用して少しでも給料収入を稼ぐなどしておいた方が生活保護費が下げられた時でも安心です。

まとめ

生活保護受給者の老後がどうなるのか?について、ご説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 生活保護は何歳からでも、いつまででも受給することができる
  • 年金収入があっても生活保護は受給でき、年金で足りない部分が生活保護から支給される
  • 生活保護受給中でも老人ホームに入居することはできるが、生活保護費の範囲内で入所できる施設に限定される
  • 高齢者世帯に支給される生活保護費は少ないが、医療費は無料のため安心して生活できる
  • 生活保護受給者の高齢者世帯の割合は半分以上
  • 生活保護の支給金額は経済状況等に左右されるため、今後はどうなるかわからない

となります。

その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/

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