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生活困窮者自立支援法の必須事業を徹底解説〜自立相談支援事業・住居確保給付金の内容・要件・使い方を完全ガイド〜

Q&A
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「生活困窮者自立支援法の必須事業って何?」「自立相談支援事業と住居確保給付金は、具体的にどう使えばいいの?」制度の存在は知っていても、必須事業の中身・要件・実際の使い方まで詳しく知っている方は多くありません。

本記事では、生活困窮者自立支援法が定める2つの必須事業を、法律の根拠・支援内容・申請要件・任意事業との違いまで、初めて読む方にも分かりやすく解説します。支援を受けるかどうかの判断材料として、ぜひ最後までお読みください。

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必須事業とは何か?任意事業との違い

生活困窮者自立支援制度の支援メニューは、「必須事業」と「任意事業」の2種類に分類されています。この分類を理解することが、制度を正しく使うための第一歩です。

必須事業:全国どこでも受けられる支援

必須事業とは、都道府県・市・特別区・指定都市・中核市(以下「実施主体」)が法律上実施を義務づけられている事業です。日本全国どの自治体に住んでいても、必ず利用できることが保証されています。

生活困窮者自立支援法が定める必須事業は以下の2つです。

【必須事業】
① 自立相談支援事業
② 住居確保給付金の支給

任意事業:自治体によって実施状況が異なる支援

一方、任意事業は実施主体が任意で行う事業であり、自治体の財政状況・地域ニーズ・専門人材の確保状況などによって実施するかどうかが決まります。

【任意事業(代表例)】
・就労準備支援事業
・家計改善支援事業
・一時生活支援事業
・子どもの学習・生活支援事業

厚生労働省の2022年度調査によると、就労準備支援事業の実施率は約72%、家計改善支援事業は約69%にとどまっており、約3割の自治体では一部の任意事業が受けられない状況です。

この格差こそが、必須事業の重要性をより際立たせています。どこに住んでいても必ず受けられる支援の土台それが必須事業の本質的な意義です。

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法律が定める必須事業の根拠条文

必須事業の根拠は、生活困窮者自立支援法の条文に明確に示されています。

自立相談支援事業の根拠(第3条・第5条)

「都道府県等は、生活困窮者自立相談支援事業を行うものとする。」 ——生活困窮者自立支援法 第5条第1項

「行うものとする」という表現は、法律上の義務規定です。「努める」や「できる」ではなく、実施が義務であることを明確に示しています。

住居確保給付金の根拠(第6条)

「都道府県等は、その設置する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する生活困窮者であって、離職又は廃業後一定の期間を経過していないもの(中略)に対し、住居確保給付金を支給するものとする」 ——生活困窮者自立支援法 第6条第1項

こちらも「支給するものとする」という義務規定です。要件を満たせば、自治体は必ず支給しなければなりません。

法改正の流れ

2015年の制度施行以来、2018年改正では家計改善支援事業・就労準備支援事業の一体実施が努力義務化され、必須事業との連携強化が図られました。また2024年改正では子どもの貧困対策が強化され、制度全体のカバー範囲が拡大しています。

必須事業①:自立相談支援事業の全貌

自立相談支援事業は、生活困窮者自立支援制度の中核・入口となる最重要事業です。

事業の目的と基本的な考え方

単に「相談を受ける」だけではありません。支援員が相談者の状況を包括的にアセスメント(評価)し、就労・住まい・家計・健康・家族関係など複数の問題を一括して整理した上で、個人に最適化された「自立支援計画」を作成・実施します。

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配置される3種類の専門員

自立相談支援機関には、次の3種類の専門員が配置されます。

専門員の種類 主な役割 必須配置
主任相談支援員 チームの統括・困難ケースの対応・関係機関との総合調整 必須
相談支援員 初回面談・アセスメント・支援計画の作成・継続的な伴走支援 必須
就労支援員 求職活動の具体的支援・ハローワークとの連携・就職後フォロー 必須

