生活保護の申請をする時に、市議会議員や国会議員等、議員に相談して口利きをしてもらうと審査が通りやすいと言う噂がまことしやかに言われています。
実際はどうなんでしょうか?やはり権力者である議員が口利きをすると、生活保護を受けやすいのでしょうか?
結論から言うと、議員に相談して口利きをしてもらった方が受かりやすいとも言えますし、口利きしてもらっても意味がないとも言えます。
え?どっち?どういうこと?と疑問に思われるでしょうが、結論だけを言うと、正直どちらとも言えてしまうんです。
そこで、議員の口利きの効果について、下記で詳しくご説明します。
議員に口利きしてもらっても生活保護の条件は変わらない
生活保護の制度は国の制度です。
そして、生活保護の条件は世帯の収入が最低生活費以下かどうか?これが全てです。
生活保護の条件は非常にシンプルなので、最低生活費より世帯収入が多ければ、いくら議員が口利きをしようと却下されますし、逆に世帯の収入が最低生活費以下であれば議員の口利きがなくても生活保護の申請さえすれば審査は通ります。
いくら相談した議員が地元の名士で実力者であっても、国の制度を曲げることはできません。
また、不正な生活保護行政が行われないように毎年、国・県が監査を行っています。
もしも監査の中で、条件を満たさないような人を議員の口利きにより、不正に生活保護の審査を通していることが発覚すれば市役所は処分を受けますし、口利きをした議員も責任を問われてしまいます。
そのため、議員に相談して口利きをお願いしても、議員自身がそこまで本気で口利きをしてくれませんし、仮に口利きしたとしても行政の方も法律を盾に議員に対抗できることから、議員に相談して口利きしたからと言って生活保護の審査基準が緩くなることはありません。
議員と一緒に相談に行った方が丁寧に説明してくれる
議員に相談して口利きをしてもらっても、審査基準が緩くなるわけでもないのに、なぜ議員を通すと生活保護の審査が通りやすいと言う噂が出てくるのか?
その答えは、議員と一緒に生活保護の申請・相談をした方が職員が生活保護について丁寧に説明をしてくれるからです。
基本的にケースワーカーは申請書を渡す前に相談を行い、申請者の状況等を聞いて、生活保護の審査が通りそうかどうかを判断します。
そして、審査が通りそうな人であれば申請書を渡し、通りそうにない人であれば条件が厳しい理由をキチンと説明して申請を諦めてもらいます。
なぜなら、申請書を出されると、絶対に生活保護の条件を満たさないとわかっていてもケースワーカーは調査をしなければなりません。
また、申請者本人も銀行口座を調査されたり、親族に扶養義務調査が行われるなどされるため、嫌な思いをすることもあります。
そのため、通常、ケースワーカーはキチンと説明責任を果たすんですが、中には制度をよく知らないケースワーカーや、説明が面倒なため、適当にあしらうケースワーカーもいます。
そういうケースワーカーに対しては議員と一緒に相談に行ったり、議員から口利きをしてもらうことで、なぜ生活保護の審査が通らないのか?どうすれば生活保護の条件を満たすのか?と言うのを懇切丁寧に教えてくれるようになります。
そして、ケースワーカーのアドバイスの通りに結婚・離婚をしたり、貯金額を減らす等、体裁を整えることができるため、生活保護の審査が通りやすくなります。
人権団体やNPO法人を連れてきても意味がない
議員の他に、人権団体や福祉関係のNPO法人に相談して、市役所に対して口利きをしてもらおうとする方がいますが、残念ながら人権団体や福祉関係のNPO法人を連れてきても意味がありません。
まず、議員に口利きをしてもらう場合と同様に人権団体や福祉関係のNPO法人の方が申請者と一緒に相談に来ても生活保護制度は国の制度のため、生活保護の条件は一切変わりません。
また、そもそも申請者が連れてきた人権団体や福祉関係のNPO法人が実は貧困ビジネスである可能性もあることから、被害者を増やさないためにも、逆に制度の説明を詳しくしないようにケースワーカーは注意して説明をするようになります。
そのため、人権団体や福祉関係のNPO法人を連れてくるのは意味がないと言うよりも、むしろ逆効果と言えます。
「人権団体や福祉関係のNPO法人の方が一緒に相談して口利きをしてくれたから生活保護を受けられるようになった!」と主張する方もいるでしょうが、それは申請者の方が元々条件を満たしていただけです。
人権団体やNPO法人のおかげでは一切ないため、勘違いしないように気をつけましょう。
議員等に口利きしてもらってもお礼をする必要はない
議員等に相談して口利きをしてもらったからと言って、お礼をする必要は一切ありません。
なぜなら繰り返しになりますが、生活保護を受給できるかどうかは口利きでどうこうなるものではないからです。
議員の場合は、謝礼よりも次の選挙の時に票を入れて欲しいと言うくらいだと思いますが、人権団体やNPO法人、その他口利きをすると言う人が謝礼を求めてきたとしたら、それは100%貧困ビジネスなので、絶対にお金を渡さないようにしましょう。
それに、そもそも生活保護費は最低生活費しか支給されません。
生活保護費に余裕はなく、生活保護費から借金の返済や税金の滞納分の返済をすることも認められていないのですから、当然、生活保護費から口利き料等を支払う余裕も必要もありません。
もしも口利き料を要求されたとしても断固として拒否しましょう。
まとめ
生活保護は議員に相談して口利きしてもらった方が受給しやすいのかどうか?について詳しく説明させていただきました。
上記をまとめると
- 議員に相談して口利きしてもらっても生活保護の審査が通りやすくなるわけはない
- 説明責任を果たさないケースワーカーに対しては議員に相談に来てもらうことで丁寧に説明してくれるため一定の効果はある
- 人権団体やNPO法人に相談・口利きしてもらっても効果はない
- 相談・口利きに意味は全くないため謝礼を要求されても一切渡す必要はない
となります。
その他、生活保護の申請・手続き方法については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
https://seikathuhogomanabou.com/category/tetuduki/
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