生活保護受給者がアパートやマンションを探して借りようとしても、なかなか賃貸契約が結べないイメージがあると思います。
確かに「生活保護受給者には家を貸したくない」と思っている大家さんがいるのは事実です。
しかし、上手に大家さんを説得をすれば「ぜひ生活保護受給者に家を貸したい」と思わせることも可能です。
そこで、このページでは、生活保護受給者が賃貸契約を断られる原因と、大家さんを説得して、ぜひ賃貸契約を結びたいと思わせる方法について、わかりやすくご説明します。
生活保護受給者が賃貸契約を断られる原因
はじめに生活保護受給者が賃貸契約を断られる原因について、ご紹介します。
生活保護受給者が賃貸契約を断られる原因は全部で5つあります。
それは、
- 近隣住民とトラブルになる
- 家賃を滞納する危険がある
- 大事な物件が壊されたり、汚される危険がある
- 何が起きた時の連帯保証人がいない
- 緊急時に連絡がとれない
です。
以上、5つの理由により、大家さんは生活保護受給者と賃貸契約を結ぶのを嫌がります。
それぞれの原因について下記で詳しく説明をしますので、大家さんと交渉する際には、自分はイメージする生活保護受給者ではないことをアピールしましょう。
生活保護受給者は近隣住民とトラブルになる
生活保護受給者の中には、ごくごく少数ではありますが、近隣住民としょっちゅうトラブルを起こす方がいます。
なぜなら生活保護受給者の中には精神疾患により、幻覚や幻聴、被害妄想等が激しい方がいるからです。
このような精神疾患があっても、病院に通い、薬を飲めば症状が和らいで普通に生活ができるんですが、彼らには自分が病気であると言う病識がないため、病院に通っていなかったり、医師が「病気ではなく性格の問題」とサジを投げてしまっているため、治療されず、そのまま放置されています。
こういう方は生活保護受給者の中でも、かなり少数派ではありますが、印象として非常に残りやすいため、一度でも遭遇すると、生活保護受給者に対して拒否反応を示すようにようになります。
生活保護受給者は家賃を使い込み滞納する危険性がある
生活保護を受給すると、毎月決まった日に生活保護費が支給されます。
この生活保護費の中には食費や光熱費として生活扶助や、アパートやマンション等の家賃として住宅扶助が含まれています。
その他、子どもがいる家庭では、教育扶助や生業扶助が支給されますが、これらの扶助は生活保護費として一括で支給されるため、支給金額決定通知書を見ない限り、扶助の内訳を知ることはあまりありません。
その結果、生活保護受給者の中には、本来は家賃として支給されたものにも関わらず、知らずに趣味等に使い込んでしまい、家賃を滞納することがあります。
実際、生活保護受給者の多くは、欲望に弱く、お金の使い方があまり上手ではない人が多いです。
このように、生活保護受給者は支給された家賃を使い込んでしまい、滞納する危険性があるため、大家さんが賃貸契約を断ることがあります。
なお、後述しますが、生活保護受給者の場合、手続きをすることで、絶対に家賃を滞納しない方法として、代理納付と言うものがあります。
代理納付をすることで、逆に生活保護受給者であることを強みにすることが可能です。
部屋が壊されたり、汚される危険性がある
生活保護受給者の方で暴れて部屋を壊すと言う例は、ほとんどありませんが、部屋を汚す方は多数いらっしゃいます。
これも、精神疾患が原因によるものが多いですが、整理整頓がうまくできず、いわゆるゴミ屋敷のようになることがあります。
一度ゴミ屋敷になると、掃除をするのが大変ですし、ゴミ屋敷となっている間にネズミや害虫などが住み着いて、部屋の基礎部分である柱等が腐食してしまうことがありますし、隣の部屋の人にも影響を及ぼしかねません。
ニュース等で出てくるようなゴミ屋敷にまでは、なかなかなりませんが、それに近しいゴミ屋敷にはなる可能性は比較的高いため、新しいアパートやマンションの大家さんは生活保護受給者に部屋を貸すのを嫌がる傾向にあります。
生活保護受給者には連帯保証人がいない
賃貸契約を結ぶ場合、連帯保証人が必要ですが、生活保護受給者の場合、親族との連絡を極端に避けるようになるため、連帯保証人になってくれる人がいない場合があります。
