生活保護の受給が開始すると、様々な制限が掛かります。
例えば自動車・バイクの所有・運転は認められていませんし、各種保険に加入することはできません。
しかし、生活保護でも認められていることなのに、ダメだと思われていることも多数あります。
例えばパチンコ等のギャンブルをしたり、お酒を飲んだり、タバコを吸うことは生活保護でも認められており自由にできます。
では、生活保護受給者はデビットカードを所有して、利用することはどうなんでしょうか?認められているのでしょうか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは、
・デビットカードとはどういうものか?
・生活保護でもデビットカードを使うことはできるのか?
・デビットカード以外の決済方法はどうなのか?
等について、詳しくご説明していこうと思います。
デビットカードとは
デビットカードとは、カードでの支払いと同時に銀行口座から引き落としがされる仕組みのカードです。
デビットカードと似たようなカードでクレジットカードがあります。
それぞれのカードの違いから見た方がわかりやすいと思うので、機能の違いを見ていきましょう。
クレジットカードは使った翌月以降に請求があり、支払い方法も一括払いか分割払いかを選ぶことができます。また、キャッシング(借金)をすることもできますし、あらかじめ設定されている利用可能額までであれば、今現在手元にお金がなくてもクレジットカードでは買い物をすることができます。
例えばクレジットカードの利用可能額が100万円の場合、4万円分の買い物をすると、利用可能額が96万円に減るだけで、すぐに支払う必要はなく、支払いは翌月以降になります。そして、残りの利用可能額96万円までなら、現在手元にお金がなかったとしてもクレジットカードで買い物をすることができます。
それに対して、デビットカードは使用するたびに引き落とし口座から即時引き落としがされるため、支払い方法は一括払いのみです。キャッシング(借金)をすることはできませんし、利用可能額=口座残高であるため、銀行口座にお金がなくなればデビットカードを使って買い物をすることができません。
例えば銀行口座に10万円が入っている状態で4万円分の買い物をした場合、デビットカードで決済したら、4万円が即時口座から引き落とされるため、銀行口座が6万円になります。そして、残りの利用可能額は6万円までとなります。
以上のことから、クレジットカードの方が支払いまで猶予があるなど自由度が高い分、使いすぎる心配があるのに対して、デビットカードは銀行口座にある金額までしか使えない分、使いすぎる心配がありません。
このように、クレジットカード、デビットカード、それぞれメリット・デメリットがあります。
生活保護でもデビットカードを使うことができる
本題に戻りまして、生活保護受給者がデビットカードを使うことができるのかどうか?については、結論から言いますと、生活保護でもデビットカードを使うことはできます。
生活保護を受給すると、様々な制限が掛かるは事実ですが、生活保護は経済的・精神的自立をしてもらうことが趣旨としてあるため、そこまで制限は厳しくありません。
生活保護受給者が受ける制限を大別すると
・生活保護受給中はケースワーカーの指示に従わないといけない
・生活保護受給中は世帯員や収入等について報告をしないといけない
・生活保護費で資産形成を行ってはいけない
・生活保護受給中は普及率70%以下の物品を所有してはいけない
上記いずれかに該当します。
そして、デビットカードの所有・使用については、上記のいずれにも該当しないため、生活保護受給者がデビットカードを所有・使用することは生活保護法上は特に問題はありません。
ただし、デビットカードは民間企業が提供するサービスです。
生活保護法上は問題がなくても、民間企業がNOと言えば所有・使用することはできませんので、その点は注意してください。
デビットカードによる決済で得たポイントの取り扱い
デビットカードによる決済によって発生したポイントについては、特にケースワーカーに報告する必要はありません。
なぜなら、ポイントは現金と同様に使えますが、少額であること、また、あくまでポイントであって、現金ではないことから、給料収入等と違い収入認定する必要がないからです。
そのため、生活保護受給者は、いわゆるポイ活を行って、お得に買い物をすることもできます。
デビットカードの他、決済手段は自由に選ぶことができる
生活保護でもデビットカードが認められるなら、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー決済はどうなるのか?
デビットカードと同様に生活保護受給者はクレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、どの決済方法も自由に選んで自由に使うことが可能です。
ただし、サービスの提供会社は民間企業なので、生活保護受給者に利用を認めるかどうかは、それぞれのカードを発行する会社の判断に委ねられます。
生活保護受給開始前に発行したカードについては、自己申告しない限り、それぞれのカード発行会社は生活保護受給者かどうかを判断する術を持たないため、ブラックリストに載っていたりしない限りは特に問題なく利用することができます。
しかし、生活保護受給開始後に新規でカードを発行する場合、特にクレジットカードについては審査が厳しいため、申請しても条件を満たすことができず、審査に落ちる可能性が高いため利用するのは難しいかもしれません。
まとめ
生活保護受給者はデビットカードを使うことができるのか?できないのか?について、ご説明させていただきました。
上記をまとめると、
- 生活保護受給者はデビットカードを使用することができる
- 決済方法によって得られたポイントはケースワーカーに申告する必要はなく、自由に使える
- 生活保護受給者はデビットカードの他、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、どれでも好きな決済方法を選ぶことができる
- 生活保護法上は認められているが、民間企業のサービスのため、使用するには民間企業の審査に合格する必要がある
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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