生活保護の受給が開始すると、様々な制限が掛かります。
例えば自動車・バイクの所有・運転は認められていませんし、各種保険に加入することはできません。
しかし、生活保護でも認められていることなのに、ダメだと思われていることも多数あります。
例えばパチンコ等のギャンブルをしたり、お酒を飲んだり、タバコを吸うことは生活保護でも認められており自由にできます。
では、生活保護受給者がクレジットカードを所有・使用することはどうなんでしょうか?認められているのでしょうか?気になるところだと思います。
そこで、このページでは、生活保護でもクレジットカードは持てるのか?また、クレジットカードを使用する際の注意点やクレジットカードの審査を通るコツ等について、わかりやすくご説明したいと思います。
生活保護受給者はクレジットカードの所有・利用ができる
生活保護を受給すると、様々な制限が掛かりますが、クレジットカードを持ってはいけないと言う制限はありません。
同じくクレジットカードを使ってはいけないと言う制限もありません。
そのため、生活保護受給者がクレジットカードを所有・使用しても、何ら問題はありませんし、そもそもクレジットカードの所有・使用を制限する権限がケースワーカーにはありません。
なぜなら、生活保護では、健康で文化的な最低限度の生活を保障するだけではなく、生活保護受給者の精神的・経済的自立も目的としているからです。
そのため、生活保護受給者に掛かる制限は必要最低限に留まります。
例えばクレジットカードの利用により、あまりにもお金の管理が杜撰になるようであれば、ケースワーカーからクレジットカードの使用を控えるように生活指導を受ける可能性はありますが強制力はありません。
ただ、ケースワーカーから指導を受けなくても、返済が滞る等、クレジットカードの使い方が悪ければクレジットカード会社から使用制限が掛かったり、ブラックリストに載ることになるので気をつけましょう。
生活保護ではクレジットカード調査はしない
上記のとおり、ケースワーカーにはクレジットカードの所有・使用に対して制限を掛けることができないため、当然、クレジットカードの使用状況を調査する権限もありません。
ケースワーカーは「預貯金や家・土地等の資産を生活保護受給者が隠し持っていたりしないか」を調査する権限はあるため、銀行口座調査をした結果、クレジットカードの引き落としがあることを知ることはできます。
しかし、クレジットカードで何を購入したのか?等の個人情報を福祉事務所がクレジットカード会社に調査することはありませんし、できません。
ケースワーカーがクレジットカードを預かることはない
ネット等で見ると、「ケースワーカーがクレジットカードを預かることがある」と書かれている書き込みを見かけますが、ケースワーカーがクレジットカードを預かることは絶対にありません。
何度も言いますが、ケースワーカーはクレジットカードの所有・使用を制限する権限はありません。
ましてや人様のクレジットカードを預かる権限なんてもってのほかです。
仮にクレジットカードを預かった場合、クレジットカードの管理も大変ですし、そのクレジットカードが不正利用された場合、まず真っ先に疑われるのは、クレジットカードを預かったケースワーカーです。
また、再発行の手続きをすればクレジットカードは、すぐに再発行することができますし、クレジットカードの情報さえあれば、ネットショッピング等は、そのまま利用できることから、クレジットカードをわざわざ預かる意味もありません。
これらの理由により、ケースワーカーがクレジットカードを預かることは絶対にありません。
もしも「クレジットカードを預かる」なんて言われたらケースワーカー個人から悪用される危険性があるため、ケースワーカーの上司に確認してみましょう。
クレジットカードのポイントは収入認定されず自由に使える
クレジットカードを使って買い物をするとそのうちの数%がポイントとして返ってきます。
これらのポイントは現金と同様にお買い物に使うことができるため、収入として申告するべきか?と迷うかもしれませんが、買い物によって付いてくるポイントについては収入申告する必要はありません。
商品等の購入によるポイントの付与は店舗や企業の割引やサービスの一環として見られるため、収入認定しなくていい、と生活保護手帳の別冊問答集にも明記されています。
そのため、いわゆるポイ活をして、ポイントを貯めることも使用することも問題ありません。
むしろ、生活保護受給者はどんどん積極的にポイントを活用して、節約術等を身に付けるべきです。
クレジットカードのキャッシング(借金)をすると収入認定される
クレジットカードを使って買い物をすることは特に問題はありませんが、クレジットカードを使ってキャッシング(借金)をするのは絶対に損をするので、やめておきましょう。
なぜなら、キャッシング(借金)をすると、収入認定されてしまうからです。
生活保護では、使える資産は何でも使いましょう!と言う大原則があります。
この「使える資産」には借金も含まれているため、借金で作ったお金も資産として収入認定されてしまいます。
