生活保護を受給すると、様々な制約が掛かり、してはいけないこと、所有してはいけないものが出てきます。
では、テレビはどうなのでしょうか?生活保護の制約の対象になるのでしょうか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは、生活保護受給者はテレビを所有・購入することができるのか?テレビの利用方法に制限はあるのか?テレビの購入費用は生活保護から支給されるのか?などについて、わかりやすくご説明します。
生活保護でもテレビを所有・購入しても良い
生活保護の条件として、「テレビを所有してはいけない」なんてものはありません。
生活保護を受給することで、様々な制限は確かにかかりますが、それは資産形成をしてはいけないとか、訪問調査を受けなければいけないとか、ケースワーカーの指示に従わなければいけないとかであって、その制限の中にテレビの所有・購入は含まれていません。
ちなみに、当該地域の普及率が70%以下ものや自動車やバイクなどは生活保護受給中は所有することはできませんが、それ以外のものは原則として所有・購入することは可能です。
そのため、よく生活保護受給中は所有できないと勘違いされますが、パソコンやゲーム、スマートフォンを所有・購入することもできます。
このように、生活保護を申請・受給してもテレビをそのまま所有・購入することは可能なため、安心してください。
テレビは資産に含まれないため売却指導の対象にならない
生活保護受給中、資産価値の高いものを所有している場合、ケースワーカーから売却指導を受け、指導に従わなければ生活保護が打ち切りになることがあります。
では、例えば75型の有機ELテレビなど、高額なテレビを所有している場合は売却指導を受けるのでしょうか?
答えは、テレビが如何に高価であっても売却指導の対象とはなりません。
生活保護受給中に売却指導の対象となるのは、不動産の他、宝石や指輪などの装飾品や高級ブランド品等だけです。
確かに、高額なテレビはありますが、高額なテレビは所有禁止とすると、いくらまでは良くて、いくらまではダメと言う細かい基準を設けなければならなくなります。
また、すでにテレビを所有しているのに、わざわざ売却させて安いテレビに買い直させるのは、色々と不経済です。
そのため、最新型の大型テレビを所有していたとしても、売却対象にはなりません。
もちろん、ケースワーカーの中には、売却指導をしてくるケースワーカーもいるかもしれませんが、ただの嫌がらせで、何ら法的拘束力はないため、無視しましょう。
余程、テレビの売却指導が酷い場合は、苦情を言うのも一つの手です。
アマゾンプライムやネットフリックス等のサブスクを利用しても良い
テレビと関連して、最近はネットフリックスやアマゾンプライム、ディズニープラス等、様々なサブスクリプションサービス、通称「サブスク」が始まりました。
生活保護受給中に、これらのサブスクと契約して利用して良いのか?と言う疑問が生じると思いますが、当然、生活保護受給中でもサブスクサービスを契約して利用することが可能です。
なぜなら、生活保護の条件として、「サブスクを利用してはいけない」なんてものはないからです。
生活保護は生活保護法と言う法律で規定されています。
近い将来、「生活保護受給者はサブスクを利用してはいけない」と改正される可能性はゼロではありませんが、法律は基本的に改正されるのに時間が掛かるため、サブスクに限らず、何らかの新しいサービスに関しても同様に、そのサービスに法律が対応するまでの間は、自由に利用することが可能です。
テレビの購入費用は生活保護から出ない
テレビを所有していない生活保護受給者が福祉事務所に来て「テレビを購入したいから購入費用を支給して欲しい」と相談に来られることがありますが、残念ながらテレビ購入費用は生活保護費から支給されることはありません。
生活保護費の中に「家具什器費」と言う項目があり、この家具什器費を利用すれば家具等を購入することができます。
しかし、家具什器費の対象者は刑務所から出所してきた人等、何も所有していない人が対象であり、また、家具什器費で購入することができるのは、炊飯器や鍋、お箸、食器等の生活必需品のみに限定されています。
そのため、この家具什器費を利用してテレビを購入することができません。
「え?でも私は家具什器費でテレビの購入費も福祉事務所から出してもらったよ?」と言う人も中にはいます。
生活保護の審査・指導が甘い自治体では、家具什器費でテレビを購入を許可するところもありますが、本来の家具什器費の用途としては正しくなく、県による監査等で発覚した場合は返還金の対象となります。
もしも、家具什器費でテレビを買ってもらったと言う方は、人には言わず黙っておきましょう。
生活保護受給者がテレビを購入する方法
生活保護受給中でもテレビを所有・購入することがわかりましが、現状、テレビがない人は、生活保護からの支援なしで、どのようにしてテレビを手に入れた良いのでしょうか?
