生活保護受給者に対する世間の目は厳しく「生活保護を受給することは甘えだ!」と非難されることが多々あります。
生活保護は法律で認められている権利であり、また、資産もなく、病気や障害等で働くことができないから生活保護を受給しているのに、なぜ世間から甘えていると言われてしまうのでしょうか?生活保護受給者の方は納得できないと思います。
そこで、このページでは、生活保護は甘えと言われる理由や、甘えていると言われないためにはどうすれば良いのか?等について、わかりやすくご説明します。
生活保護は甘えと言われる理由
生活保護は甘えと言われるのは、なぜでしょうか?その理由は全部で3つあります。
- 生活保護では贅沢をすることが認められている
- 健康で働けるのに働かない生活保護がいる
- 日本は社会保障制度が充実している
これらの理由により、世間から生活保護受給者は甘えていると言われてしまいます。
では、生活保護は甘えと言われる理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
生活保護では贅沢をすることが認められている
生活保護は甘えと言われる理由の1つ目は生活保護費で贅沢をしているからです。
生活保護の受給が開始されると8つの扶助を受けることができます。
そして、これらの扶助により、毎月決まった日に生活保護費が支給されます。
この生活保護費として支給される金額は最低生活費と呼ばれているんですが、実は、この最低生活費とは「生きるうえで必要最低限の生活費」ではなく「健康で文化的な最低限度の生活費」の事を指します。
この「健康で文化的な」がポイントで、このキーワードにより、生活保護では多少の贅沢をすることができるだけの金額が毎月支給されています。
そして、このお金の使用用途に基本的に制限はなく、自由に使うことができます。
例えば生活保護費を使って旅行やゲーム、外食、お酒、タバコ等を購入することができますし、パチンコ等のギャンブルに使うこともできます。
実際、生活保護費が支給されたら、その足でパチンコ屋さんに行き、ギャンブルに興じる生活保護受給者は多数います。
このように、生活保護費を自己研鑽に充てるのではなく、贅沢をしたり、ギャンブル等、遊ぶ事に使っている方が多いため、生活保護は甘えと言われても仕方がありません。
健康で働けるのに働かない生活保護受給者がいる
生活保護は甘えと言われる2つ目の理由は健康で働けるのに働かない生活保護受給者がいるからです。
生活保護は若く、健康で、働ける人は受給することができないと思わています。
確かに昔は病気や障害等のない健康な方や、病気や障害等があっても医師から働くことができると診断された方は生活保護を受給することができませんでした。
しかし、バブル崩壊後、不景気となり、働けないのは個人の責任ではなく、社会にも責任があると言う考えから、世帯の収入が最低生活費以下であれば生活保護を受給することができるようになりました。
その結果、実際は若く、健康で、働ける人でも、生活保護を受給している人が増えています。
世の中には病気や障害があっても一生懸命頑張って働いている方がいます。
そういう方達と比べると、働けるのに何かと言い訳をして働かない生活保護受給者は甘えていると言われても仕方がありません。
日本は社会保障制度が充実している
生活保護は甘えと言われる3つ目の理由は日本は社会保障制度が充実しているからです。
高齢になったら老齢年金、生計を支えていた配偶者が亡くなった場合は遺族年金、働けない身体になったら障害年金がもらえます。
これらの社会保障制度を活用すれば、生活保護を受給しなくても生活をすることができます。
しかし、国民年金保険料を支払っていなかったり、障害年金をもらえる程、重たい病気や障害ではない場合は各種年金を受給することができません。
つまり、生活保護受給者は、もしもの時のための備えを怠っていた、または、社会保障を利用する程の状態には、まだなっていないため、社会保障制度を利用できないわけです。
社会保障に限らず、生命保険や医療保険に加入する、貯金をするなど、老後や病気、障害等、もしもの時のために備えている人からすると、何ら準備をしていなかった生活保護受給者は甘えていると言われても仕方がありません。
生活保護は甘えと言われることを甘んじて受けるべき