厚生労働省が定める「自立相談支援事業の手引き」では、支援員に求められる資質として「傾聴力・アセスメント力・社会資源の活用力・記録・評価能力」が挙げられており、専門的なトレーニングを受けた職員が対応します。

アセスメントから支援計画作成までの流れ

自立相談支援事業では、支援の質を担保するために標準化されたプロセスが設けられています。

【支援プロセスの流れ】

PHASE 1:インテーク(受理面談)
 ・初回来所・電話相談
 ・困りごとの概要把握
 ・緊急性の確認

PHASE 2:アセスメント
 ・生活状況の包括的な評価
 ・就労状況・健康状態・家族関係・借金状況等
 ・本人の「強み」「意欲」「意向」も把握

PHASE 3:支援計画の作成
 ・本人と一緒に「目標」を設定
 ・目標達成のための支援内容・役割分担を決定
 ・関係機関(ハローワーク・法テラス等)との連携方針を確認

PHASE 4:支援の実施・モニタリング
 ・プランに沿った支援を実施
 ・定期的な面談で状況確認・プランの見直し

PHASE 5:評価・終結
 ・目標達成状況の評価
 ・自立後のフォローアップ

支援対象となる主な困りごと

自立相談支援事業が受け付ける相談内容に制限はありません。以下はよくある相談例です。

  • 失業・廃業・収入減少による生活費の不足
  • 家賃・光熱費・ローンの滞納
  • 長期間の無職・引きこもり
  • 精神的な不調・体調不良による就労困難
  • 多重債務・借金問題
  • ひとり親家庭の生活困窮
  • 社会的孤立・頼れる人がいない
  • DV被害後の生活再建

自立相談支援事業の実績データ

厚生労働省の統計によると、2022年度の自立相談支援事業の実績は以下の通りです。

指標 件数
新規相談受付件数 約27万件
支援計画作成件数 約8万件
就労支援実施件数 約4万件
うち就労・増収達成件数 約2.8万件

相談件数に対して支援計画作成が約30%程度にとどまっている背景には、「相談だけで問題が解決したケース」「他の制度・機関に即座につながれたケース」も多く含まれます。

必須事業②:住居確保給付金の全貌

住居確保給付金は、制度内で唯一の現金給付(返済不要)として位置づけられる必須事業です。

制度の目的

仕事を失い家賃が払えなくなることで住居を失う事態を防ぎ、安定した住まいを確保しながら就労活動を続けられるよう支援することが目的です。住まいを失ってからでは生活再建が格段に難しくなるため、「失う前に手を打つ」設計になっています。

支給対象者の要件

住居確保給付金を受給するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

① 離職・廃業等の要件

以下のいずれかに該当すること:
・離職または廃業から2年以内
・疾病・負傷・育児等のやむを得ない事情により、
 給与等を得る機会が本人の意に反して減少した者
 (2020年改正により追加)

2020年のコロナ禍対応改正により、「休業による収入減少」のケースも対象に含まれるようになりました。これにより、正式な失業手続きをしていない方も申請できるケースが増えています。

② 収入要件

世帯の月収合計が、次の基準額以下であること。

収入基準 = 市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12
      + 住宅扶助基準額
(例:東京都単身者の場合、概ね13〜15万円程度)

③ 資産要件

世帯の預貯金の合計額が、次の基準額以下であること。

資産基準 = 収入基準の6ヶ月分
(例:月収基準が13万円の場合、78万円以下)

④ 求職活動要件(受給中の継続条件)

・ハローワークへの求職申込みをしていること
・毎月、ハローワークへの来所実績を報告すること
・自立相談支援機関による面談に応じること

支給額・支給期間

項目 内容
支給額 実際の家賃額(地域の生活保護住宅扶助基準額が上限)
支給期間 原則3ヶ月(要件を満たせば3ヶ月ごとに延長可、最大9ヶ月)
支給方法 貸主または管理会社へ直接振り込み(本人には渡らない)
返済義務 なし(給付金のため)

