20代と言うと、若く健康で、これから社会に出て仕事をしていく年代でもあることから、生活保護を受給できないのでは?と思う方が多いのではないでしょうか?
結論から言いますと、実は生活保護は20代でも受給することができます。
しかも、病気や障害等の特別な事情がなくても生活保護を受給することができます。
20代で生活が困窮している方は、世の中に絶望する前に一度生活保護を検討してみてはどうでしょうか?
再起を図る良いきっかけになると思いますので、このページでは、20代でも生活保護を受給できる理由や申請方法、生活保護で支給される金額、その他20代が生活保護を受給するうえで気をつけるべき注意点について、わかりやすくご紹介します。
生活保護の条件に年齢制限はない
生活保護の受給条件に「○○歳だと受給できない」と言った年齢制限はありません。
生活保護の受給条件は非常にシンプルで「世帯の収入が最低生活費以下であること」ただそれだけです。
預貯金等のすぐに現金化できる資産がなく、世帯の収入が最低生活費以下であれば、申請者が20代の若者であろうと、80代の高齢者であろうと関係なく生活保護を受給することができます。
また、条件だけを見ると、最低生活費を算定する要素である8つの扶助の1つに「生活扶助」と言う食費等の生活費に充てるために支給される扶助があるんですが、若い人ほど生活扶助は多く必要となるため、むしろ高齢者よりも20代の若者の方が生活保護は受けやすいんです。
健康で働くことができても生活保護を受給できる
20代の若者の方が生活保護を受給しやすいと言っても、健康で働くことができるなら、生活保護は受けられないのでは?と思う方が多いのではないでしょうか。
確かにバブル崩壊するまでは、生産年齢人口と言われる15歳~65歳までの方であれば、何かしらの病気または障害がなければ、労働が可能であることを理由に生活保護の申請を却下することができました。
しかし、バブル崩壊後は、不景気となり、働きたくても働けない人が急増しました。
若者が働けない原因が「本人のやる気の問題」から「社会問題」にまで発展した結果、生活保護法が改正され、健康で就労可能であっても、それを理由に生活保護の申請を却下できなくなりました。
そのため、20代の若者で特に病気や障害もなく、健康そのものの方でも、収入がなければ生活保護を受給することができます。
生活保護の申請方法
生活保護の申請方法は
1.お住まいの地域の福祉事務所(区役所、市役所、町役場等)に事前相談に行く
2.生活保護の申請用紙をもらい、必要事項を記入して提出する
以上です。
申請には印鑑が必要のため、事前相談時に印鑑を持っていくと、その日のうちに、生活保護の申請は完了します。
生活保護の申請書を提出後、各種調査をする期間がありますが、申請日から14日以内で生活保護の決定または却下が決まります。
申請者が20代の場合、事前相談時に窓口での水際対策として、相談員から「働けるなら生活保護は厳しいと思います。」と言われるかもしれませんが、福祉事務所は生活保護の申請を拒むことはできません。
「申請書をください!」毅然とした態度で言いましょう。
生活保護の支給金額
1人暮らしをしている20代の若者がもらえる生活保護の支給金額の目安は11万円~13万円になります。
より詳しい金額を知りたい場合は、実際に福祉事務所に行って計算してもらうしかありません。
その理由は、生活保護の支給金額は級地基準と世帯の状況によって変わるからです。
級地基準とは、都会ほど物価が高く、田舎ほど物価安いため、地域差を考慮するための基準です。
つまり、都会に行けば行くほど、生活保護の支給金額は増えます。
また、世帯の状況とは、世帯員の人数、世帯員の状態のことです。
世帯員の人数が増えれば増えるほど生活保護の支給金額は増えますし、その世帯員が障害を持っていたり、幼かったりすると、各種加算がつきます。
その他にも、例えば住宅扶助は上限内の家賃であれば、家賃の実額が生活保護の支給金額に追加されます。
このように、生活保護の支給金額の算出には様々な要素が絡んでくるため、1人だと11万円~13万円、それから1人増えるごとに+5万円くらいを目安として計算してもらったら良いと思います。
生活保護受給開始後は指導を受ける
生活保護の受給が開始されると、担当ケースワーカーが付きます。
担当ケースワーカーは生活保護受給者が自立できるように、様々な指導を行います。
指導に従わない場合は、生活保護の停止または廃止になる可能性があるので、必ず指示には従いましょう。
20代の生活保護受給者が受ける指導は、主に下記の2通りになります。
病気の場合は通院指導
病状調査の結果、ケガや病気等が原因で医師から就労不可と判断された場合は、治療に専念するように指導されます。