「生活保護受給者の場合、ケースワーカーが連帯保証人になってくれるのでは?」と思っている方がいますが、ケースワーカーの仕事はあくまで生活保護受給者の自立支援をすることであって、身の回りのお世話をすることではありません。
そのため、当然、連帯保証人にケースワーカーはなり得ません。
最近は保証会社が連帯保証人になってくれるケースも増えましたが、全ての不動産が保証会社だけで良いとは限らないため、連帯保証人がいないと賃貸契約を断られることがあります。
生活保護受給者の緊急連絡先がない
連帯保証人に関しては保証会社が代わりになってくれるため、まだ良いですが、緊急連絡先がないのは致命的です。
なぜなら、生活保護受給者が突然亡くなった場合や長期入院により、部屋を出なければいけなくなった時に、家財等の処分に困るからです。
傍から見ればゴミにしか見えないものでも、本人にとっては大事な物だったりします。
許可なく処分した場合、後日、本人や親族から訴えられる可能性があるため、勝手に家財等を処分することができません。
もちろん連帯保証人と同様、緊急連絡先にも、ケースワーカーはなり得ません。
このように、何かトラブルが発生した時に大家は非常に困るため、緊急連絡先がないと賃貸契約を断られることがあります。
生活保護受給者が大家を説得して賃貸契約を結ぶ方法
次に、生活保護受給者が大家を説得して賃貸契約を結ぶ方法について、ご紹介します。
大家を説得して賃貸契約を結ぶ時のポイントは2つです。
- 家賃を代理納付にする
- 緊急時に連絡が取れる扶養義務者を確保する
以上、2つのポイントを抑えれば、生活保護受給者でも賃貸契約を結びやすくなります。
では、それぞれのポイントについて、詳しくご紹介します。
家賃を代理納付にする
生活保護受給者が代理納付と言う手続きをすれば、住宅扶助で支給する家賃を福祉事務所から大家さんに直接支払うことができるようになります。
代理納付にすれば、如何にお金遣いの荒い生活保護受給者であっても、家賃が未払いになることはありません。
そのため、家賃を代理納付にすることで、確実に家賃収入が得られることを上手に大家さんにアピールすれば、賃貸契約結びやすくなります。
むしろ、この代理納付により、中には下手に一般世帯の人に貸すよりも、確実に家賃を入れてくれる生活保護受給者を入居させたい大家さんもいるくらいです。
それくらい家賃の代理納付に魅力を感じる大家は多数いるため、賃貸契約の交渉時に代理納付を提案すれば、賃貸契約を結びやすくなります。
緊急時に連絡がとれる扶養義務者を確保する
緊急時の連絡先があるのと、ないのとでは、大家さんの印象が全く違います。
緊急時の連絡先があれば、もしも生活保護受給者に何か起きたとしても、大家さんは扶養義務者と連絡を取ることで対処することができます。
また、扶養義務者が緊急連絡先になってくれると言うことは、近隣ともトラブルを起こさない可能性が高いことの証明にもなります。
なぜなら、近隣住民とトラブルを起こすような方は、親族ともトラブルを起こしているからです。
緊急連絡先があると言うことは、少なくとも親族とは良好な関係を築けているわけですから、近隣住民とも良好な関係を築けることが予想できます。
これら2つの理由により、緊急連絡先があると言う安心感を大家さんに与えることができれば、賃貸契約を結びやすくなります。
まとめ
生活保護受給者が賃貸契約を断られる原因と、大家さんを説得して賃貸契約を結びやすくする方法について、ご説明させていただきました。
生活保護受給者を入居させた事がない大家さんは、生活保護受給者に対する悪いイメージが先行して、賃貸契約を結びにくい傾向にあります。
しかし、このページで紹介したように、代理納付によって、家賃を滞納する可能性はゼロであること、緊急連絡先が確保できていること、この2つをアピールすることができれば、大家さんの不安も解消され、賃貸契約を結ぶことができます。
引っ越し費用についても、生活保護では条件を満たせば支給してもらえるため、もしも引っ越し先が決まったら、担当ケースワーカーに相談してみましょう。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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