毎日の生活が苦しい生活困窮者の方は、日々の生活に一生懸命で暮らしに余裕がありません。
生活保護を受給することができれば、生活は安定しますが、受給条件を満たすのか不安があると思いますし、窓口で生活保護を申請しても調査期間があるため、すぐには受給できず、不安な日々が続きます。
そこで、このページでは、生活保護の受給が、ほぼ確定する条件や生活保護を受けるにはどうするべきか等について、詳しくご説明します。
生活保護の申請をしてもほぼ確定ではない
昔から、そして今でも市役所はできる限り生活保護受給者を増やさないように、あれやこれやと理由を付けて申請させないようにします。
これを水際作戦と言います。
もちろん市役所によって厳しかったり緩かったりと千差万別ですが、自立を促すとともに、原資である税金の支出を抑えることがケースワーカーの仕事のため、どの市役所でも水際作戦は行われています。
しかし、憲法で生活保護の申請権は保障されていることから「私は生活保護を申請するため、申請書をください!」とハッキリと申請の意思を伝えれば、ケースワーカーは申請を拒否することはできません。
そのため、ネットやSNS等では「窓口で何を言われても申請書をもらって生活保護の申請をすれば良い!」と言った書き込みを、たまに見ますが、申請書を出したからと言って、生活保護の受給がほぼ確定したわけではありません。
あくまで生活保護の申請権が保障されているだけです。
それこそ、高額納税者番付に載るような大富豪の人であっても、申請書をもらって生活保護の申請をすることはできるわけですから、申請書を出しただけで、生活保護の受給がほぼ確定することは、まずありません。
相談後に職員から申請するよう言われたらほぼ確定
ケースワーカーもしくは相談員の方に相談をして、その結果、申請書をもらったのであれば、生活保護の受給がほぼ確定したと判断して大丈夫です。
なぜなら、ケースワーカーもしくは相談員の方は、生活保護の条件を満たすと判断してからでないと申請書を渡さないからです。
生活保護の申請書を出されたらケースワーカーは資産調査や収入調査、金融機関調査等の各種調査をしなければいけません。
この調査は銀行や保険会社に照会をかけたり、申請者の親族関係を調べたりと非常に手間が掛かります。
また、申請者にとっても、扶養義務調査によって、親戚に生活保護の申請中であることがバレると言う不利益もあります。
そのため、ケースワーカーもしくは相談員は、その世帯の収入や資産等について必ず確認をし、ほぼ確定で生活保護の条件を満たす相手にしか申請書を渡しません。
もちろん、相談事に話した内容に虚偽がある場合などは駄目ですが、真摯に実情について話した結果、生活保護の申請書をもらえたなら、ほぼ確定で生活保護が受給できると考えて問題ありません。
生活保護の受給が確定する条件とは
生活保護の条件は非常にシンプルで、たった1つの条件を満たせば生活保護は受給できます。
それは…
「世帯の収入が最低生活費以下であること」ただそれだけです。
働きたくないだけでも、働いていても、親族から援助を受けていても、家・土地等の不動産を持っていても、自動車を所有していても、ホームレスであっても、逮捕歴があっても関係ありません!!
世帯の収入が最低生活費以下であれば、ほぼ確定で生活保護を受給することができます。
もちろん、細かい条件を言えば、住宅ローンがあったら生活保護を受給できないとかありますが、そもそも住宅ローンを支払えている時点で最低生活費以上の収入がありますし、仕事をクビになったのであれば自宅の競売手続きをすれば生活保護を受給できますので、やはり生活保護の条件は世帯の収入が最低生活費以下であることになります。
では実際、最低生活費はいくらになるのか?
