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生活保護の不正受給を見つけた!通報したらどうなる?

不正受給

生活保護制度は最後のセーフティネットと呼ばれており、収入や資産がなく生活に困ってしまった場合に、国から健康で文化的な最低限度の生活を送れるだけのお金を支援してもらえる制度です。

生活保護の最低生活費とはいくら?最低生活費の計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも、実際によく使う言葉...

病気や事故等により、いつ誰がどういう理由で生活できない状況になるのか、わからないため、生活保護制度は社会保障制度として必要不可欠な制度です。

しかし、この生活保護制度を悪用して、生活保護を不正に受給する方が少なからずいます。

生活保護の不正受給とは?不正受給の対策や対応はどうしてる?
生活保護は皆さんが払っている税金を原資としています。 そのため、生活保護の不正受給は悪いことだ!生活保護費を不正受給するなんて許せない!と言う声を市民の方から、よく頂きますが、そもそも不正受給とは何なのか?詳しくご存知でしょうか? 実は一般...

一生懸命生活している人からすると、生活保護制度を悪用して生活をしている不正受給者は絶対に許せませんよね。

では、もしも不正受給をしている生活保護受給者を見つけたらどうした場合、どこに通報したら良いのでしょうか?そして、通報したらどのような処分が下されるのでしょうか?気になるところだと思います。

そこで、このページでは、不正受給者を見つけた場合の対処法と通報したらどうなるのか?について詳しくご説明します。

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生活保護の不正受給とは

生活保護の不正受給とは、本当は何かしらの収入があったり、資産を持っているのにも関わらずケースワーカーに申告しないで生活保護を受給することです。

ケースワーカーとは?仕事内容は?
生活保護受給者には、必ずケースワーカー(CW)と言う担当の人がつきますが、このケースワーカーとは、そもそも何者なのか?どういう仕事をするのか?よくわからないと思います。 そこで、このページでは ケースワーカーはどうい人なのか? 仕事内容は?...

働けるのに働かない、生活保護費でパチンコ等のギャンブルをするなどは不正受給と思われがちですが、実は不正受給に該当しません。

詳しい理由は後述しますが、世間の一般常識と照らし合わせると「それは生活保護の不正受給だろう!」と思われるものでも、制度上、実は不正受給ではないこともあるので、その点だけはご注意ください。

「これが不正受給じゃないなんて、そんなのおかしい!」と思う方は市役所に言っても意味がありません。

生活保護制度は国の制度なので、制度を変えたい方は、国の方に陳情・要望・請願を出しましょう。

不正受給の通報は市役所・福祉事務所にする


生活保護の不正受給を見つけた場合、どこに連絡をすれば良いのか?

もしも不正受給者を見つけた場合は、市役所又は福祉事務所に通報しましょう。

市に住んでいる場合は、市役所=福祉事務所のため、市役所の生活保護担当課に通報すれば大丈夫です。

町村に住んでいる場合は、町村役場ではなく、お住まいの地域を担当する福祉事務所に通報する必要があります。

福祉事務所の連絡先がわからない場合は、町村役場の生活保護担当課に聞けば連絡先を教えてもらえますので、兎にも角にも生活保護の不正受給を見つけた場合は、役所に通報すれば良いと思って頂いて大丈夫です。

通報する際の注意点として、通報先は、通報者の住んでいる役所ではなく、不正受給の疑いのある生活保護受給者の住んでいる役所に通報する必要があります。

例えば通報者がA市、不正受給者がB市に住んでいる場合、B市に通報する必要があります。

そして、不正受給者の通報をする際は不正受給者の氏名等、個人を特定できる情報、及び不正受給の詳細情報、この2点は必ず伝えてください。

不正受給者の氏名や住所等がわからなければ、どなたが不正受給をしているのか特定することができず、行政も対処しようがないため、必ず誰か特定できる情報を伝えましょう。

同様に、どのような不正受給をしているのかわからなければ、調査しようがないため、不正受給の具体的な内容についても必ず伝えましょう。

実は生活保護受給者ではない可能性もある

通報する際のもう一つの注意点として、市役所に通報したは良いけれど、生活保護の不正受給者だと思っていた相手方が実はそもそも生活保護受給者ではない場合があります。

生活保護を受給中かどうかは個人情報のため、市役所に問い合わせても絶対に教えてくれません。

本人自らが「生活保護を受給している」と言わない限り、生活保護受給者であることを周りが知ることは、まずありませんし、仮に本人が言っていたとしても嘘や冗談の場合もあります。

そのため、通報する場合は熱くならず、実は生活保護受給者ではない可能性もあると思って通報しましょう。

逆に言えば、生活保護受給者かどうかを知る術はなく、間違っていても全然問題はないため、気負いせずに通報しましょう。

不正受給が発覚したら徴収金として処理される

生活保護の不正受給が発覚した場合、どのような処分を受けるのか?と言いますと、不正受給した分の金額を徴収金として福祉事務所に返納しなければいけません。

生活保護法第63条返還金と第78条徴収金の違いとは?
福祉事務所は本来支給する金額よりも多くの生活保護費を支給してしまった場合に、 生活保護法第63条返還金又は生活保護法第78条徴収金を根拠に 生活保護者から返還又は徴収することができます。 返還金も徴収金も生活保護受給者から生活保護費を返しも...

