福岡県で生活保護を受給する場合、実際にいくらもらえるのか、地域によって金額は違うのか。
本記事では、福岡市・北九州市・久留米市など福岡県内の各地域における生活保護の受給額、計算方法、申請手順まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
福岡県の生活保護金額はいくら?【地域別受給額】

福岡市の生活保護受給額
福岡市は1級地-2に区分されており、単身世帯で生活扶助と住宅扶助を合わせると月額約11万円から12万円が基本的な受給額となります。
福岡市の単身世帯(1人暮らし)
- 生活扶助:約75,000円
- 住宅扶助:36,000円(上限)
- 合計:約111,000円
福岡市の2人世帯
- 生活扶助:約120,000円
- 住宅扶助:43,000円(上限)
- 合計:約163,000円

福岡市の生活保護の支給日は原則として毎月1日です。

1日が土日祝日の場合は前営業日に支給されます。

北九州市の生活保護受給額
北九州市も福岡市と同じく1級地-2に該当するため、受給額は福岡市とほぼ同額となります。
- 単身世帯:月額約11万円から12万円
- 2人世帯:月額約16万円から17万円
政令指定都市として福祉事務所も充実しており、各区の保健福祉センターで相談・申請が可能です。
久留米市の生活保護受給額
久留米市は2級地-1に区分されているため、福岡市や北九州市より若干低い金額設定となります。
久留米市の単身世帯
- 生活扶助:約72,000円
- 住宅扶助:32,000円から34,000円程度(上限)
- 合計:約104,000円から106,000円
久留米市の2人世帯
- 生活扶助:約115,000円
- 住宅扶助:40,000円程度(上限)
- 合計:約155,000円
久留米市は福岡県第3位の人口を有する県南の中核都市で、福祉事務所も市役所内に設置されています。
その他の福岡県内主要都市
大牟田市、直方市、飯塚市、田川市などは2級地-1に、柳川市、八女市、筑後市、大川市などは2級地-2に区分されています。
2級地-2の場合、単身世帯で月額約10万円前後、2人世帯で約15万円前後が目安となります。
母子家庭の生活保護受給額【福岡県の場合】

母子家庭の場合、基本的な生活扶助と住宅扶助に加えて、以下の加算が受けられます。

福岡市の母子家庭(母親と子ども1人)
- 生活扶助:約120,000円
- 住宅扶助:43,000円(2人世帯上限)
- 母子加算:約18,800円
- 児童養育加算:10,190円
- 合計:約192,000円
母子加算と児童養育加算によって、単身者と比べて約8万円程度多く受給できる計算になります。子どもが増えるごとに児童養育加算が追加され、住宅扶助の上限も上がります。

福岡県内でも金額が違う?【級地制度を理解する】
級地制度とは
生活保護の支給額は、国が定めた最低生活費に基づいて算出され、全国を1級地-1から3級地-2までの6段階に分けて設定されています。これは地域ごとの物価水準や生活費の違いを反映した制度です。
福岡県の級地区分一覧
1級地-2
- 福岡市全区
- 北九州市全区
2級地-1
- 久留米市
- 筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市
- 宗像市、古賀市、福津市、那珂川市
- 糟屋郡(宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町)
- 遠賀郡(芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町)
- 京都郡苅田町
2級地-2
- 大牟田市、柳川市、八女市、筑後市、大川市
- 小郡市、朝倉市、豊前市、嘉麻市
3級地-1以下
- その他の町村部
同じ福岡県内でも、福岡市と郡部の町村では月額2万円以上の差が生じることがあります。
生活保護の金額はどう決まる?【計算方法を解説】
基本的な計算式
最低生活費と世帯のすべての収入を比べて、最低生活費より収入が少ないときに、その不足分が支給されます。
生活保護費 = 最低生活費 – 世帯の収入
最低生活費は以下の要素で構成されています。
最低生活費の内訳
1. 生活扶助 食費、衣服費、光熱費など日常生活に必要な費用です。年齢と世帯人数によって金額が変わります。
2. 住宅扶助 家賃・地代に充てられる費用で、福岡市の場合、1人で36,000円、2人で43,000円、3人から5人で47,000円が上限です。ただし、共益費や管理費は対象外です。
3. その他の扶助
- 教育扶助:義務教育に必要な学用品費など
- 医療扶助:診察、薬剤、入院などの医療費(全額支給)
- 介護扶助:介護サービス利用費(全額支給)
- 出産扶助:出産に関する費用
- 生業扶助:就労や技能習得のための費用
- 葬祭扶助:葬儀に必要な費用
各種加算制度
特定の条件に該当する場合、以下の加算が適用されます。
- 母子加算:ひとり親世帯に月額約18,800円
- 児童養育加算:子ども1人につき月額10,190円
- 障害者加算:障害のある方がいる世帯に支給
- 介護施設入所者加算:介護施設入所者に支給
- 在宅患者加算:在宅で療養している場合
- 妊産婦加算:妊娠中または出産後の女性に支給
- 冬季加算:11月から3月に暖房費として支給
- 介護保険料加算:介護保険料相当額
これらの加算により、個々の状況に応じた支援が受けられます。
働きながら生活保護は受けられる?【収入がある場合】

