一生懸命自立に向けて努力している生活保護受給者は多数います。
一方、生活保護のあきれた受給者がいるのも、また事実です。
そこで、このページでは、私が実際に出会った生活保護のあきれた受給者の実例をご紹介していこうと思います。
ケース1:自分で何一つ決められない受給者
生活保護の受給者と言いますか、相談者の話になりますが、自分で何一つ決められない人がいます。
福祉事務所に事前相談に来たのも、知り合いが「あなたは生活保護を受給した方が良い!」と勧めらたからと言って来て、本人に「生活保護を申請しますか?」と聞いても「さあ?受けた方が良いんですかね?」としか答えないんです。
ケースワーカーの仕事は生活保護を受給させることではなく、生活保護を受給しなくても良いように精神的・経済的に自立させることです。
また、生活保護は申請主義のため、ケースワーカーが「生活保護を受給した方が良い!」と勧めるようなものでもありません。
逆に考えたらわかると思いますが、行政の人から「あなたは生活保護を受けた方が良いですよ。」と言われたら、どう思われますか?失礼な話だと思いませんか?
これらの理由から、ケースワーカーの方から「生活保護を申請すべきだ!」と言うことはありません。
水際作戦だと言われることもありますが「生活保護を受けなくて良いなら受けさせるべきではない」と言うのがケースワーカーの仕事のスタンスです。
そのため、生活保護を受給したいのであれば本人の意思が非常に重要なんです。
知人に言われたから来たと言うのも良いんですが、別の知人からは「生活保護なんて受けない方が良い」と言われて、生活保護の申請をしたり、申請を取り下げたりを繰り返したりします。
もう大人なんですから、周りの意見を参考にするのは良いですが、生活保護を受給するなら受給する、受給しないなら受給しないと明確にしてから申請はしていただきたいものです。
他にも生活保護を受給したい人が多数いるのに・・・とあきれてしまいます。。
ケース2:市内にあるすべての病院から受信拒否された受給者
生活保護受給者の中には精神的な病気を抱えている人が多くいます。
その中で統合失調症と言う病気があるのですが、この病気は様々症状が出るんですが、陽性症状として妄想、幻覚、思考障害あります。
この陽性症状が強くなると、「いつも盗聴・監視されている」「誰かが私の悪口を言っている」と言った被害妄想が非常に強く出ます。
統合失調症の薬を飲むことによって症状は緩和されるんですが、統合失調症の方は、そもそも自分が病気であると言う自覚(病識)がありません。
そのため、統合失調症の薬を「医者が毒を飲ませようとしている」「私を薬漬けにしようと企んでいる」などと叫んだり、暴れたりして非常に大変です。
それでも治療が必要なわけですから、本来であれば医者が根気強く説得するべきだと思うんですが、信じられないくらい医者や看護師に罵声を浴びせたり、暴れて病院の窓や機材を壊してしまうものですから医者が匙を投げてしまうんです。
「この人の場合、性格に問題があるのであって病気ではありません。そのため、治療はできません。」と見放してしまうんです。
本人も病識がないので、これ幸いと病院に通院をするのをやめるんですが、病院のブラックリストに載ってしまうため、精神科の病院だけではなく、全ての病院が受け入れてくれないため、病気やケガになっても治療を受けることができません。
そして、また病院で「病人に対して、その態度は何事か!?」と暴れるため、ますます敬遠されてしまいます。
文句を行ったり、暴れたことを医者に謝って、態度を改めたら良いのに・・・とあきれてしまいます。
ケース3:生活保護費をなくしたと嘘をつく受給者
会社員の場合、給料を紛失してしまったら会社に「給料を落としてしまったから、もう一度給料を出して」なんて言うでしょうか?言わないと思いますし、そもそも紛失したと言っても会社が給料を再支給してくれることはないと思います。
しかし、生活保護の場合、最低生活を保障するため、紛失した場合に限り、生活保護費を再支給できる制度があります。
この制度を知ってか、知らぬかわかりませんが、生活保護費を支給して5日後くらいに「生活保護費を落とした」もしくは「生活保護費を盗まれた」から生活保護費を再支給してくれと言ってくる受給者がいます。
その話が本当だったら大変です。
