高校生のバイト代でも、未申告は不正受給として全額返還させるべき

収入・資産

生活保護の問題として、よく取り上げられるのは、不正受給問題です。

その中で、特に高校生のバイト代未申告問題については、
「高校生のバイト代を全部返還させるのは、かわいそうだ!」
「自己責任だから、全額返還は当然だ!」

など様々な議論があります。

どちらの言い分もわかりますが、ケースワーカーは、高校生のバイト代でも未申告は未申告なのだからと、心を鬼にして不正受給としてキチンと返還させるべきです。

不正=悪質・悪意があるわけではない


まず最初に説明させていただきたいのが、そもそも

不正=悪質・悪意がある

と言うわけではありません。

不正=正しくない

と言うことです。

生活保護法で保護費を返還させる場合生活保護法第63条と第78条のどちらかに基づいて返還させます。

>>生活保護法第63条返還金と第78条徴収金の違いとは?

一応区分けとしては

・第63条=悪質ではない
・第78条=悪質である

とありますが、悪質云々は、あまり関係ありません。

例えば、よくよく調べてみたら年金受給権があり、年金が遡って支給されるような場合、生活保護受給者には、一切悪意はありません。

このような場合でも遡及された年金については、不正受給(支給が正しくなかった)として返還金処理されます。

しかも63条返還金の場合、必要経費については控除するこもできますが、年金の場合は、一切の控除はなく、全額返還しなければいけません。

このように不正受給だから悪!!ではない!!
と言うことを、まずは理解していただきたいです。

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返還させることは単体で見ると、かわいそうかもしれない


高校生のバイトが原因で不正受給になる理由の多くは

・高校生のバイト代まで申告する必要があることを知らなかった
・子どもがバイトをしていることを知らなかった

のどちらかだと思います。

高校生本人は、バイト代の未申告が悪いことと知りません。

生活保護を受けているからこそ、両親にお金のことで迷惑をかけまいと、趣味や好きなことに使うお金は自分で稼ごうとバイトを頑張っています。

そんな思いで働いていたのに、ある日突然ケースワーカーがやって来て「不正受給だから全額返還してください!!」と言われると、相当ショックを受けると思います。

「何のために働いてきたのか」
「一生懸命バイトしない方が良かった」
「両親に迷惑かけないためにしたのに、逆に迷惑をかけてしまった」

など、高校生本人は、悪い方に物事を考えてしまうと思います。

ここだけフォーカスすると、高校生のバイト代まで返還させる福祉事務所・ケースワーカーは、なんて酷いんだろうと感じると思います。

正直者がバカを見ることがあってはならない


上記のように、単体で見ると、確かに頑張って働いたバイト代を返還させるのは、酷だと思います。

しかし、それを許してしまうと、別の問題が発生してしまいます。

それは、正直者がバカを見ることになると言うことです。

高校生のアルバイト代も、給与収入があったとキチンと収入申告をしている世帯があります。

彼らは、収入申告をすることで、基礎控除、未成年者控除、修学旅行費などの各種費用を控除してもらっています。

もしも、全額返還はかわいそうだと不正受給が発覚した後であっても、各種控除を認めてしまうと、誰も収入申告をしなくなってしまいます。

なぜなら、

【正直に申告した場合】
⇒各種控除を受けられる

【申告しなかった場合】
⇒バレなければバイト代全額もらえる
⇒バレても各種控除を受けられる

となり、明らかに申告しない方が得になってしまいます。

そのため、単体で見ると、かわいそうかもしれませんが、福祉事務所・ケースワーカーは、まじめで正直な生活保護受給者を守るために、未申告は未申告として、返還させる必要があります。

川崎市のアルバイト返還騒動以降、通知・説明が徹底している


神奈川県川崎市で生活保護を受けているある家庭の女子高校生が、修学旅行に行くためにアルバイトをしていました。

収入申告していれば修学旅行費用は控除の対象となりますが、未申告だったため、生活保護費を不正受給したとして、川崎市は約1年間のバイト代計32万5986円を返還するよう指導しました。

それに対して、父親は返還は不当だと裁判に訴えました。

裁判の結果、修学旅行費用は就学に必要な費用であることは明らかであり、残額についても大学進学に向けた費用として有効活用されていると認められ、川崎市の保護費返還決定を取り消す判決が下されました。

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また、高校生のバイト代についても申告義務があることについて福祉事務所・ケースワーカーの説明不足であることも指摘されました。

それを受けて、現在は、高校生のアルバイトについてもキチンと申告するようにと説明・通知が徹底されています。

夏休み・冬休み前など長期休暇の前には、高校生のいる世帯に対してバイトをする上での注意点について再度通知を出している福祉事務所もあります。

そのため、今後は川崎市と同様なケースがあったとしても、
「高校生のバイト代も申告しないといけないなんて知らなかった。」
「修学旅行費など、必要経費に使ったから控除して欲しい。」

などと言われても認めてはいけません。

説明義務を果たしている以上、たとえ高校生のアルバイトでも、悪意のある未申告です。

最後に

高校生本人が悪いわけではないので、返還させるべきか悩むと思います。

しかし、ケースワーカーは公務員です。

ケース単体ではなく、全体を見なければいけません。

説明義務を果たしていない場合は、福祉事務所・ケースワーカーにも過失があると思いますが、現在は、高校生のバイト代でも収入申告するように通知・説明義務が徹底されています。

高校生のバイト代でも未申告は未申告なのだからと、心を鬼にして不正受給としてキチンと返還させましょう。

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