そして、収入認定されると、その分、生活保護費を支給する必要がなくなるため、借金をした月の生活保護費が減額されてしまいます。
例えば、最低生活費が月10万円の生活保護受給者が7万円をクレジットカードでキャッシングした場合、7万円が収入認定され、当月の生活保護費は3万円に減額されてしまいます。
キャッシング(借金)をしてもしなくても月々に使えるお金は、どちらも10万円なのにも関わらず、キャッシング(借金)をした場合は借金7万円と、その利子分だけ貸主に返済しなければいけないため損をすることになります。
なお、既に生活保護費が支給済みの場合は、支給しすぎた分については返還金として処理されるため、生活保護受給者は返還しなければいけません。
先程の例だと、借金として借りた7万円は多く払いすぎた生活保護費となるため、福祉事務所に7万円返還しなければいけません。
このように、生活保護費が減額されてしまうため、クレジットカードを所有していても、キャッシング(借金)は絶対にしないように気をつけましょう。
生活保護だとクレジットカードの審査が通らない
生活保護受給者でクレジットカードを所有・使用している方の多くは、生活保護受給前からクレジットカードを所有している方たちばかりです。
生活保護受給開始後にクレジットカードを作りたいと思っても、残念ながらクレジットカードを新規で作ることは非常に難しいです。
なぜなら、生活保護受給者は収入がないため、クレジットカードの審査を通ることができないからです。
「毎月生活保護費が支給されているから収入はある!」と主張する方がいるかもしれませんが、残念ながら、生活保護費は収入ではありません。
また、クレジットカードの支払いが滞った時にクレジットカード会社は取り立てを行うわけですが、生活保護受給者からは法律上、取り立てを行うことができません。
つまり、クレジットカード会社にとって、生活保護受給者にクレジットカードを発行することは、非常にリスクが高いわけです。
もちろん、クレジットカード会社の申請用紙に「生活保護受給中」と書く枠はありませんし、わざわざ書く必要もありませんが、生活保護受給者は職業の欄には「無職」と、収入の欄には「無収入」と書かざるを得ないため、生活保護受給者は、まずクレジットカードの審査を突破することはできません。
生活保護でもクレジットカードの審査を通す方法
では、生活保護受給者だったら、クレジットカードを作れないのか?と言いますと、そんなことはありません。
生活保護受給者でもクレジットカードの審査を通す方法があります。
それは、働いて給料収入を得ることです。
実は、意外と知られていませんが、生活保護を受給しながら働くことは可能です。
そして、働いて得た収入があれば例えパート・アルバイトであっても、職業の欄と収入の欄に堂々と記入することができるため、審査の厳しいクレジットカードは無理でも、比較的審査の通りやすいクレジットカード会社なら、簡単にクレジットカードを作成することができます。
なお、ホームページ等で生活保護受給者でも職業の欄に「自営業」と書けばクレジットカードの審査が通る!みたいな書き込みが見られますが、虚偽申告となるため、嘘を書いて申請するのは絶対にやめましょう。
生活保護ならデビットカードや電子マネーがオススメ
生活保護でもクレジットカードを所有・利用することができますが、クレジットカードは後払いですし、カード利用可能額も大きいことから、使いすぎてしまう可能性もあります。
そのため、生活保護受給者が現金以外の決済方法を得たいなら使いすぎる心配の少ないデビットカードや電子マネーがオススメです。
デビットカードや電子マネーであれば、ポイントが貯まると言うメリットはそのままに、今ある現金以上に使い過ぎてしまうことを防ぐことができます。
生活保護受給者の多くは、お酒やタバコ、ギャンブル等の欲望に弱く、お金の使い方が荒い人が多いため、使いすぎてしまう危険性のあるクレジットカードよりも、使いすぎる心配のないデビットカードや電子マネーの方が作りやすくオススメです。
まとめ
生活保護でもクレジットカードは所有・使用できるのか?また、クレジットカードを使用上での注意や作るコツについて、ご説明させていただきました。
上記をまとめると
- 生活保護受給者でもクレジットカードの所有・使用はできる
- 福祉事務所にクレジットカードを制限する権限はないため、クレジットカードの利用状況を調査したり、生活保護受給者のクレジットカードを預かることはできない
- クレジットカードを使って得たポイントは生活保護受給者が自由に使える
- キャッシング(借金)をすると生活保護費が減額される
- 生活保護受給者だとクレジットカードの審査を通過することは難しいが、働いて収入を得ている場合はクレジットカードの審査を突破できる
- 生活保護受給者はお金の使い方が上手ではない人が多いため、使いすぎる心配のないデビットカードや電子マネーがオススメ
となります。
その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/
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