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生活保護を受給すると生命保険はどうなる?解約せずに継続する方法とは?

収入・資産

昔加入した生命保険等は今の生命保険等と比べて、貯蓄率や保険金の金額等、各種条件が良いものが多いです。

しかし、それらの生命保険等も一度解約してしまったら、二度と同条件では再契約することができません。

では、生活保護を申請・受給した場合、様々な制限が掛かりますが、これら生命保険等の取り扱いはどうなるのでしょうか?解約しなければいけないのでしょうか?気になるところだと思います。

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そこで、このページでは、生活保護を受給すると加入している生命保険等はどうなるのか?生活保護等への加入を継続するにはどうすれば良いのか?等について、このページでは、わかりやすくご説明します。

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生活保護だと生命保険等は解約しなければいけない

結論から言いますと、残念ながら生活保護を申請・受給開始すると、生命保険等は全て解約しなければいけません。

生活保護受給者が生命保険等を解約しなければいけない理由は全部で3つあります。

それは

  • 生命保険等を掛ける必要がない
  • 生命保険等の所有は資産形成にあたる
  • 保険金や解約返戻金等が不正受給につながる可能性が高い

からです。

では、それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

生活保護だと各種扶助があるため生命保険等を掛ける必要がない

まず生活保護受給者が生命保険等を解約しなければいけない理由の1つ目は生活保護受給者が生命保険等に加入するメリットがないからです。

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もちろん、入院に掛かる費用も出ますし、手術代等も全て生活保護費から支給されます。

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そのため、生活保護受給者は全て生活保護費から支給されるため、生命保険等を掛ける必要がそもそもありません。

貯蓄型の生命保険等は資産形成にあたる

生活保護受給者が生命保険等を解約しなければいけない理由の2つ目は生命保険等は種類によっては資産形成にあたるからです。

生命保険等の中には、「貯蓄型」と呼ばれるものがあります。

貯蓄型の生命保険は毎月の保険料が積み立てられ、万が一のことが起きた時に保険金がもらえるだけでなく、解約時や満期時にそれぞれ解約払戻金、満期保険金としてお金が戻ってきます。

このように貯蓄型の生命保険等には、何かあった時のための保険と言う性質だけでなく、預貯金等と同じ資産としての性質もあります。

生活保護受給者は生活保護を利用する前にあらゆる資産等を活用しなければいけません。

また、生活保護受給者は多少の預貯金を持つことは許されますが、資産を形成することは許されません。

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そのため、貯蓄型の生命保険等を掛けている場合は、満期前であろうと、今解約をしたら返戻金が少なく損をしてしまおうと関係なく、生命保険等を解約をして、生活費に充てなければいけません。

保険金や解約返戻金等が不正受給になる可能性が高い

生活保護受給者が生命保険等を解約しなければいけない理由の3つ目は保険金や解約返戻金等が不正受給になる可能性が非常に高いからです。

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生活保護受給中に生命保険等の保険金又は解約返戻金等の支払いがあった場合、全額福祉事務所に返還しなければいけません。

なぜなら、保険金を医療費にあてるべきところ、全て生活保護費の医療扶助から支給してもらっているからです。

しかし、生活保護受給者の多くは、「保険金は私のお金だ!」と主張し、返還に応じません。

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これらのトラブル等を避けるため、揉めて余計な手間ヒマが掛かる前に、福祉事務所では、生活保護受給開始当初には生命保険等を解約させています。

生命保険は調査でバレる

生活保護を申請・受給すると、生命保険等を解約しなければいけなくなることから、何とか隠そうとする方がたまにいますが、残念ながら生命保険等に加入していることを隠し通すことはできません。

なぜなら、ケースワーカーは生活保護法第29条を根拠に生命保険調査を実施するからです。

保険調査
生活保護を申請すると保険調査が行われます。 調査内容について詳しく説明しています。

この生命保険等調査は保険会社に直接調査書が届き、生活保護受給者がどのような保険に加入しているのか?保険金が支払われていたらいついくら支給されたのか?等、保険に関するものであれば、あらゆる情報が調査されます。

同じような調査で、銀行口座調査がありますが、銀行口座調査の場合、銀行の数が多く、全て調査をすることができないため、調査から漏れる口座はありますが、生命保険会社の場合は42社しかないため、バレない生命保険等は、まずありません。

