生活保護受給者がパート・アルバイトした場合の収入認定や注意点

収入・資産

生活保護の受給が始まると、自立に向けた取り組みをする必要があります。

病気がある人は、まず治療に専念する必要がありますが、病気の状態が軽度の場合や健康な場合は、経済的な自立に向けて就職活動をしなければいけません。

とは言え、いきなり正社員や派遣社員としてバリバリ働くことは難しいため、まずはパート・アルバイトから始めることになります。

しかし、ケースワーカーから働くように指導指示を受けても、働くことに不安を感じている生活保護受給者の方も多いと思います。

そこで、このページでは生活保護受給者がパート・アルバイトをするうえで必要な知識やあらゆる疑問にお答えします。

パート・アルバイトを始めても生活保護は継続できる

生活保護の受給条件は非常にシンプルで「世帯の収入が最低生活費以下であること」です。

生活保護の条件はたった1つ!
生活保護は最後のセーフティネットと呼ばれており、 生活に困窮された人のための、最後の救済措置です。 生活保護とは 資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、 困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度...
生活保護の条件である最低生活費とはいくら?計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも...

そのため、働いて給料収入があったとしても、その世帯の収入が最低生活費以下であれば、働きながら生活保護を受給することは可能です。

生活保護は働きながらでも受給できるの?給料収入の取り扱いは?
「生活保護受給中は働いたら駄目!」 「働きだしたら生活保護がすぐに廃止させられる!」 と言ったデマを時々信じている方がいらっしゃいますが、それらはハッキリ言って嘘です。 生活保護は働きながらでも受給できる 生活保護の受給条件...

当然、パート・アルバイトの収入であれば、最低生活費を超えることは難しいため、パート・アルバイトを始めたからと言って、すぐに生活保護がなくなることはありません。

パート・アルバイトでも収入申告をする必要がある

パート・アルバイトを始めたら、どんなに少額のものでも必ず担当ケースワーカーに収入申告をしましょう。

ケースワーカーとは?仕事内容は?
生活保護受給者には、必ずケースワーカー(CW)と言う担当の人がつきますが、このケースワーカーとは、そもそも何者なのか?どういう仕事をするのか?よくわからないと思います。 そこで、このページでは ケースワーカーはどうい人なのか? 仕...

収入申告をすることで、毎月の生活費が増えると言うメリットがあります。

逆にたとえ少額でも収入申告をしなければ、それは不正受給となるため、ペナルティが発生します。

収入は必ずバレるため、ハッキリ言って隠すデメリットは多数ありますがメリットがはゼロです。

収入申告をすることで毎月の生活費が増える


パート・アルバイト等、働いて得た給料収入は、その他の収入と違い、きちんと収入申告をすれば収入認定額から交通費等の必要経費を差し引くことや各種控除を受けることができます。

生活保護における給料収入の取り扱いは?収入申告しないとどうなる?
生活保護受給中に給与収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。

給料収入だけ、このような取扱いをする理由は1.勤労に伴う必要経費の補填2.勤労意欲の増進・自立助長をするためです。

つまり、「働いたってどうせ無駄」と思わせないように、国も考えていると言うことです。

必要経費については、そこまでお得感を感じにくいですが、各種控除については、パート・アルバイト等で働いて得た給料収入があった方が生活保護費のみで生活するよりも、月々に使えるお金も増加するため保護脱却に至らなくても働いた方が絶対にお得です。

例:最低生活費10万円、パート・アルバイトによる給与収入額63,000円の場合
63,000円以上66,999円以下の場合、基礎控除額は20,000円になるため
最低生活費10万円-(給与収入63,000円-基礎控除20,000円)=57,000円
支給額57,000円+給与収入63,000円=12万円

上記の例の場合、働かない場合と比べて月に使えるお金が20,000円増えます。

生活保護の支給金額を増やす方法
生活保護費の支給金額(=最低生活費=生活保護の条件)は、 一律ではありません。 地域や世帯の状況によっても支給金額がガラリと 変わります。 誰しも、生活保護費をもらえるなら、 できるだけ多い金額をもらいたいのではないでしょ...

特に20代、30代の若い世代の方で、生活保護を受給している人は、生活保護費だけでは日々の生活費が全然足りないと思うので、まずは少額でも良いので、パート・アルバイトを始めるとメリットを実感できると思います。

生活保護は20代でも受給できる?20代の場合の条件や金額、注意点等について
20代と言うと、若く健康で、これから社会に出て仕事をしていく年代でもあることから、生活保護を受給できないのでは?と思う方が多いのではないでしょうか?結論から言いますと、実は生活保護は20代でも受給することができます。しかも、病気や障害等の特

いくらまで稼ぐことができるのか?

パート・アルバイトで働いて毎月の生活費を増やしたいけど、生活保護を続けたい!と言う方は多いと思います。

そこで問題になるのが「いくらまで稼ぐことができるのか?」ですが、世帯収入が最低生活費以下であれば生活保護を続けることが可能です。

生活保護の条件である最低生活費とはいくら?計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも...

