生活保護は持ち家があっても受けられる?持ち家がある時の取り扱いは?

収入・資産

生活保護は、あらゆる資産を活用し、それでも生活に困窮する場合に受給することができます。

では、持ち家等の不動産を所有している場合は、生活保護を受けることができないのでしょうか?

確かに持ち家等の不動産は資産のため、生活保護を受けられないと思いこんでいる方が多数いらっしゃいます。

しかし、実際は持ち家等の不動産を所有していも生活保護を受給することはできるんです!

持ち家があっても生活保護を受給できると聞いて、「え?持ち家って資産じゃないの?処分しなくても生活保護を受けられるってどういうこと?」と様々な疑問が出てきたのではないでしょうか?

そこで、このページでは、持ち家等の不動産資産があっても生活保護を受給することができる理由や持ち家がある場合はどういう指導を受けるのか?絶対に持ち家は売却しなければいけないのか?等、生活保護と持ち家に関する様々な疑問について、わかりやすくご説明します。

持ち家等の不動産を所有していても生活保護が受けられる理由

持ち家や不動産を所有していたとしても生活保護を受給することができます。

なぜなら、資産価値の高い持ち家等の不動産を所有していたとしても、すぐに現金化することができないからです。

生活保護を受給するための条件は、あらゆる資産を活用しても世帯の収入が最低生活費以下であることです。

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そのため、株券、生命保険、宝石等の貴金属、ブランド品などの、すぐに現金化することができる資産を所有している場合は、解約したり、売却して、生活費に充ててからでないと、生活保護を受給することができません。

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しかし、持ち家等の不動産は、1件1件の単価も高く、買い主がなかなか見つからないため、余程良い物件であっても、今日・明日中に売れることは、まずありません。

持ち家等の不動産は早くても数ヶ月、遅いと数年、数十年も売却するまでに時間が掛かります。

現金化することができなければ、たとえ数百億円もの価値があったとしても、生活をすることはできないため、持ち家等の不動産があっても生活保護を受給することができます。

住宅ローンが残っている場合は生活保護を受けられない

持ち家等の不動産を所有していても生活保護を受給するこはできますが、住宅ローンがある場合は生活保護を受給することができません。

なぜなら、生活保護費を使って証券等を購入したり、借金の返済をする等、いわゆる資産形成をすることは全て禁止されているからです。

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特に住宅ローンについては生活保護手帳に「住宅ローンがある場合は生活保護を受給させることができない」と、しっかり明記されていますし、金融機関調査等の各種調査で住宅ローンを組んでいることがすぐにバレるため、隠すこともできません。

金融機関調査
生活保護を申請すると金融機関調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

では、住宅ローンがある場合はどうすれば良いのか?

残念ながら住宅ローンに関しては一切の例外がないため、住宅ローンがある場合は、不動産会社を通して持ち家等の不動産を売却するか、住宅ローンの返済を滞納し、債権者から強制執行をされてから、生活保護を申請するしかありません。

なお、持ち家等の不動産を売却、もしくは強制執行された後も借金そのものは残ると思いますが、それは住宅ローンではないため、生活保護を申請・受給することができます。

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持ち家の資産価値が低ければ住み続けることができる

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しかも、ケースワーカーから売却するよう指導を受けることもありません。

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そして、毎月決まった日に、各世帯ごとに算出した最低生活費に足りない分のお金が生活保護費として支給されるようになります。

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しかし、持ち家を持っている生活保護受給者の場合、家賃を必要としないため、福祉事務所は住宅扶助を支給する必要がなくなります。

住宅扶助の金額は級地によって異なりますが、安くても月額3万円、高ければ月額7万円にもなります。

そして、住宅扶助の支給が数年、数十年にも及ぶと、その金額は数百万円、数千万円になります。

資産価値の低い持ち家を持っている生活保護受給者に対しては、その持ち家を売却させるよりも、そのまま住んでもらい、住宅扶助の支給をしない方が確実に生活保護費の削減につながります。

そのため、資産価値の低い持ち家を所有している生活保護受給者は、売却指導を受けることなく、そのまま住み続けることができます。

なお、大抵の持ち家は人が住んだ時点で中古物件となり、資産価値が大幅に減少することから、余程の大豪邸に住んでいない限りは、売却指導を受けることなく、住み続けることができます。

資産価値が高い、または住んでいない持ち家は売却指導を受ける

資産価値が高い持ち家や資産価値が低くても住んでいない持ち家を所有している場合はケースワーカーから売却指導を受けることになります。

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なぜなら、資産価値が高い持ち家の場合は、売却できれば生活保護を受ける必要がなくなりますし、住んでいない持ち家の場合は住宅扶助の削減につながらないからです。

