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生活保護は親がいても受給できる?親が健在の場合の受給方法は?

Q&A

日本は憲法によって健康で文化的な最低限度の生活が保障されています。

そのため、生活が苦しくて、今日の食事もままならないような状況に陥った場合等、受給条件を満たせば生活保護を受給することができます。

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しかし、民法において親は子どもを養育する義務、扶養する義務を負っています。

親が生きている場合、子どもは生活保護を受給できないのでしょうか?逆に子どもの生活が苦しい場合、親は必ず扶養しなければいけないのでしょうか?気になるところだと思います。

そこで、このページでは、親が生きている場合でも生活保護を受給することができるのか?親の扶養義務とはどういうものなのか?親族から援助を断ることができるのか?等について詳しくご説明します。

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生活保護は親がいても受給することができる

結論から言うと、生活保護は親がいても受給することができます。

民法第877条に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と定められています。

また、生活保護法第4条第2項に「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」と定められています。

名称も「扶養義務」なので、非常に責任重大な印象を受けますが、親が扶養義務を果たさなくても罰則等は何もありません。

あくまで扶養義務は努力義務であり「できるだけ家族・身内同士は助け合いましょう」と言う趣旨の内容に過ぎません。

そのため、親に収入や資産がなくて扶養する資力がない場合はもちろん、仮に親が大金持ちの資産家であったとしても一切関係なく生活保護を申請することができます。

ただし、親と同居している場合、親と別居している場合で生活保護の条件及び申請方法等がガラリと変わるため、それぞれの申請方法等について、以下で詳しくご説明します。

ちなみに刑法第218条では、介護が必要な親を放置したり、子どもを置き去りにする等、扶養義務者が、その義務を果たさなかった場合に保護責任者遺棄等罪として3月以上5年以下の懲役に処するとありますが、この法律は人の生命や身体に危険を及ぼす可能性があるにも関わらず放置した場合を想定しており、親に経済的な援助を強制するものではありませんので、ご安心ください。

親と一緒に住んでいる場合

生活保護の申請・受給は世帯単位で行われます。

そのため、親と一緒に住んでいる場合は、親と一緒に生活保護を申請・受給する必要があります。

親と一緒に生活保護を申請・受給することから、自分だけではなく、親の収入や資産も含めて生活保護の条件を満たす必要があります。

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親と一緒に住んでいる場合でも世帯分離と言う方法で、別世帯として切り離して考える場合もありますが、世帯分離は例外的な取り扱いのため、通常は原則通り同居している人、全員で生活保護の申請・受給する必要があります。

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以上のことから、たまに一緒に住んでいる親から自由になるお金(お小遣い)がもらえないからと言って、生活保護を申請する方が一定数いますが、残念ながら親と同居している以上、お小遣いは自分で働いて稼ぐ必要があります。

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親と親族と絶縁していても扶養義務調査はある

親と一緒に住んでいない場合、親の収入や資産は生活保護を申請・受給するうえで一切関係はありませんが、扶養義務調査は実施されます。

扶養義務調査
生活保護を申請すると親族等に対して扶養義務調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

扶養義務調査とは「あなたの親族である○○さんが生活保護を申請していますが、経済的・精神的な援助はできませんか?」と親族に対して扶養照会することです。

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扶養義務調査の対象についてですが、絶対的扶養義務者と呼ばれる直系血族及び2親等以内の親族(祖父、祖母、両親、兄弟姉妹、子、孫等)に対しては必ず扶養義務調査が実施されます。

相対的扶養義務者と呼ばれる3親等以内の親族(叔父、叔母、甥、姪等)に対しては必要に応じて扶養義務調査が実施されます。

また、その他、親族以外でも申請者に対して何かしらの援助をしたことのある人がいれば、
その人に対しても扶養義務調査が実施されます。

申請者の中には「両親に迷惑は掛けられない!」「生活保護は恥だから親族に知られたくない!」と言うことで、親族に対して扶養義務調査を行わないで欲しいとお願いされることがあります。

相対的扶養義務者及び親族以外の方に対してであれば、ケースワーカーに事情を説明すれば、扶養義務調査をしないでもらうことは可能です。

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しかし、絶対的扶養義務者に対しては、たとえ仲が悪くて絶縁状態にあったとしても、扶養義務調査は行われます。