最低生活費は8つある扶助のうち

生活扶助
住宅扶助
教育扶助
介護扶助
医療扶助
生業扶助

加算額を加えて算出します。

最低生活費の計算式
生活扶助+加算額+住宅扶助+教育扶助+生業扶助(高等学校等就学費)+介護扶助+医療扶助
=最低生活費

※生活保護費の扶助には、他にも葬祭扶助出産扶助がありますが、最低生活費を算出するときには使いません。

生活保護の8つの扶助とは?特性・要件・支給内容について解説
生活保護には全部で8つの扶助があります。生活保護の支給はどれも必ず、この8つの扶助のどれかに該当します。ただし、自動的にもらえるわけではなく、必ず申請が必要です。このページではそれぞれの特性・要件・内容・支給金額等についてわかりやすく解説しています。

そして、最低生活費から児童手当等の収入があれば、それらの収入を引いた金額が毎月の支給日に支給されている生活保護費です。

Q 生活保護費の支給日はいつ?定例支給と追加支給の支給日を紹介
生活保護の受給が開始されると、生活保護費が支給されるようになります。 では、いつ生活保護費が支給日されるのか?気になりますよね。 実は、生活保護費の支給日は、生活保護費の支給方法や支給月、福祉事務所によって変わってきます。 そ...

つまり、毎月支給される生活保護費以内の給料収入であれば、パート・アルバイトで稼いでも生活保護を受け続けることが可能です。

もちろん、夫婦共働きであったとしても同様です。

例:最低生活費25万円、児童手当5万円の場合
最低生活費25万円-児童手当5万円=毎月の支給額20万円
となるため、上記の場合、世帯の収入が20万円以下なら生活保護に該当します。
世帯の収入で見るため、例えばパート・アルバイトによる収入が夫8万円、妻6万円あっても、
世帯収入14万円<最低生活費20万円
となるので生活保護は継続されます。

 

パート・アルバイト先には生活保護はバレない

生活保護を受給していることは、できるだけ周りの人に知られたくないので、バレないか心配だと思います。

安心してください。

生活保護受給中であることを自分から話さない限り生活保護受給中であることが会社にバレることはありません。

仮に会社の人が「○○さんは生活保護受給中でしょうか?」と福祉事務所に尋ねてきたとしても、個人情報のため福祉事務所が答えることは絶対にありません。

もしも周りの人が「福祉事務所の人が生活保護って答えた!」と言う人がいても、その反応を見て生活保護を受給しているかどうか判断しようとしているだけなので無視してください。

ただし、給料収入を申告しなかったり、過小申告をするなどの不正受給の疑いが発生した場合、ケースワーカーがパート・アルバイト先に調査に行くことがあります。

そうなると、生活保護を受給中であることが職場の仲間にバレてしまうため、職場の仲間にバレたくないのであれば、絶対に収入申告はキチンとしましょう。

収入申告をしないと不正受給となり返還が必要

パート・アルバイトで得た給料収入の収入申告をしない方が「生活保護費満額+給料収入」になるから、お得なんじゃないの?と悪いことを考える人が中にはいますが、絶対にやめてください。

パート・アルバイトで得た給料収入の収入申告をしなければ、どれだけ少額であっても生活保護の不正受給となります。

Q 不正受給が発覚した場合の取扱いは?
Q 不正受給が発覚した場合の取扱いは? A 不正受給した金額を一括返還する必要があります。また悪質な場合は刑事告訴される場合があります。 不正受給が発覚した場合、担当ケースワーカーは収入調査・金融機関調査等の各種調査を行い まずは...

生活保護の不正受給となった場合、基礎控除等の各種控除を受けることができますが、徴収金となった場合、各種控除は一切受けることができません。

例:パート・アルバイトの1ヶ月分の給料15,000円を6ヶ月しなかった場合
15,000円×6ヶ月=90,000円
毎月キチンとパート・アルバイトで得た給料収入を申請していれば、給料全額が控除され、6ヶ月で90,000円も生活保護費に加えて生活することができます。
しかし、未申告であれば、各種控除は一切受けられず、パート・アルバイトで得た90,000円全額を徴収金として、返還しなければいけません。

このように、不正受給になると損をするため、パート・アルバイトをしたら収入申告するべきです。

「いやいやバレなければ、大丈夫!!」と思ったら大間違いです。

ケースワーカーは生活保護法第29条を根拠に年間の収入について調査をする権限があります。

ケースワーカーとは?仕事内容は?
生活保護受給者には、必ずケースワーカー(CW)と言う担当の人がつきますが、このケースワーカーとは、そもそも何者なのか?どういう仕事をするのか?よくわからないと思います。 そこで、このページでは ケースワーカーはどうい人なのか? 仕...