生活保護の扶助は全部で8種類あります。
そのうちの6種類
・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・介護扶助
・医療扶助
・生業扶助
に加算額を加えたものが最低生活費の計算方法です。
=最低生活費
※生活保護費の扶助には、他にも葬祭扶助、出産扶助がありますが、最低生活費を算出するときには使いません。
そして、実際に自分の最低生活費を出す方法ですが、残念ながら、ネットでいくら検索しても最低生活費の正確な金額を算出することはできません。
なぜなら最低生活費は世帯員の人数や年齢など、世帯の状況によって全く異なるからです。
上記扶助は
・住んでいる地域
・世帯の人数
・世帯構成
等によって、金額がガラリと変わります。
例えば母子家庭であれば、母子加算や児童養育加算が付くため、最低生活費が多いですが、逆に一人暮らしの場合は、なんら加算が付かないため、最低生活費が非常に少ないなど、世帯によって、バラバラです。
そのため、「あなたの世帯の最低生活費は○○○円です。」と正確な金額を知りたいのであれば、福祉事務所に行って算出してもらうしかありません。
生活保護を受けるには、まず相談から
生活保護を受けるには、兎にも角にも、まずは窓口に相談に行く必要があります。
その理由は、生活保護の申請書が窓口にあることと、上記のとおり、生活保護の条件である最低生活費がいくらかは相談に行かないとわからないからです。
相談場所についてですが、生活保護の相談は福祉事務所でします。
市にお住まいの場合は、市役所内に福祉事務所が設置されているため、市役所の生活保護担当課に行けば相談できます。
町村にお住まいの場合は、町村役場内に福祉事務所はなく、都道府県が設置する福祉事務所に相談に行く必要があります。
町村にお住まいの方で、福祉事務所の場所がわからない場合は、町村役場に問い合わせたら教えてくれますので、どちらにお住まいでも、役場に聞けば申請場所を教えてくれます。
相談時間は8時30分から17時頃までとなるため、遅くても1時間前の16時頃までに相談に行きましょう。
議員等の権力者に紹介してもらう必要はない
生活保護の申請をする時に、市議会議員や国会議員等の権力者に相談して口利きをしてもらうと審査が通りやすく、ほぼ確定で生活保護が受給できると言う噂がまことしやかに言われています。
また、議員に限らず、「私が紹介したら、絶対に生活保護を受給できる!」と言う、人権団体やNPO法人の幹部を語る人がいますが、結論から言うと、誰が口利きをしても生活保護がほぼ確定になることはありません。
中には「議員や人権団体、NPO法人の方が一緒に相談して口利きをしてくれたから生活保護を受けられるようになった!」と主張する方もいるでしょうが、それは申請者の方が元々生活保護の条件を満たしていただけです。
口利きのおかげでは一切ないため、勘違いしないように気をつけましょう。
特に口利きの見返り料として生活保護費の一部を渡している方は、今すぐ支払いをやめて、自分のために使いましょう。
申請から支給されるまで約1ヶ月必要
生活保護を申請してから決定がおりるまで、最短で2週間、最長で1ヶ月間掛かります。
また、決定がおりた日に生活保護費が支給されるわけではなく、決定後、直近の支給日に生活保護費が支給されます。
生活保護費そのものは申請日から遡って支給されますが、支給されるその日までは一切のお金の支給はありません。
つまり、生活保護がほぼ確定で受けられるとしても、支給が開始されるまでの約1ヶ月間は、今持っている貯金等で生活をしなければいけません。
本当に無一文になってから生活保護を申請すると、大変なことになってしまうため、生活保護がほぼ確定で受けられるまで待つのではなく、ある程度余裕を持った状態で相談・申請をするようにしましょう。
まとめ
生活保護の受給が、ほぼ確定する条件や生活保護を受けるにはどうするべきか等について、詳しく説明させていただきました。
上記をまとめると
- 生活保護の申請書を出せば、ほぼ確定で生活保護を受給できるわけではない
- 相談した結果、ケースワーカーまたは相談員の方から申請書をもらえたなら、ほぼ確定で生活保護を受給することができる
- 生活保護の条件は世帯の収入が最低生活費以下であること
- 最低生活費は住んでいる地域や世帯の人数、構成で変わるため生活保護を受けるには、まずは相談に行く必要がある
- 生活保護の相談窓口は、市の場合は市役所の生活保護担当課、町村の場合は都道府県が設置している福祉事務所に行く必要がある
- 議員や人権団体、NPO法人の方の口利きがあっても生活保護が、ほぼ確定で受けられるわけではない
- 生活保護の申請から実際にお金が支給されるまでに最長1ヶ月程度掛かるため、生活保護がほぼ確定で受けられるまで待たず、余裕を持って相談・申請をする必要がある
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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