生活保護の世間一般的なイメージは、「働かずに楽してお金をもらっている」と言うイメージが強いのではないでしょうか?
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ケースワーカーをしていると市民の方から「生活保護受給者は楽すぎではないか?もっと厳しく指導しろ!」と厳しい意見を言われることも多々あります。
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果たして実際はどうなんでしょうか?生活保護受給者は税金で楽して暮らしているのでしょうか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは、
・生活保護受給者は毎月いくら生活保護費をもらっているのか?
・生活保護は本当に楽なのか?
等について詳しくご説明します。
生活保護費の支給金額は世帯や地域によって異なる
はじめに生活保護費の支給金額について説明します。
生活保護が開始すると、毎月の月初めにその月の生活保護費が支給されます。
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例えば4月分の生活保護費の支給日は自治体によって異なりますが、大体4月1日~5日までの間に支給されます。
毎月支給される生活保護費の主な内訳としては、食費や光熱費代として支給される生活扶助と家賃代として支給される住宅扶助が支給されています。
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生活扶助費や住宅扶助費は、世帯数や地域(都会or田舎)によって、それぞれ支給金額が変わるため、福祉事務所は各世帯ごとに最低生活費を算出し、その最低生活費に不足する金額が支給しています。
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厚生労働省が発表している具体的な毎月の生活保護費の支給金額例は、下表のとおりとなっています。
母子世帯は生活保護費が多くて楽ができる
先程の表「最低生活保障水準の具体的事例」の「母子3人世帯」を御覧ください。
他の世帯例と比べて母子3人世帯の方が明らかに支給金額が多いのがわかると思います。
なぜ母子3人世帯だけ支給金額が多いのか?その理由は、母子世帯や父子世帯の場合、母子加算と児童養育加算が支給されているからです。
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これらの加算があるため、母子3人世帯の場合、上表だと最大で26万円も支給されています。
実際にお仕事をして手取り26万円稼ごうと思ったら年収約400万円の仕事に就いている必要があります。
シングルマザーやシングルファザーが生活保護を受給すれば、働かずして年収400万円と同じ収入で生活できるのですから、「生活保護は楽すぎる」と言えるかもしれません。
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ただ、驚くなかれ。
実は、母子世帯の子どもが成長して、学校に通い出すと更に支給金額が増額されます。
子どもが小学校・中学校に通い出すと教育扶助、高校に通い出すと生業扶助が毎月の生活保護費に追加して支給されるようになります。
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また、制服や体操服代などの入学準備金や部活動に掛かる費用は別途支給されます。
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子どもの数が増えれば増えるほど、その人数に応じて、これらの各種扶助が追加で支給されるため、子どもがたくさんいるシングルマザー、シングルファザーは働くよりも断然生活保護を受給した方が贅沢もできますし、生活保護は楽すぎると言えます。
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実際、「生活保護は楽すぎる」と言う人は母子世帯や父子世帯の方が多いのではないでしょうか?
単身世帯の生活保護は楽とは言えない
母子世帯、父子世帯の支給金額はかなり多いため、無理して働くよりも生活保護を受給した方が楽すぎると言えますが、単身世帯の場合は、必ずしも楽とは言えません。
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単身世帯の支給金額を下表で見てみましょう。
「高齢者世帯【68歳】」が単身世帯の支給金額の具体例です。
単身世帯だと毎月13万円支給されます。
そのうち、住宅扶助は家賃に全て消えてしまうため、実際に使えるお金は7万円ほどしかありません。
年齢が若いと、その分、生活扶助費の支給金額は多少増えますが、誤差の範囲なので、食費・光熱費を含む生活費は7万円と思って問題ありません。
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この7万円が多いのか?少ないのか?がポイントになります。
生活保護を受給すると様々な扶助・免除があります。
例えば病気になった場合の受診料や薬代は全て医療扶助から支給されます。
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光熱費のうち、上下水道代については自治体によって内容は異なりますが免除してもらえます。
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NHKの受信料も申請することで全額免除してもらえます。
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しかし、それでも7万円は十分と言えるのでしょうか?
食費、光熱費、携帯代を払ったら、ほとんど残らないのではないでしょうか?
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しかも、この7万円の中に家具・家電等が壊れた場合の購入金額も含まれているため、貯金もしなければいけません。
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生活費7万円でも満足な生活ができるのであれば良いですが、このようにかなり少ない金額で生活していかなければいけなくなります。
なお、母子世帯や父子世帯は生活保護費が多くて楽だとお伝えしていますが、それは子どもがいる間だけです。
子どもが高校を卒業すると、世帯から外れるため、生活保護費が減額されます。
最終的に全ての子どもが高校まで卒業したら、母子世帯も単身世帯になるため、働くなど何かしらの努力をしていなければ老後はかなり苦しい生活を強いられることになります。
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入院すると支給金額が激減してかなり苦しい
単身世帯については、もう一つ注意点があります。
それは病気等で入院した場合、入院期間が1ヶ月以上になると、生活扶助費が入院基準に変更されるため、支給金額が激減します。
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支給金額は全国一律23,110円です。
生活扶助の支給金額が7万円から23,110円と3分の1も減らされる理由は入院期間中は食事が医療扶助から支給され、且つ光熱費等の支払いも必要ないからです。
さらに、入院期間が6ヶ月を超えた場合で3ヶ月以内に退院見込みがない場合は住宅扶助の支給もなくなります。
単身世帯は、このようなリスクも抱えているため、生活保護だからと決して楽だとは言えません。
まとめ
生活保護は楽なのか?について、ご説明させていただきました。
上記をまとめると
- 生活保護の支給金額は世帯数や地域によって異なる
- 母子家庭、父子家庭は働かなくても年収400万円以上の生活を送れるため、かなり楽ができる
- 単身世帯は自由に使えるお金が7万円程度しかなく楽とは言えない
- 単身世帯が入院すると、さらに支給金額が減額されて苦しくなる
- 母子家庭、父子家庭も子どもが高校を卒業すると単身世帯となるため働くなどの対策が必要
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
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