なぜなら扶養義務調査の主な目的は経済的な援助ではなく、生活保護受給者が入院・手術等が必要になった時の連帯保証人・身元引受人(緊急連絡先)を確保することだからです。

「行政やケースワーカーが連帯保証人・身元引受人(緊急連絡先)になったら良いのでは?」と思うかもしれませんが、行政やケースワーカーが連帯保証人・身元引受人(緊急連絡先)になれたら強権発動が可能となり、生活保護受給者の権利が侵害される危険性があるため、親族の方になって頂く必要があります。

また、親族からすると、役所から急に扶養義務調査が届くと驚くとともに「自分たちの生活も苦しいのに仕送りをしないといけないのか?」と不安になるかもしれませんが、回答しなくても罰則等はありませんし、援助できないなら素直に「援助できません!」と回答をするだけで良いので、心理的な負担はあると思いますが、経済的な負担は、ありません。

もちろん、生活保護を受給することは恥ではありません。

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生活保護を受給することは国民の権利であるため、何ら恥じる必要ななく、堂々と受けたら良いのです。

以上の理由から、親と住んでいない場合、絶縁していても扶養義務調査は実施されます。

なお、虐待やDV等、住所が知られたら命の危険がある場合は、たとえ絶対的扶養義務者であっても扶養義務調査は実施されませんのでご安心ください。

ただし、虐待やDV等を理由に扶養義務調査を拒む場合は、生活保護申請前に「支援措置」と呼ばれる住民票や戸籍の閲覧を制限する制度を利用している必要があります。

なぜなら支援措置をしていなかったら、親族は簡単に住民票や戸籍を閲覧して住所を確認できることから、扶養義務調査を送らない理由(住所がバレたら困る)がないからです。

この支援措置を実施している場合は、閲覧制限をしている相手方(加害者)に対してのみ扶養義務調査を送らないようにしてもらえることができます。

親族等からの援助を断ることはできない

生活保護は資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。

そのため、親族等から「毎月◯万円支援します!」と言う申し出に対して「どうせ支援してもらっても仕送り分、生活保護費から引かれて実際に使えるお金は一緒だから支援しないで!」と断ることは、資産や能力等を全て活用しているとは言えず、生活保護の義務を怠っていると判断されるため、最悪の場合、生活保護が廃止されてしまいます。

仕送りする際の注意点
生活保護の申請をした場合、親族に対して扶養義務調査が行われます。 絶対的扶養義務者と呼ばれる直系血族及び2親等以内の親族 (祖父、祖母、両親、兄弟姉妹、子、孫等)に対しては必ず援助ができるか どうかの調査が行われます。 ※相対的扶養義務者と...
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そのため、親族等側から「生活が苦しくなったから、これ以上援助できない」と打ち切ることは全然問題はありませんが、生活保護受給者側から断ることがないように気をつけましょう。

また、仕送り等を受け取る際の注意点として、お米や野菜等の食料を支援するくらいであればケースワーカーにわざわざ報告しなくても、特に問題はありませんが、隠れてこっそりと現金による援助をしてもらうことは不正受給となりますので、くれぐれも申告漏れがないように気をつけましょう。

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まとめ

親が生きている場合でも生活保護を受給することができるのか?親の扶養義務とはどういうものなのか?親族から援助を断ることができるのか?等について詳しく説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 親が健在でも生活保護は受給できる
  • 親と同居している場合は、親と一緒に生活保護を申請・受給する必要がある
  • 親と同居していない場合は、一人で生活保護を受給することができる。
  • 絶対的扶養義務者に対しては原則どんな理由があっても扶養義務調査が実施される
  • 扶養義務は努力義務のため、どれだけ収入や資産があっても、援助したくなければ支援を断ることができる
  • DVや虐待等を理由に住民票や戸籍の閲覧制限(支援措置)をしている場合のみ絶対的扶養義務者であっても扶養義務調査は実施されない
  • 生活保護受給者側から援助を断った場合、生活保護が廃止される可能性がある
  • 現金で仕送りをもらった場合、どんなに少額であっても申請しなければ不正受給となる

となります。

その他、生活保護に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/qa/

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