地域別の支給上限額(参考)

住宅扶助基準は地域によって異なります。代表的な自治体の上限額(単身者・2024年基準)は次の通りです。

地域 単身者の上限月額(概算)
東京都23区 約53,700円
大阪市 約40,000円
名古屋市 約37,000円
福岡市 約35,000円
地方中小都市 約30,000〜35,000円

※実際の上限額は自治体によって異なります。詳細はお住まいの市区町村窓口で確認してください。

申請手続きの流れ

【住居確保給付金の申請フロー】

STEP 1:自立相談支援機関に相談
 → まず相談員と面談し、支給要件の確認

STEP 2:申請書類の準備
 → 申請書・収入申告書・通帳写し・
   雇用保険受給資格者証(該当者)等

STEP 3:申請書類の提出
 → 自立相談支援機関または市区町村窓口に提出

STEP 4:要件審査・決定通知
 → 原則14日以内に支給要否を決定

STEP 5:支給開始
 → 貸主・管理会社へ直接振り込み

STEP 6:受給中の活動義務
 → 毎月のハローワーク来所・定期面談の実施

STEP 7:延長申請(必要な場合)
 → 3ヶ月ごとに再審査・最大9ヶ月まで延長可能

2つの必須事業の連携:どう組み合わせて使うか

自立相談支援事業と住居確保給付金は、セットで活用することが最も効果的です。

典型的な連携パターン

【ケース例:40代・男性・会社倒産で失業】

① 自立相談支援機関に来所・初回相談
 → 失業・家賃滞納・精神的疲弊の3つの問題を把握

② アセスメント
 → 家賃は2ヶ月滞納、預貯金は50万円、
   ハローワーク登録はこれからの状態

③ 支援計画の作成
 → 「住居確保給付金の申請」+「就労支援」の
   2本立てプランを本人と合意

④ 住居確保給付金の申請(自立相談支援機関がサポート)
 → 翌月から最大9ヶ月間、家賃を給付

⑤ 就労支援員との並行支援
 → ハローワーク同行・履歴書作成・面接練習

⑥ 3ヶ月後に就職
 → 収入安定後、住居確保給付金終了・支援計画終結

このように、住居の安定を確保しながら就労活動に集中できる環境を整えるのが、2つの必須事業を組み合わせる最大のメリットです。

任意事業との違いと地域格差の問題

必須事業と任意事業の役割分担

項目 必須事業 任意事業
実施義務 あり(法律上の義務) なし(自治体の判断)
全国実施率 100%(義務のため) 69〜79%程度(事業による)
主な内容 相談支援・住居給付 就労準備・家計改善・子ども支援等
受けられる保証 あり 居住地による

格差が生まれる現実

任意事業が未実施の自治体では、就労準備支援・家計改善支援が受けられないため、必須事業の「自立相談支援」だけでは解決しきれないケースが生じます。

この課題を補う方法として、次の手段があります。

  • 隣接する市区町村・都道府県の窓口に相談する
  • NPO法人・社会福祉法人が独自に提供する類似サービスを活用する
  • 社会福祉協議会の家計相談・生活資金貸付制度を活用する

必須事業を利用する際は、担当の支援員に「他に使える支援はありますか?」と積極的に質問することが、サービス格差を補う最善策です。

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2018年・2024年改正で何が変わったか

2018年改正のポイント

① 就労準備支援事業・家計改善支援事業の一体実施を努力義務化 自立相談支援事業と就労準備・家計改善を連動して実施することが努力義務となり、必須事業と任意事業の連携強化が図られました。

② 子どもの学習・生活支援事業の明確化 子どもへの支援が制度の柱として明確に位置づけられました。

③ 居住支援との連携強化 空き家を活用した低家賃住宅の提供など、住居に関する支援の幅が広がりました。

2024年改正のポイント(最新)

