生活保護を受給しながら働く方にとって、「ボーナスは申告しないといけないの?」という疑問は非常によく寄せられます。
毎月の給与は必ず申告していても、ボーナスは臨時収入だから申告不要だと誤解してしまうケースも少なくありません。
しかし、結論から言えば、ボーナス(賞与)も必ず収入申告が必要です。
この記事では、生活保護制度のルールに基づき、申告が必要な理由、収入認定の方法、申告を怠った場合のリスクまで詳しく解説します。
なぜボーナス(賞与)も申告しなければならないのか?

生活保護制度は「生活に足りない分を国が補う制度」です。
最低生活費を計算し、そこに収入が届かない場合に不足分を補填する仕組みのため、給与であれ臨時収入であれ、すべての収入を申告する必要があります。

ボーナスは多くの企業で夏と冬の年2回支給され、数万円〜数十万円になることもあります。
もしこれを申告しないままにしてしまうと、支給された生活保護費より本来は収入が多かった期間が発生し、不公平が生じてしまいます。
ボーナスあり・ボーナスなしの場合の例
① 毎月給与15万円+年2回のボーナス計60万円
→ 年収:240万円
② 毎月給与20万円・ボーナスなし
→ 年収:240万円
どちらも年収は同じですが、もし①のボーナスを収入扱いしなければ、②の方が不利になります。
制度の公平性を保つためにも、ボーナスも含めて収入として取り扱う必要があります。
申告をしないとどうなる?不正受給として返還対象に

生活保護受給中に収入を隠してしまうと、後に必ず発覚し、不正受給と認定されます。

不正受給になると、控除は一切適用されず、受け取った金額を全額返還しなければなりません。
例えば12万円のボーナスを申告せずにいた場合
→ 12万円がまるごと徴収金として返還対象となります。

通常なら給与所得控除などが適用され、半分以上が控除されるケースもありますが、隠した時点で控除はゼロとなります。
また、毎年行われる「収入調査」で必ず過去の収入が確認されるため、隠し通せることはありません。

生活や将来の不安を増やさないためにも、どんな収入でも必ず申告することが大切です。
ボーナスを申告すると控除を受けられる

誤解されがちですが、ボーナスを申告すると全部没収されるわけではありません。
生活保護には給与所得控除などの制度があるため、実際に生活保護費が減る額は、受け取った金額よりはるかに少ないことが多いのです。
一方で、申告を怠ると控除を受けられないため、正直に申告した方が手元に残るお金は多くなります。
ボーナス(賞与)の収入認定方法|6ヶ月分割が可能

ボーナスの収入認定には、一般の給与とは異なる「特例」があります。
通常、収入は受け取った月にすべて収入認定されますが、ボーナスについては最大6ヶ月に分けて認定できます。
当月に全額認定する場合
例えば6月に12万円のボーナスが入り、そのボーナスをそのまま全額を収入認定した場合、生活保護費から12万円減額されて支給されることになります。
一度に認定すると、基礎控除額が少ないため、手元に残るお金が少なくなってしまいます。
また、毎月の給料と合算して、最低生活費を超えてしまった場合は生活保護費の支給が0になるどころか、もしも通院した場合の医療費の自己負担も発生する可能性も出てきてしまいます。

6ヶ月に分割して認定する場合(生活保護受給者に有利)
ボーナス12万円を2万円×6ヶ月として認定した場合、仮に給与が毎月10万円とすると、各月での収入認定額は10万円+2万円=12万円となります。
分割認定にすることで収入が急増しないため、基礎控除が減りにくく、結果的に受給者にとって有利になります。
ケースワーカーへ申請すれば、ほとんどの場合この6ヶ月分割が認められます。

■ ボーナスとあわせて知っておきたい注意点

①ボーナスの予定が決まったら早めに相談
支給額が確定していなくても、支給予定が分かった段階でケースワーカーへ連絡しておくと、後の手続きがスムーズになります。
遅くなると、不正受給ではありませんが、返還手続きが必要になるなど、手間暇が掛かるため、早め早めの相談が大事です。
②支給明細書は必ず提出
ボーナスの支給金額の証明として支給明細書が必要になります。
紛失すると再発行が必要になり、処理が遅れることがあります。
③ボーナスの使い方は自由
申告さえしていれば、旅行・家電購入・貯金(一定額まで)など、何に使っても問題ありません。
ボーナスの使途を制限されることはありません。

まとめ|ボーナスは必ず申告し、適切な控除を受けよう

生活保護を受けながら働く方にとって、ボーナスは貴重な収入です。
制度上、ボーナスを申告することで控除が適用され、結果的に手元に残る金額が増える仕組みになっています。
逆に、隠してしまうと控除ゼロで全額返還となり、生活に大きな負担がかかってしまいます。
生活を安定させるためにも、収入があったときは必ずケースワーカーへ相談し、制度を上手に活用していきましょう。

