生活保護法28条を根拠に担当ケースワーカーは
生活保護受給者の家に立入調査をする権限があります。
生活保護の申請があった場合、
申請日から1週間以内に訪問調査が行われます。
その後は訪問格付けに沿った定期訪問調査と
何かトラブルがあった場合等に
臨時訪問調査が行われます。
訪問格付けは都道府県ごとに異なりますが
・1ヶ月に1回
・2ヶ月に1回
・3~4ヶ月に1回
・6ヶ月に1回
・1年に1回
のどれかに分類されていると思います。
家に住んでいる場合は最低でも3〜4ヶ月に1回、
施設や病院に入っている人は最低でも1年に1回、
訪問しなければいけません。
調査の目的
実際に生活保護受給者と会って
・生活実態の確認
・生活状況の確認
・自立に向けた指導
・貴金属等の高価な物がないか
などの確認を行います。
そして、必要があれば生活指導等を行います
調査の内容
原則は実際に家に入って調査します。
条例で電話調査が認められている福祉事務所の場合、
電話訪問で終わる場合もありますが、
定期的に立入調査もしているはずです。
立入調査をする場合、事前に連絡したら
調査の目的を達成できないため何の連絡もせずに
突然訪問します。
立入調査を拒否した場合は
保護の却下、停止、廃止になるので注意が必要です。
生活実態の確認
生活保護は極端な話、住民票は関係ありません。
実際に住んでいるかどうかが重要です。
(1)実際は誰も住んでいない場合
(2)申請している世帯員以外の人が一緒に住んでいる場合
(3)申請している世帯員が実は別の場所で住んでいる場合
があります。
全てのパターンで言えることですが虚偽の申告になります。
生活保護の却下、停止、廃止になるだけではなく
刑事告訴される可能性があるため注意が必要です。
生活保護受給中に引っ越し等、世帯員の増減がある場合は
必ず担当ケースワーカーに報告しましょう。
生活状況の確認
覚醒剤中毒者、単身高齢者、身体障害者、精神障害者など
様々な問題を抱えている人がいます。
彼(彼女)等が在宅できちんと生活できているかを
確認します。
またDVを受けていないか、
子供がいる場合は学校にきちんと通っているかどうかの確認もします。
生活状況に何かしらの問題があるようであれば
扶養義務者に対して援助を求めたり
施設や病院への入所を検討したり
関係機関と協力したりして問題解決に向けて取り組みます。
自立に向けた指導
就労指導、検診命令(病院に行くよう指導すること)、
生活指導(部屋をキレイにするように等)
がメインになります。
他にも年金受給権が発生した場合等、各種手続きするように指導します。
貴金属等の高価な物がないかの確認
貴金属等の高価な物は資産と見なされます。
所有している場合は当然売却して
生活費に充てるように指導を受けます。
また急に家具家電が変わっている場合や
家の近くに見たことない自動車がある場合等は
隠れて収入を得ている可能性があるため各種調査を行います。