収入がある場合の計算例
パートやアルバイトで働いている場合でも、収入が最低生活費に満たなければ生活保護を受けられます。

例:福岡市在住の単身者で月収7万円の場合
- 最低生活費:約111,000円
- 月収:70,000円
- 勤労控除など:約13,000円(収入から控除)
- 生活保護費:約54,000円
つまり、月収7万円+生活保護費5.4万円で、合計約12.4万円で生活することになります。

勤労控除の仕組み
働いて得た収入は、一定控除額が認められています。
これは就労意欲を促進するための制度で、必要経費(交通費など)や基礎控除が適用され、全額が収入として計算されるわけではありません。

福岡県で生活保護を申請する方法【完全ガイド】

申請窓口はどこ?
生活保護の申請は、原則として居住地の福祉事務所で行います。

福岡市の場合
- 各区の保健福祉センター(福祉・介護保険課)
- 東区、博多区、中央区、南区、西区、城南区、早良区のいずれか
北九州市の場合
- 各区の保健福祉課
- 門司区、若松区、戸畑区、小倉北区、小倉南区、八幡東区、八幡西区のいずれか
久留米市の場合 生活支援第1課・第2課または各総合支所市民福祉課
その他の市町村
- 各市町村の福祉事務所または福祉課
住所が明らかでない場合や急迫した事情がある場合には、現在いるところでの申請や保護も可能です。

必要な書類
申請時には以下の書類を準備するとスムーズですが、書類が揃っていなくても申請は可能です。
基本的な書類
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、保険証など)
- 印鑑
- 預貯金通帳(世帯全員分、最新まで記帳済み)
- 家賃がわかる書類(賃貸借契約書など)
- 収入がわかる書類(給与明細、年金証書など)
- 資産がわかる書類(不動産、生命保険、自動車など)
申請から支給までの流れ
- 福祉事務所で相談:生活状況や制度について説明を受ける
- 申請書の提出:はっきりと「生活保護を申請します」と伝えることが重要
- 調査:地区担当員(ケースワーカー)による家庭訪問、資産・収入調査
- 審査:原則14日以内(最長30日以内)に決定
- 決定通知:保護開始または却下の書面による通知
- 保護費の支給:福岡市では毎月1日が原則の支給日(申請日に遡って支給)
福岡県で生活保護を受けるための条件

4つの基本要件
生活保護制度では、あらゆる手をつくしても自分の力で生活を維持することができない場合、誰でも平等に受けることができます。

1. 資産の活用
現金、預貯金、不動産、自動車などの資産で売ったり貸したりできるものは、まず生活のために利用する必要があります。ただし、居住用の持ち家は保有が認められる場合があります。


2. 能力の活用
働ける能力がある場合は、その能力に応じて働くことが求められます。病気や障害で働けない場合は、医師の診断書などで証明します。
3. 他の制度の活用
預貯金、生命保険、年金や手当など、利用できる他の制度があれば、まずそれらを活用します。

4. 扶養義務者の扶養
親、子、兄弟姉妹などから援助が受けられる場合は、できるだけ援助してもらうことが前提ですが、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。