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生活保護でも生命保険等の保有が認められる条件

生活保護を受給していても生命保険等の保有が認められることがあります。

そのためにクリアしなければいけない条件は3つあります。

それは・・・

  • 解約返戻金が少額であること
  • 保険料が一般世帯が支払っている保険料と比べて同程度又は少額であること
  • 生活保護受給中に保険金又は解約返戻金の支払いがあった時点で必ず収入申告をして返還すること

の3つです。

ちなみに、この条件は1つだけ満たせば良いものではありません。

生活保護でも生命保険等の加入を認めてもらうには、3つ全ての条件を満たさなければいけません。

そして、上記3つを全て満たす場合、福祉事務所は生活保護受給者が加入している生命保険等を解約させなくても良いことになっています。

ただし、ここでポイントなのが「解約させなくても良い」と言う点です。

つまり、上記3つの条件をクリアしていた場合、福祉事務所は、そのまま生命保険等の加入を認めることもできますが、認めなくても良いんです。

そのため、実際の取扱いとしては、福祉事務所によって異なると思いますが半年程度で生活保護脱却が見込める世帯でない限り上記3つの条件を全て満たしていたとしても生命保険等については解約指導を受けることになると思います。

契約者の名義変更をしたら親族は扶養義務を求められる

ネット等では、生活保護受給者が生命保険等の解約指導を避ける方法として、契約者名義を変える方法が紹介されています。

確かに生命保険等の契約者の名義変更は容易にすることができますし、契約者が生活保護受給者ではない場合、福祉事務所は直接的に指導指示をすることができません。

しかし、生命保険等の名義変更をする場合は注意点が1つあります。

それは名義変更をした方に対しては、通常の扶養義務調査とは異なり、ケースワーカーが直接何度も保険料を支払う代わりに仕送り等の経済的援助をして欲しいと依頼してくるようになります。

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生活保護の申請をした場合、親族に対して扶養義務調査が行われます。 絶対的扶養義務者と呼ばれる直系血族及び2親等以内の親族 (祖父、祖母、両親、兄弟姉妹、子、孫等)に対しては必ず援助ができるか どうかの調査が行われます。 ※相対的扶養義務者と...
生活保護の扶養照会とは?断り方や支援する場合はどうすれば良い?
生活保護の申請をすると、各種調査が実施されます。 その調査の中に扶養義務調査と言うものがあり、生活保護の申請者の親族に対して扶養照会が送られます。 扶養照会を送られる親族からすると、ある日突然行政から「扶養できませんか?」と書類が来るわけで...

なぜなら、ケースワーカーは保険調査によって、いつから名義変更がされているのか?保険料はいくら払っているのか?保険の補償内容はどうなっているのか?等、全て把握することができるからです。

そのため、ケースワーカーは、生活保護受給開始直前に名義変更されていれば、解約させないために変更したことは容易に推測できますし、また、扶養義務者に対して、医療扶助や葬祭扶助があるため、生命保険等は掛けている意味がなく、保険料として支払っている分を仕送りに回して欲しいと説き伏せることも可能です。

実際、名義変更をしたものの、ケースワーカーの説得により、生活保護受給者に無断で生命保険等を解約した方も多数いるため、名義変更をする場合は、その方にしつこく連絡があることをキチンと説明しておく必要があります。

まとめ

生活保護を受給すると掛けている生命保険等はどうなるのか?また、解約せずに生命保険等を継続する方法はあるのか?等について、ご説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 生活保護を申請・受給する場合は生命保険等を解約しなければいけない
  • 生活保護では医療扶助と葬祭扶助があるため、生命保険等に加入する必要性がそもそもない
  • 生活保護受給者は多少の預貯金は認められているが、貯蓄型の生命保険等は認められていない
  • 生命保険等の保険金や解約返戻金がある場合は全額返還しなければならず、拒否した場合は不正受給となり、徴収金となる
  • 生活保護第29条を根拠とした保険調査により、生命保険等に関する情報は全て筒抜けのため隠し通すことはできない
  • 3つの条件をクリアすることができれば生活保護でも生命保険等を加入し続けることができることもできるが、実際は当該福祉事務所の判断により、解約指導されるケースが多い
  • 名義変更により生命保険等を継続しようとした場合、新たに契約者となった扶養義務者に対しては経済的援助が期待できるため、ケースワーカーから何度も直接連絡がいく可能性が高い

となります。

その他、生活保護の収入や資産に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/syunyu/

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