① 子どもの貧困対策のさらなる強化 生活困窮世帯の子どもへの支援が拡充され、学習支援・食事支援・居場所づくりが強化されました。

② デジタル化への対応 オンライン相談・電子申請の整備が進められ、窓口に来所しにくい方の利用障壁が下がりました。

③ 孤独・孤立対策との連携 内閣府の孤独・孤立対策と連携し、社会的孤立を抱える困窮者へのアウトリーチ支援が強化されました。

必須事業を利用するための具体的な手順

あなたが今日できること

【3ステップで相談開始】

STEP 1:窓口を確認する
 → お住まいの市区町村の代表番号に電話し、
  「生活困窮の相談をしたい」と伝える
 → または厚生労働省サイトの窓口検索を利用

STEP 2:電話または来所で相談予約
 → 「自立相談支援機関」または
  「くらしのサポートセンター」等が窓口
 → 電話相談から始めることも可能

STEP 3:初回面談
 → 今の状況を話すだけでOK
 → 書類・申請書は不要(後から揃えられる)

緊急度別の対応

状況 最優先の行動
家賃が払えず退去を迫られている 住居確保給付金の申請を即日相談
生活費がゼロ・食べるものがない 緊急小口資金(社協)+自立相談支援
仕事を失ったばかり ハローワーク+自立相談支援機関に並行相談
夜間・休日で急を要する よりそいホットライン 0120-279-338
法的問題(借金・立ち退き)がある 法テラス 0570-078374

よくある質問(FAQ)

Q. 必須事業は申請が必要?それとも相談だけでいい?

A. 自立相談支援事業は相談するだけで利用開始できます。住居確保給付金は申請書の提出と要件審査が必要です。まず自立相談支援機関に相談すれば、支援員が申請手続きも一緒にサポートしてくれます。

Q. 住居確保給付金は家賃以外にも使える?

A. いいえ。住居確保給付金は家賃のみに使用できます。食費・光熱費などの生活費には使えません。生活費が不足している場合は、社会福祉協議会の緊急小口資金や生活保護との組み合わせを検討してください。

Q. 自立相談支援事業の支援員に守秘義務はある?

A. はい。支援員には守秘義務が課されており、本人の同意なく相談内容を外部に漏らすことは禁止されています。職場・家族・近所に知られる心配はありません。

Q. 住居確保給付金の申請が却下されたら?

A. 却下の場合は書面で通知されます。却下理由を確認し、要件を満たしていないのか・書類に不備があるのかを支援員と一緒に確認しましょう。不服申立て(審査請求)も可能です。

Q. 必須事業を利用中に生活保護が必要になったら?

A. 支援員が状況を判断し、生活保護申請への移行を積極的にサポートしてくれます。「制度を切り替えると一からやり直し」という心配は不要です。

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まとめ:必須事業は「最低限保証された支援の土台」

生活困窮者自立支援法の必須事業について、要点を整理します。

2つの必須事業

必須事業 一言で言うと 最大のメリット
自立相談支援事業 専門員による包括的な相談・プラン作成・伴走支援 複数の問題をワンストップで整理・解決
住居確保給付金 家賃を最大9ヶ月間給付(返済不要) 住まいを失わずに就労活動に集中できる

必須事業の本質的な意義

  • 全国どこに住んでいても、必ず受けられる支援の土台
  • 困窮が深刻化する前に、早期介入できる仕組み
  • 「相談するだけ」から始められる低いハードル

制度を「知らなかった」ために支援を受けられなかった方が、今も多くいます。この記事をきっかけに、まず一本電話してみてください。必須事業はあなたのために存在しています。

今すぐ相談できる窓口

  • お住まいの市区町村「福祉課・自立相談支援機関」(平日9時〜17時)
  • よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)

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