福岡県の生活保護の実態

受給世帯数の推移
福岡県では福祉事務所ごとの世帯数及び人員に関する速報を定期的に公表しており、透明性の高い運営がなされています。
福岡市と北九州市は政令指定都市として多くの受給世帯を抱えており、高齢化や経済状況の変化に応じた柔軟な対応が求められています。
相談しやすい環境づくり
生活保護の申請は国民の権利です。福岡県内の各福祉事務所では「1人で悩んでいませんか?」という姿勢で相談者を受け入れています。

福岡市では生活保護に関する専用の相談窓口「生活保護ホットライン」も設置されており、真に生活に困窮している方に必要な保護を届けるための体制が整っています。
生活保護を受けた後の生活

ケースワーカーとの関係
生活保護を受給すると、担当のケースワーカー(地区担当員)が配置されます。

ケースワーカーは月に1回程度の家庭訪問を行い、生活状況の確認や自立に向けた支援を行います。

守るべきルール
- 収入があった場合は必ず申告する
- 住所や世帯構成に変更があった場合は届け出る
- ケースワーカーの指導・指示に従う
- 就労可能な場合は求職活動を行う
- 医療機関は指定された医療機関を利用する
支給日と受け取り方法
福岡市では原則として毎月1日が生活保護の支給日です。

1日が土日祝日の場合は前営業日に支給されます。
年末年始やゴールデンウィークなどの連休前には、支給日が変更になる場合があります。
福祉事務所から事前に通知が届きますが、担当ケースワーカーに確認しておくと安心です。

福岡で生活保護を利用する際の注意点

住宅扶助の上限を守る
住宅扶助で支給されるのは「家賃」のみで、共益費や管理費、駐車場代などは対象外です。物件を探す際は、家賃が住宅扶助の上限内に収まるように注意しましょう。

転居が必要な場合
現在の住居の家賃が住宅扶助の上限を超えている場合、転居を求められることがあります。その際の引っ越し費用は、一時扶助として支給されますので安心してください。

法的支援も活用できる
福岡県弁護士会では、生活保護申請の援助活動を行っており、日弁連委託法律援助事業による支援があり、原則として本人に費用負担を求めない取り扱いとなっています。
申請に不安がある場合は、弁護士への相談も検討できます。
よくある質問

Q: 持ち家があると生活保護は受けられない?
A: 居住用の持ち家は、資産価値やローンの有無によって保有が認められる場合があります。個別に相談が必要です。

Q: 車は必ず処分しなければならない?
A: 原則として処分が必要ですが、障害者の通勤・通院、公共交通機関が利用できない地域での通勤など、特別な事情がある場合は保有が認められることがあります。

Q: 親族に連絡がいくのが心配
A: 扶養照会は行われますが、DVや虐待、長期間音信不通など事情がある場合は配慮されます。まずは福祉事務所に相談してください。


Q: 借金があると受けられない?
A: 借金があっても申請は可能です。ただし、保護費を借金返済に充てることはできないため、法テラスなどで債務整理を行うことが推奨されます。

まとめ:福岡で生活保護を受ける際のポイント

福岡県で生活保護を受給する場合、福岡市や北九州市では単身者で月額約11万円、久留米市では月額約10万円が標準的な支給額です。
級地制度により、同じ福岡県内でも地域によって金額は異なります。
申請時の重要ポイント
- 書類が揃っていなくても相談・申請は可能
- 住む場所がなくても申請できる
- 親族に必ず連絡がいくわけではない
- 働いていても収入が最低生活費に満たなければ受給可能
- 福岡市では毎月1日が支給日(土日祝日の場合は前営業日)
生活保護制度は、憲法で保障された国民の権利です。
生活が苦しいと感じたら、ためらわずに相談してください。
一時的に生活に困った方が、再び自立した生活を送れるようになるまでの支援制度として、適切に活用することが大切です。
困ったときは一人で抱え込まず、お住まいの地域の福祉事務所、または福岡県弁護士会の相談窓口に連絡してみてください。
あなたの明日をサポートする制度が整っています。

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