生活保護受給者がテレビを入手する方法は大きく分けて2つあります。
それは、
- 生活保護費をコツコツ貯めて貯金する
- 扶養義務者や知人からもらう
の2種類です。
では、それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
生活保護費をコツコツ貯金してテレビを購入する
生活保護の受給が開始されると、8つの扶助が受けられるようになります。
この8つの扶助の中の1つに、「生活扶助」と言うものがあります。
生活扶助は、毎月の生活保護費として支給されており、この生活扶助の中には、食費や電気代等の光熱費の他、テレビや冷蔵庫、炊飯器、洗濯機など、あらゆる家電等を買い替える費用が含まれています。
そのため、生活保護費をコツコツ貯金すればテレビを購入することが可能です。
なお、生活保護受給者は貯金をしてはいけないと勘違いされている方がいますが、生活扶助の趣旨に合致するもののほか、子どもの大学進学費用など、使用目的が明確でケースワーカーから認められるものであれば貯金をすることが可能です。
ただし、生活保護では、葬祭扶助が支給されることから葬儀費用のための貯金は認められておらず、収入認定されてしまうため、注意しましょう。
扶養義務者や知人からテレビをもらう
生活保護受給者がテレビを入手するもう一つの方法は、扶養義務者や知人からテレビをもらうことです。
お下がりのテレビをもらう、新しいテレビを購入してもらう、どちらでも問題はありません。
ただし、テレビの購入費用をもらうのはダメです。
扶養義務者もしくは知人から、お金をもらうことは例え決まった用途のためであったしても、仕送りと見なされ、収入認定の対象となります。
収入認定されると、その分、生活保護費が減額されてしまい、テレビを購入することができなくなるので気をつけましょう。
10万円(最低生活費)-8万円(テレビ代としてもらったお金)=2万円(支給額)
となってしまい、テレビを購入することができなくなってしまいます。
NHK受信料は手続きをすれば免除される
テレビに関連して、自宅にテレビ等の「放送を受信する機器」がある場合、NHK受信料を支払わなければいけません。
ただし、生活保護受給者の場合、福祉事務所の窓口でNHK受信料免除の手続きを行えば、テレビを所有していてもNHK受信料が免除されます。
ただし、注意点として、NHK受信料免除の手続きを行わない限りはNHK受信料を支払わなければいけません。
また、NHK受信料免除の手続きをしても、それまでに支払ったNHK受信料が戻ってくる可能性は非常に低いです。
そのため、テレビ等の放送を受信する機器を購入した場合は、すぐに福祉事務所に行ってNHK受信料の免除手続きを行いましょう。
まとめ
生活保護受給者はテレビを所有・購入することができるのか?テレビの利用方法に制限はあるのか?テレビの購入費用は生活保護から支給されるのか?等について、ご説明させていただきました。
上記をまとめると
- 生活保護受給者でもテレビを所有・購入することはできる
- 最新型の高価なテレビを所有していても問題はなく、売却指導の対象とはならない
- アマゾンプライムやネットフリックス等のサブスクを利用しても良い
- 生活保護には家具什器費と言う支給項目があるが、テレビは購入対象に該当しないため、毎月の生活保護費をコツコツ貯金してテレビを買うしかない
- 扶養義務者や知人からテレビをもらう場合、テレビそのものをもらう分には特に問題はないが、テレビ購入費用をもらった場合は収入認定されてしまうため、注意が必要
- 生活保護受給中は手続きをすればNHK受信料が免除される
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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