まだ次の支給日まで20日以上も残っているため、食べ物を買うことができず生活に困ってしまいます。
そのため、すぐに再支給の手続きが必要になりますが、再支給の手続きをするためには、まずは警察に遺失届、もしくは被害届を提出する必要があります。
「すぐに警察にいきましょう!」と言っても、なぜかその生活保護受給者は警察に行きたがりません。
お金を拾ってくれている方がいるかもしれませんし、盗んだ人がいるなら警察に届けるべきなのに、「警察に行くほどのことじゃない」と言って、どうしても警察に行かないんです。
そこで、さらに詳しく話を聞いてみると、なんと本当は落としたり、盗まれたわけではなく、「パチンコ等のギャンブルに負けてしまってお金がなくなってしまった」と白状しました。
生活保護受給者もパチンコ等のギャンブルをしても良いですが、お金がなくなるほどすることにあきれてしまいます。
さらに、紛失したり、盗まれたりと言った事情でない限り、生活保護費を再支給することはできないと伝えると「これからの生活費がないのに、どうしろと言うんだ!私に死ねって言ってるのか!?」と今度はケースワーカーに逆ギレして八つ当たりしてきます。
本当にあきれるばかりです。
ケース4:闇金業者のカモにされる受給者
生活保護費を借金の返済に使うことはNGとされており、また借金は収入とみなされることから、収入認定をされる、つまり生活保護費も削られてしまうため、ハッキリ言ってデメリットしかありません。
お金を貸す方も銀行や消費者金融などの法律を遵守している企業は法的に生活保護受給者から返済をしてもらうことはできないため、お金を貸すことはありません。
それでも、どうしても生活保護受給者もお金が必要な時があるのでしょう。
そういう時に手を出してしまうのがヤミ金融です。
しかし、一度ヤミ金融のお金に手を出してしまったら、二度とまともな生活を送ることは不可能となります。
闇金業者は法律を無視した金利でお金を貸し、同様に法律を無視した取り立てを行います。
そこには、闇金ウシジマくんの世界が実際に広がっています。
私が出会ったケースは、トゴ(10日で5割)の金利でお金を借りていたため、一度3万円を借りただけで毎月利子だけで4万5千円も支払っていました。
よく聞くトイチ(10日で1割)でも大概な金利だと思いますが、その比じゃないくらい高金利でした。
その生活保護受給者は毎月の生活保護費が11万円、うち3万円は家賃のため残りの8万円で本来は生活ができるはずなんですが、利子として4万5千円も払っていることから、毎月3万5千円で生活しなければいけない状況に至っていました。
しかも、不正受給をしていたことから、福祉事務所への返還金もあり、本当にどうしようもなくなってしまったため相談に来て、闇金業者からお金を借りていることが発覚しました。
闇金業者は違法業者のため、そもそも借金を返済する必要がないことを伝え、弁護士にも相談するようにアドバイスをしたんですけど、「後で仕返しに何をされるかわからない」と怯えきった様子で、結局、弁護士相談等はせず、今でも毎月の少ない生活保護費から利子だけをずっと返し続けています。
ケース5:悪徳業者による貧困ビジネスに気づかない受給者
生活保護受給者にたかる悪徳業者は数多くいます。
1畳くらいのスペースしかないところに生活保護受給者を並べて、毎月の経費として生活保護費の大半をピンはねする業者。
もともと生活保護を受給できる条件を満たしている人に「私が口利きをしたら生活保護受けられる」と言って、一緒に手続きに来て、実際に生活保護の支給が開始したら「私が口利きをしたのだから手数料を払え」と言って、生活保護費を巻き上げる個人または業者。
貧困ビジネスには様々な種類がありますが、最低生活費として支給している生活保護費を取り上げるなんて本当に信じれられません。
信じれられませんが、その人たちを信用しきって、むしろ感謝して喜んでお金を払う人たちがいます。そうです。それは生活保護受給者の方々です。
ケースワーカーが何度訪問して「この場所から引っ越した方が良いですよ」「この人達にお金を渡さなくても生活保護は廃止になりませんよ」と伝えても信じてくれません。
行政=悪
と言う構図が出来上がってしまっており、行政側の言うことは全て人を騙すものだと刷り込まれているからなのか、全く聞く耳をもってくれません。
結果、せっかく生活保護を受給して自立に向けた取り組みができるはずなのに、悪徳業者の喰い物にされてしまっています。