通院指導された場合は、次回以降の病状調査で、軽労働可、もしくは労働可と診断されるまでの間は、就労指導はされず、キチンと通院していれば、指導を守っていることになります。
精神疾患の方に多いですが、自分が病気である認識がなく通院しない場合は、通院する代わりに、健康な場合と同様に就職活動をする必要があります。
健康な場合は就労指導
健康な場合は就労活動をするように指導されます。
生活保護受給者が行う活動は、具体的には、就労意欲喚起等自立支援事業に登録したり、ハローワークや面接に行った日付や内容を毎月報告する必要があります。
また、希望する職業が免許を必要とするものであれば生業扶助の技能習得費を申請して、資格取得に向けた取り組みを行うのも立派な就職活動となります。
働き始めたら収入申告が必要
就職活動の結果、就職が決まったら、すぐに担当ケースワーカーに報告しましょう。
就職先でスーツや鞄等が必要な場合は、就職支度費から就職に必要なものを購入するお金が支給されます。
そして、給料が出るようになったら、毎月給与明細と一緒に収入申告書を提出しましょう。
給与が出るようになると、収入申告することで、控除が発生します。
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この控除があることで、生活保護費の支給は減額されますが、月々に使える生活費は増えます。
最低生活費10万円-(給与収入63,000円-基礎控除20,000円)=57,000円
支給額57,000円+給与収入63,000円=12万円
上記の例の場合、働かない場合と比べて月に使えるお金が20,000円増えます。
また、新規就労の場合は、基礎控除に加えて、新規就労控除も付きます。
支給額68,600円+給与収入63,000円=131,600円
上記の例の場合、働かない場合と比べて月に使えるお金が31,600円も増えます。
ちなみに、新規就労控除は6ヶ月間つきます。
では、逆に収入申告をしなかった場合はどうなるのか?ですが、収入がバレなければ、生活保護費満額+給与収入となるため、一見かなりお得な気がします。
しかし、給与収入は残念ながら100%バレます。
その理由は福祉事務所は毎年生活保護受給者に収入有無の確認をするために収入調査を実施するからです。
給与収入・年金収入がある場合、この収入調査で必ず挙がってくるため、隠すことはできません。
そして、収入調査で見つかった場合は、不正受給として処理されます。
不正受給の場合、未申告で得ていた給与収入分の生活保護費は全て徴収金の対象となるため、上記のような控除を受けることができず、全額福祉事務所に返還しなければいけません。
せっかく控除が受けられたのに、徴収金となると、非常にもったいないため、収入が発生したら、必ず担当ケースワーカーに報告しましょう。
給料が出たらすぐに生活保護廃止になるわけではない
給料が出たら、すぐに生活保護が廃止になると勘違いされる方がいますが、給料が出たからと言ってすぐに生活保護が廃止になるわけではありません。
繰り返しになりますが、生活保護の条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」ですので、給料があっても、最低生活費以下であれば、働きながら生活保護を受給し続けることは可能です。
また、世帯の収入が最低生活費を超えたとしても、すぐに仕事を辞めてしまい、生活保護に戻る可能性もあります。
もしも、生活保護に戻る場合、生活保護の廃止手続きが終わっていると、再度最初と同じように事前相談からスタートしなければならず、申請者も福祉事務所も非常に手間です。
そのため、就職して、生活保護を脱却できるほどの収入を稼ぐようになっても、最長6ヶ月間は生活保護を停止にして様子を見ることがあります。
まとめ
20代でも生活保護を受給できる理由や申請方法、生活保護で支給される金額、その他20代が生活保護を受給するうえで気をつけるべき注意点について、ご紹介しました。
20代でも、生活に困っているなら、生活保護を受給するべきです。
しかし、生活保護の支給金額は11万円~13万円程度で、歳を重ねるごとに、さらに支給金額は下がっていきます。
そのため、生活保護をそのまま一生受給し続けるのはオススメしません。
20代であれば、まだまだやり直せる機会がたくさんあります。
バイト・アルバイト等の軽労働から始めたり、生活保護で資格を取得するなどして生活基盤を固めて、より豊かな生活にステップアップするための準備期間として利用することをオススメします。
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