生活保護受給中の場合、支給金額が変わるというと世帯の状況が
変わったからでは?と思うと思います。
確かに妊娠、出産や引っ越しなどによる世帯員の増減がある場合や、世帯員の
誰かが給与収入や年金収入などの何かしらの収入が発生した場合など、世帯の
状況が変わると生活保護の支給金額が変わります。
しかし、世帯の状況が変わらなくても、1年間に4回必ず生活保護費の支給金額の
変わる月があります。
世帯の状況が変わる場合と比べて支給金額の変動は大きくはありませんが、
それでも支給金額が増える月は良いですが、減る月については、気を付けましょう。
4月の支給金額の変更
4月の支給金額に影響を与える原因は下記のとおりです。
・法改正に伴う保護基準の変更
・冬季加算の削除
・教育扶助の変更
・生業扶助(高校生)の変更
・各種加算の変更
4月の支給金額の変更は増える場合も減る場合も最も
大きいので注意が必要です。
また、4月は支給日についても通常の支給日とは異なる支給日のため
注意が必要です。
4月の支給金額の変更の中で最も注意が必要なのは上記の変更と一緒に
世帯の状況も変わる点です。
特に高校生3年生がいた場合、4月になると世帯から外れることが多いです。
そうすると生業扶助の削除、母子加算の削除、世帯員の減少による生活扶助の削除が
発生します。
生活扶助についても、高校生の年代が1類の金額が最も多く支給されるため、
他の世帯員が転居等により減少するよりも支給金額の減少幅が大きいです。
大体、支給金額が約5万円程減少すると考えて良いです。
そのため、特に子どもがいる生活保護世帯は4月の支給金額の変更には注意が必要です。
また、担当ケースワーカーの支給金額決定のミスも発生しやすいため、
4月支給分の支給金額決定通知書はちゃんと確認しましょう。
11月の支給金額の変更
11月からは、冬期に入るため、暖房代として通常の生活保護費にプラスして
冬季加算の付与が開始されます。
11月の支給金額の変更は増額ですし、微々たるものなので、それほど
気にしなくても大丈夫です。
ちなみに…生活保護の条件として、最低生活費を計算する上で冬季加算は
含んで計算していません。
12月の支給金額の変更
12月の支給分については、年越し代として期末一時扶助費が付与されます。
通称もち代です。
こちらも支給金額の増額ですが、少し注意が必要です。
12月中に生活保護が停止または廃止になった場合、期末一時扶助については
全額返還しなければいけません。
月のはじめに支給された生活保護費は日割り計算をして返還するよう指示される
場合もありますが、大体は返還免除してもらえるケースが多いと思います。
しかし期末一時扶助については、返還免除はできません。
級地によって期末一時扶助の金額は異なりますが、最低でも1万円以上は
返還しなければいけないため、12月中に停止または廃止になる場合は
注意が必要です。
ちなみに…生活保護の条件として、最低生活費を計算する上で期末一時扶助は
冬季加算同様、含んで計算していません。
1月に変更する内容
12月に支給された期末一時扶助費の削除がされます。
生活保護受給者は支給金額が増えた時は何も言いませんが
減った場合は、すぐにクレームを言いにくることが多いです。
世帯の状況に変更がなければ11月支給分と1月支給分は同じなんですが
12月支給分が増額しているため、1月支給分は支給金額が減ったと
強く感じるようです。
1年通じて生活保護を受給したことがある場合は、慣れているため
問題ありませんが、初めて期末一時扶助を受けた生活保護世帯は、なぜ
1月支給分が減ったのか理由がわからずクレームに来る可能性があります。
担当ケースワーカーは新規の生活保護受給者に対して事前にアナウンスして
おいた方がクレームも少なく、また信用されます。
最後に
生活保護の支給金額はあまり変わらないと思っている人も多いと思いますが、
上記のように年に4回は必ず支給金額は変更しますし、加えて世帯の状況が変わった場合にも
変更します。
増える分については、特に問題はないと思いますが、減ると生活水準を下げなければ
いけません。
特に母子家庭等、子どものいる家庭については、部活等をしなければ、むしろ自由に使えるお金が
多いため、生活水準が上がりがちです。
子どもがいなくなって支給金額が減っても、すぐには生活水準を下げることが
できないため、どういう場合に支給金額が減るのかについては、常に意識して
生活をしていくことをおすすめします。
それが経済的に自立していく一歩にもつながると思います。