平成26年1月1日から法改正により

①健康の保持及び増進に努めること
②収入、支出その他生計の状況を適切に把握すること

が生活保護受給者の責務として位置づけられました。

改正内容

「生活保護受給者の責務」となりましたが、実際は福祉事務所の支援体制及び調査権限の強化です。
今までよりも、健康・家計面に関して専門的で効果的な支援が行えるようになりました。

健康管理を支援する取組み

担当ケースワーカーは、生活保護受給者の健康診断結果等が入手可能になりました。

そして、その健康診断結果に基づく保健指導や、生活保護受給者の健康や受診に関する相談等に対し
助言指導等必要な対応を行う専門の職員を配置する等、支援体制の強化ができるようになりました。

既に施行済みですが、まだ病院に提出する調査票の様式等ができていなかったり
専門員の配置が追いついていない所が多いため、相談すること等は可能ですが
対応に少し時間が、かかるかもしれません。

家計管理を支援する取組み

担当ケースワーカーは本人の自立支援の観点から必要と判断した者については、生活保護受給者の状況に
応じてレシート又は領収書の保存や家計簿の作成を求めることも可能になりました。

家計簿等は健康管理の支援と異なり、既に作成するよう指導又は依頼されている世帯もあります。

担当ケースワーカーは家計簿等の作成を求めることは可能になりましたが
生活保護受給者が、その依頼に応じないからと言って生活保護の停止・廃止になるわけではありません。

個人的な感想

法改正が行われる前から、受給者に対して健康・生活面等の支援は行われていました。

しかし、受給者の健康状態や家計状況について正確な情報を把握することができなかったため
「体調管理に気をつけてください。」「無駄遣いしないようにしてください」と言った
漠然とした指導しかできませんでした。

今回の法改正により、趣旨通りに活用することができれば、今までよりも的確な指導ができるように
なるため、素晴らしいと思います。

ただ実際は、現場のケースワーカーの負担が増えるだけで、ほとんど効果はないものになると思います。

まず、健康管理に関する支援については、専門的知識を持った職員を、どこから連れてくるのかが問題です。
ただでさえ人員削減により人がいません。
そのため、結局はケースワーカーが専門的知識を身につけるしかありません。

ケースワーク業務や他法他施策の知識習得をしなければいけない中、さらに医療の知識まで
身につけろと言うのは、さすがに無理があると思います。

最後のセーフティネットとは言え、何でもかんでも担当ケースワーカーに押し付け過ぎです。
業務の範囲が広がり過ぎて、結局何もかも中途半端にならないか心配です。

次に、家計管理に関する支援については、上記にあるように、家計簿等の提出に応じないからと言って
生活保護の停止・廃止になりません。つまり、強制力がありません。

家計管理が必要な生活保護受給者ほど家計簿等の提出に応じません。
資産調査同様、調査することはできますが、強制力がないので、
相手が協力してくれなければ実際は調査することができません。

例えばアルコール中毒者、麻薬中毒者等、金銭管理をしなければ、健康を損なう可能性の高い
生活保護受給者に対しては家計簿等の提出を義務付ける制度であれば、
もっと良い制度になるのではないかと思います。