そして、毎年必ず収入調査をしていますので、パート・アルバイトをしていることを隠そうと思っても必ずバレます。

収入調査
生活保護を申請すると収入調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

100%バレるため、パート・アルバイトをしていることを隠すだけ無駄ですし、損をするだけなので、パート・アルバイトを始めたら必ず申告しましょう。

また、不正受給の疑いがあればパート・アルバイト先にも調査が行くため、生活保護を受給中であることが職場の仲間にバレてしまいます。

そうなると働きづらくもなるため、収入申告は必ずしましょう。

高校生のパート・アルバイトも収入申告の対象

高校生(未成年者)のパート・アルバイト代は家に入れさせずに全てお小遣いにしている家庭が多いため、「高校生(未成年者)が一生懸命働いたバイト代を収入認定するなんておかしい!」と言われることが多々ありますが、それは自立している家庭の話です。

生活保護は親だけが受けているわけではありません。
世帯員全員が生活保護受給者です。

高校生に限らず、中学生も小学生も未就学児もそうです。
生まれてきたばかりの子どもも全員生活保護受給者です。

そして、世帯員全員で生活保護から脱却できるように(自立できるように)努力する必要があります。

そのため高校生(未成年者)のパート・アルバイト代も収入申告する必要があります。

高校生(未成年者)のバイト代も収入申告しないといけないの?
Q  高校生(未成年者)のバイト代も収入申告しないといけないの? A  高校生(未成年者)のバイト代も収入申告する必要があります。 「高校生(未成年者)が一生懸命働いたバイト代を収入認定するなんておかしい!」 と言う意見が聞こえて...

生活保護法上、高校生のパート・アルバイト代も収入申告しなければいけませんが、代わりに優遇措置として、高校生(未成年者)がパート・アルバイトをした場合は、特別な控除があります。

それは、「未成年者控除」です。

まずは、大人がパート・アルバイトで働いた事例を見てましょう。

例:最低生活費10万円、パート・アルバイトによる給与収入額63,000円の場合
63,000円以上66,999円以下の場合、基礎控除額は20,000円になるため
最低生活費10万円-(給与収入63,000円-基礎控除20,000円)=57,000円
支給額57,000円+給与収入63,000円=12万円

上記のように基礎控除がある分、働かない場合と比べて月に使えるお金が20,000円増えます。

そして、もしも、上記の例で働いたのが高校生(未成年)の場合の事例を見てみましょう。

最低生活費10万円、給与収入63,000円の場合
最低生活費10万円-(給与収入63,000円-基礎控除20,000円-11,600円)=68,600円
支給額68,600円+給与収入63,000円=131,600円

基礎控除に加えて未成年者控除が加わるため月に使えるお金が31,600円増えます。

このように、高校生(未成年)がパート・アルバイトで働いた分を考慮するような仕組みになっています。

ただし、高校生(未成年)がパート・アルバイトに関しても収入申告をしなければ不正受給となり、基礎控除も未成年者控除もつかず、パート・アルバイトで稼いだ金額全額を返還しなければいけなくなります。

高校生のバイト代でも、未申告は不正受給として全額返還させるべき
生活保護の問題として、よく取り上げられるのは、不正受給問題です。 その中で、特に高校生のバイト代未申告問題については、 「高校生のバイト代を全部返還させるのは、かわいそうだ!」 「自己責任だから、全額返還は当然だ!」 など様々な...

そのため、高校生(未成年)であろうと、生活保護を受給している以上は必ず収入申告をする必要があります。

特に高校生(未成年)のパート・アルバイトは申告を忘れがちなので、くれぐれも注意しましょう。

厚生年金・健康保険に加入した場合の取り扱いは?

生活保護受給中は厚生年金や健康保険に加入できないと勘違いしている方がいますが安心してください。

生活保護受給中でも厚生年金や健康保険に加入することはできます。

生活保護受給中に加入できないのは、生命保険や学資保険です。

生命保険等
生活保護受給者が生命保険等に加入している場合の取扱いについて詳しく説明しています。
学資保険
生活保護受給者が学資保険に加入している場合の取扱いについて詳しく説明しています。

そして、パート・アルバイトで厚生年金や健康保険に加入できるほど条件の良い職場は、なかなかありませんが、もしも加入できるのであれば、ぜひ加入しましょう。

厚生年金や健康保険に加入した場合は、その保険料等を支払わなければいけませんが、収入申告をすれば、それらの保険料等は必要経費として控除されます。

つまり、生活保護費が減らされることはないので、生活保護受給者が損をすることは一切ありません。

厚生年金や健康保険に入るメリットについてですが、生活保護脱却後に享受できるものの方が多いですが、生活保護受給中でも入院した場合等、自己負担が発生するような場合に健康保険が約に立つ場合があります。

生活保護受給中に入院した場合の注意点
生活保護受給者が入院すると生活に様々な影響が出ます。 良い影響ならいいのですが、残念ながら悪い影響が出ます。 そのため、入院する時の注意点をまとめました。 注意しないと、生活に支障が出るので、入院予定の方は、 必ず目を通してくだ...

まとめ

生活保護受給者がパート・アルバイトした場合の収入の取り扱いや注意点等について、ご紹介させていただきました。

少しでも給料収入があれば、毎月使えるお金も増えて、生活が豊かになるため、ぜひ検討してみてください。

それと、高校生のパート・アルバイトの未申告で、全額徴収金となる事例は漫画でも取り上げられる本当に多いです。

世帯主も、一生懸命働いた高校生も、ケースワーカーも、みんな嫌な気持ちになってしまいますので、収入申告は忘れないようにしましょう。

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