「生活保護は甘えだ!」と言うと、必ず「私は生活保護を受給しているけれど、甘えていない!」と言う方が出てきます。
確かに生活保護受給者の中には、精神的にも経済的にも独立するために努力している方がいるのは事実です。
本当に一生懸命努力していて、こちらが見習わないと!と思うような方もいます。
しかし、一生懸命努力している方であっても「生活保護は甘え!」と言われることを甘んじで受け入れるべきです。
なぜなら、どんな職業に就いている人も批判は受けるからです。
例えば公務員は「私達の払った税金をもらって仕事をしている」「公務員だから楽をしている」等など、日々、市民の方から言われます。
それこそケースワーカーも公務員ですから、生活保護受給者の方からも「公務員のクセに!」と言われることがあるくらいです。
実際は、公務員も民間企業で働く人と一緒で、労働の対価として給料をもらっていますし、また、公務員は楽な仕事をしているわけでもありません。
しかし、そんな事を説明しても意味はありませんし、実際どうであるかはどうでも良いんです。
社会のイメージが公務員は楽、生活保護は甘えであるならば、実情はどうであれ公務員は楽、生活保護は甘えなのですから、甘んじてその批判を受けるしかありません。
甘えと言われないためには生活保護を辞めるしかない
上記のとおり、生活保護を受ける以上は、世間からは生活保護は甘えと言われ続けてしまいます。
「生活保護は甘えと言われるのが耐えられない!」と言う方は、生活保護を辞めるしか方法はありません。
生活保護は辞退届を提出すれば、すぐに辞めることができます。
実際に最低生活費以下の収入がない人でも、「甘えていると言われたくない!」と言って生活保護を辞退する人もいます。
しかし、何も準備しないまま辞退届を提出しても、生活することができず、またすぐに生活保護を受給することになってしまうため、オススメしません。
生活保護では、自立するための様々な制度が用意されているため、生活保護は甘えと言われたくない場合、それらを活用して就職することから始めましょう。
例えば技能・資格が必要な仕事に就きたい場合は、技能・資格取得に必要な費用が支給されます。
必要だと認められれば自動車運転免許も取得することもできます。
実際の就職活動に掛かる費用も生活保護では支給してもらうことができます。
なお、生活保護受給中に得た給料収入については、収入認定されてしまいますが、全額生活保護費から引かれるわけではなく、基礎控除等が付くため、働いた分だけ、月々に使えるお金も増えます。
さらに、就労して生活保護を辞めた場合、就労自立給付金と言われる生活保護を脱却した特別ボーナスのようなものまで支給されます。
「生活保護は甘えだ!」と言われるのが嫌な方は、これらの支援を活用すれば生活保護から脱却することができます。
まとめ
生活保護は甘えと言われる理由や、甘えていると言われないためにはどうすれば良いのか?等についてご説明させていただきました。
上記をまとめると
- 生活保護は贅沢することが認められていることから、その分のお金をギャンブルや遊び等に使う生活保護受給者が多いため甘えていると言われる
- 昔は少しでも働けると判断されれば生活保護を受給できなかったが、現在は若くて健康で働けるのに働かなくても生活保護を受給することができることから、何かしら言い訳をして働かない生活保護受給者が増えているため甘えていると言われる
- 病気や障害等になり、生活保護を受給する方もいるが、国民年金保険料の支払いや生命保険・医療保険への加入、貯金等の準備をキチンとしていれば生活保護を受けなくても社会保障等により生活が出来ていたため、甘えていると言われる
- どんな職業に就いている人も何かしらの批判は受けるため、世間のイメージが「生活保護は甘え」であるならば、実情はどうであれ、その批判を甘んじて受けるしかない
- 「生活保護は甘え」と言われるのが嫌なら生活保護から脱却するしかない
- 生活保護では資格取得費の支給等、就職に向けた様々な支援を行っているため、「生活保護は甘え」と言われたくない方は、それらの支援を活用して、まずは就職するのがオススメ
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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