では、ケースワーカーから売却指導を受けた場合は、具体的に何をするか?と言いますと、不動産会社に行って、持ち家の買取もしくは仲介を依頼するだけで大丈夫です。

その後は、どれだけ売却に時間が掛かっても問題はなく、極端な話、売却できなくても問題ありません。

売却できるかどうかは運次第なので、生活保護受給者は売却する努力さえしていれば、資産価値の高い持ち家等の不動産を所有したまま生活保護を受給することができます。

なお、現在は住んでいなくても、生活保護受給後に持ち家に転居する場合は、上記のとおり、資産価値が低ければ住み続けることが認められますし、生活保護費から引っ越しに掛かる費用を全額支給してもらうことも可能です。

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例えば両親が亡くなり、その両親が住んでいた家を相続して、実家に戻る場合が、それに該当します。

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持ち家を売却できた場合は生活保護費を返還しなければいけない

持ち家等の不動産が売却できた場合、売却できるまでの間に受給した生活保護費を返還しなければいけません。

生活保護法第63条返還金と第78条徴収金の違いとは?
福祉事務所は本来支給する金額よりも多くの生活保護費を支給してしまった場合に、 生活保護法第63条返還金又は生活保護法第78条徴収金を根拠に 生活保護者から返還又は徴収することができます。 返還金も徴収金も生活保護受給者から生活保...

そして、生活保護費を返還してもなお、持ち家等の売却代金が残った場合は、生活保護が廃止となります。

Q 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの?
Q  「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの? A  どれも月々の生活保護費の支給はありませんが全く違います。 毎月1日の生活保護費の支給がないところは共通していますが 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支...

例えば、毎月10万円の生活保護費を3年間受給した場合、10万円×36月=360万円の生活保護費を受給しています。

この生活保護受給者が当初から所有していた持ち家等の不動産が、今まで受給してきた生活保護費以下の300万円で売却できた場合、この300万円全額を福祉事務所に返還しなければいけませんが、その後も継続して生活保護を受給することになります。

仮に持ち家等の不動産が、今まで受給してきた生活保護費以上の700万円で売却できた場合、福祉事務所に360万円全額返還しても、340万円手元に残ります。

340万円もお金があれば、当面の生活費に困らないため、生活保護は廃止となります。

なお、この場合も、売却代金がなくなり、収入等がなければ、生活保護の受給条件を満たすため、再び生活保護を受給することができます。

持ち家を売却したくない場合はリバースモーゲージも選べる

高齢者の場合、持ち家を売却するのではなく、リバースモーゲージと言う制度を利用する方法もあります。

リバースモーゲージとは、持ち家を保有している人が、そのまま持ち家に住み続けながら、その持ち家を担保に金融機関から老後資金の借入れを行う制度です。

リバースモーゲージは、契約終了後、または契約者が亡くなった後に担保としていた自宅を処分することで、借入金を返済する仕組みになっています。

このリバースモーゲージを利用すれば、生活保護を利用する必要もないですし、持ち家に住み続けることもできます。

ただし、注意点として、リバースモーゲージには長生きリスクがあり、生きている間にリバースモーゲージの契約期間が終了してしまうと、金融機関に売却しなければいけないため、持ち家を失うことになります。

生活保護受給中は持ち家の固定資産税は免除される

持ち家等の不動産を所有している場合、固定資産税が毎年掛かります。

しかし、生活保護受給者の場合、あらゆる税金は免除されるため、持ち家等の不動産に掛けられるはずの固定資産税も免除となります。

生活保護受給者の税金は免除される?滞納分の取り扱いは?申請は必要?
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過去の滞納分の支払いもストップするため、持ち家等の不動産があっても税金については、なんら心配する必要はありません。

まとめ

生活保護は持ち家等の不動産があっても受けられるのか?また、持ち家等の不動産がある時の取り扱いはどうなるのか?等について、ご説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 不動産は、すぐに現金化することができないため、持ち家等の不動産を所有していても生活保護を受給することができる
  • 住宅ローンがある場合は、資産形成につながるため、生活保護を受給することができない
  • 資産価値が低い持ち家の場合、そのまま住み続けてもらった方が行政的にも住宅扶助の支給をする必要がなくお得なため、売却指導を受けることなく、そのまま住み続けることができる
  • 資産価値が高い、または住んでいない持ち家等の不動産を所有している場合、売却指導を受けるが、不動産会社に買取もしくは仲介を依頼さえしていれば良く、売却にどれだけ時間が掛かっても問題はない
  • 持ち家等の不動産が売却できた場合は、売却までに受給した生活保護費は返還しなければならない
  • 高齢者の場合、リバースモーゲージを利用することもできる
  • 生活保護受給中の固定資産税は全額免除される

となります。

その他、生活保護の収入や資産に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/syunyu/

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