生活保護の制度は行政が行っており、そのお金も行政が払っているんですから、本来、行政は敵ではないはずなのに・・・悲しいものです。
ケース6:友達に生活保護を勧めて孤立した受給者
若い方で一生懸命お仕事を頑張っていたようですが、ある日限界が来たのでしょう。
病院に行ったら、うつ病と診断されたので、仕事を辞めて生活保護の申請をしました。
生活保護の受給条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、仕事を辞めたのであれば、条件を満たすため、この方も生活保護を受給することができました。
すると、何もしていないのに、月に11万円前後の生活保護費をもらえますから、味をしめたのでしょう。
「こんなに簡単にお金が手に入るから、みんなも仕事を辞めて生活保護をもらった方が良いよ!」と友人に生活保護を勧めたそうです。
すると、その友人達から「本当は働けるのに生活保護を受けるなんて最低だ!もう友達を辞める!」と言われて、友達が周りからいなくなってしまいました。
「働くよりも生活保護をもらった方が絶対良いのに、みんなおかしい!」とケースワーカーに愚痴られても困るんですけね・・・。
ケース7:妊娠・出産を繰り返す受給者
生活保護受給者の中には結婚されている方もいますし、受給中に結婚する方もいます。
また、結婚した結果、子どもを授かることもあります。
生活保護受給者が妊娠・出産する場合は出産扶助もつくので、そこも何ら問題ではありません。
ただ、子どもがいると、その分、生活扶助と教育扶助などがつく、つまり、月々の生活保護費が増えることから、それだけを目当てに妊娠・出産を繰り返す生活保護受給者がいます。
夫婦なら別にそれでも構いません。
しかし、独身なのにも関わらず、妊娠・出産を繰り返す生活保護受給者がいます。
最近はネット等で相手を探すのが簡単なのもあるんでしょうが、相手がどこの誰なのか?名前すら知らず、しかも不特定多数を相手にするため、父親が誰なのかを特定することができません。
産まれてくる子ども達の父親がみな違いますし、そもそも誰が父親なのかもわかりません。
しかも、ただ毎月の生活保護費を増やすためだけに産まれてきた子ども達なので、当然、食事なども、ろくに与えられず、ネグレクトとなるため、とてもかわいそうです。
また、本人もいつ病気になってもおかしくないため、せめて特定の相手を見つけて欲しいものです。
ケース8:保護費の前借りを要求する受給者
生活保護受給者は金銭管理があまり上手ではないため、すぐにお金を使い込んでしまう人が多いです。
その結果、月末頃になると、金欠となり、生活に困るため、来月分の生活保護費を前借りさせて欲しいと相談に来る人がいます。
当然、生活保護費の前借りなんてできません。
すると、「じゃあ私達に餓死しろと言うのか!」と逆ギレしてくることも、しばしばあります。
生活保護は最後のセーフティネットのため、それより下をカバーする制度は少なくとも日本にはありません。
福祉において自己責任論はご法度ですが、生活保護費の使い方については、ケースワーカーが口出しできるものでもないため、自己責任でしてもらうしかありません。
ケース9:生活保護費が足りないと主張する受給者
「どれだけ節約しても生活保護費だけではな生活できない」とある日生活保護受給者の方から相談がありました。
家計簿もしっかりと付けている方だったので、見せてもらうと、食費も抑えられており、贅沢をしていないどころから、むしろ質素な暮らしをしていました。
「私は酒もギャンブルもしない!それなのに足りないのは生活保護費が少ないからだ!」と確かに酒もギャンブルもしていないようだったので、何が原因か見ていたら、毎月、月初に家賃とは別に3万円も使い込んでいる項目がありました。
「この3万円はなんですか?」と尋ねると「これはタバコ代。タバコはアルコールと違って人様に迷惑を掛けたりすることもないから吸っても問題ないだろう!?」と言うではありませんか。
生活保護費でタバコを購入して吸うことは全く問題ありませんが、「生活保護費が足りない原因はタバコですね」と伝えると「タバコは絶対にやめられないから仕方がない・・・」と納得していただけました。
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