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仕送りする際の注意点

収入・資産

生活保護の申請をした場合、親族に対して扶養義務調査が行われます。

扶養義務調査
生活保護を申請すると親族等に対して扶養義務調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

絶対的扶養義務者と呼ばれる直系血族及び2親等以内の親族
(祖父、祖母、両親、兄弟姉妹、子、孫等)に対しては必ず援助ができるか
どうかの調査が行われます。

※相対的扶養義務者と呼ばれる3親等以内の親族(叔父、叔母、甥、姪等)
にまで調査が行くかどうかは、世帯の状況によって異なります。

扶養義務調査の内容としましては福祉事務所によって様式は異なると思いますが
必ず聞かれるのは、生活保護の申請者に対して精神的援助又は経済的援助が
できるかどうかです。

※精神的援助とは見守りや各種手続きの保証人や代理人になることです。
経済的援助とは、お金や食料等の仕送りのことです。

精神的援助については、入院する場合等、何かしら手続きが必要な時に
連絡があるくらいですが、仕送りなどの経済的援助については、少し注意が必要です。

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仕送りは義務ではない


民法第877条に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と定められています。
定められていますし、義務ではありますが、援助しなくても何も罰則はありません。

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何も罰則はないため、もちろん仕送りができるのであれば、した方が良いですが
必ずしも仕送りをしなくても大丈夫です。

また扶養義務調査で、援助できないと回答したからと言って、
申請者が生活保護を受給できないと言うわけでもないので心配いりません。

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ただし、生活保護は自らの資産や能力その他のあらゆるものを活用してもなお生活が
維持できなくなった人に対して支給されるものです。

そのため、親族が仕送りを送ると言っているのに、申請者が仕送りを拒んだ場合は、
生活保護の条件を満たせず、生活保護申請中であれば却下、生活保護受給中であれば
停止・廃止となるので、注意が必要です。

ちなみに仕送りの取扱いについては、全額収入認定となります。
給与収入と違って、控除はありません。
仕送りだけでは足りない部分が生活保護の支給金額となります。

例:最低生活費が10万円、仕送り2万円の場合
最低生活費10万円-仕送り2万円=支給金額額8万円

この場合生活保護費として月々8万円の支給となります。

仕送りする時の注意点


扶養義務調査が行われた当時は援助できなかったが、援助できるようになって
仕送りを始める場合と、生活保護受給者が生活保護費を紛失してしまった場合等で
急遽一時的にお金を貸す場合に注意が必要です。

仕送りを始める場合


本人に生活保護受給中かどうか、まずは確認しましょう。
受給中の場合は、生活保護受給者が住んでいる地域を管轄している
福祉事務所に仕送りを開始することを伝えましょう。

現金で直接渡す場合は、仕送りをしても福祉事務所は気づきませんが
もし銀行振込をする場合、福祉事務所は金融機関調査を定期的に行っているため、
その調査で仕送りをしていることがわかります。

その場合、今まで仕送りで受け取っていた金額については、全額収入認定されて
全額返還金又は徴収金となってしまいます。

例:月々2万円の仕送りを6ヶ月間受け取っていたことが後日発覚した場合
仕送り金額2万円×6ヶ月間=返還金額12万円
この場合、福祉事務所に対して12万円返還しなければいけません。
そうなるとせっかく援助しているのに、逆恨みされる可能性もあります。
そのため、仕送りを開始するときは注意が必要です。

 

一時的にお金を貸す場合


一時的にお金を貸す場合が最も注意が必要です。

例えば生活保護費を紛失してしまった場合や、急きょ何かしらの
支払いが起きた場合にお金を貸してほしいと言われたとします。

生活保護法で、生活保護受給者が借金をした場合、借金は収入として
見なされてしまいます。

そのため、全額収入認定されて、支給金額が減額されます。

例:最低生活費が10万円の生活保護受給者が2万円の借金をした場合
最低生活費10万円-借金2万円=8万円
この場合、その月の支給金額は8万円になります。

これは貸す側が金融機関、消費者金融、扶養義務者どれであっても
同じ取り扱いとなります。

もちろん借金をすることに何かしら特別な理由があったとしてもです。

それらを考慮してくれる担当ケースワーカーもいますが、通帳でやり取りが
残っている場合は、収入認定せざるを得ないので、もしどうしても
お金を借りたい又は貸したい時は、直接手渡しでしないと返還金又は
徴収金になってしまうので、注意が必要です。

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