例えば30万円のタンス貯金があるのに、報告せずに生活保護を不正に受給した場合は、その30万円は満額徴収金として返納しなければいけません。

仮に本人が返納を拒否した場合は、自己負担金が30万円に到達するまでの間、生活保護費の支給をストップします。

Q 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの?
Q  「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの? A  どれも月々の生活保護費の支給はありませんが全く違います。 毎月1日の生活保護費の支給がないところは共通していますが 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」で...

また、不正受給の内容が生活保護受給者による積極的な作為または不作為によって発生したと判断された場合、徴収額に4割を加算した金額が徴収されることもあります。

先ほどの例だと、返納しなければいけない徴収金は30万円ではなく、4割(12万円)加算された42万円返納しなければいけません。

さらに、不正受給の内容が非常に悪質だと判断された場合は、起訴され、生活保護法違反として3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

場合によっては、詐欺罪が成立し、詐欺罪が適用された場合の罰則は、10年以下の懲役に処せられる可能性があります。

不正受給でも生活保護は廃止にならない

不正受給が発覚した場合、生活保護はどうなるのか?と疑問に思う方が多いと思いますが、不正受給の罰則は徴収金のみで、原則的には廃止にならず、生活保護を継続して受給することが可能です。

例外的に、生活保護法違反または詐欺罪が成立して懲役刑となった場合は、刑務所に入ることになるため、生活保護は職権廃止となります。

生活保護受給者が逮捕された場合の取扱いは?
生活保護受給者が何かしらの犯罪を犯すこともあります。 では、生活保護受給者が逮捕された場合、 生活保護は継続される?継続できる? 釈放された後の生活保護はどうなるの? 等、気になりますよね? このページでは、生活保護受給者が逮捕された場合、...

逮捕によって生活保護が廃止になった場合でも、あくまで逮捕・勾留されている間は食事が出る(最低生活は保障されている)ため廃止になるだけなので、不正受給による逮捕であっても、出所後、申請すれば、すぐに生活保護を受給することが可能です。

「不正受給をしたのに、ペナルティなく生活保護を受給・継続できるのはおかしい!」と思う方もいると思いますが、現在の制度上、生活保護の受給条件に不正受給の経歴の有無はありません。

生活保護の条件はたった1つ!
生活保護は最後のセーフティネットと呼ばれており、 生活に困窮された人のための、最後の救済措置です。 生活保護とは 資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、 困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を...

そのため、生活保護を不正に受給したからと言って、生活保護が受けられない、生活保護を受けにくいと言ったことは絶対にありません。

通報者に報告・連絡はない

「市役所に不正受給者の情報を通報したのに、その後の対応等の経過報告・連絡が市役所からない!」と憤る方が、ごくたまにいらっしゃいますが、市役所から通報者に経過報告・連絡することは絶対にありません。

なぜなら、生活保護を受給しているかどうかは個人情報だからです。

個人情報のため、扶養義務調査を除いて本人以外に生活保護を受給している、受給していないをケースワーカーが言うことは絶対にありません。

生活保護の条件に家族・身内は関係ある?扶養義務とは?
生活が困窮し、生活保護の申請・受給をしようと考えている方は、家族や身内も生活保護の条件に関係があるのか?調査の対象になるのか?気になると思います。 また、生活保護申請者の家族・身内の方は、ある日突然、扶養義務調査が来ます。 この扶養義務調査...
扶養義務調査
生活保護を申請すると親族等に対して扶養義務調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

「生活保護を受給していない」と言うこともお答えすることができないため、通報した際にケースワーカーから「その方が、もしも生活保護受給者であれば調査を行い、不正受給が発覚した場合は適切に対処いたします。」と言ったどっちつかずの不明瞭な回答をされると思います。

「せっかく通報したのに、なんて態度だ!」と思うかもしれませんが、ケースワーカーが生活保護を受給している、していないを第三者に伝えてしまったら、そのケースワーカーは個人情報を漏洩したとして、懲戒処分されてしまうため、通報者に対して経過報告・連絡はできません。

そこはご了承ください。

不正受給に該当しないもの

繰り返しになりますが、不正受給とは何らかの収入や資産があるのにケースワーカーに申告せずに生活保護を受給することです。

生活保護の不正受給とは?不正受給の対策や対応はどうしてる?
生活保護は皆さんが払っている税金を原資としています。 そのため、生活保護の不正受給は悪いことだ!生活保護費を不正受給するなんて許せない!と言う声を市民の方から、よく頂きますが、そもそも不正受給とは何なのか?詳しくご存知でしょうか? 実は一般...

それ以外に関しては、不正受給とはなりません。

そのため、一般的・常識的に考えて「それは生活保護の不正受給だろう!」と思われることであっても、実は不正受給ではないものが多数あります。

実際、一般市民の方から受ける不正受給の通報は、生活保護法上は不正受給に該当しないものが多いので、不正受給と勘違いされやすいものを5つご紹介します。

なお、どうしても「これが生活保護の不正受給じゃないなんておかしい!」と思う方、いらっしゃると思います。

しかし、市役所に言っても意味がありません。

生活保護は国の制度のため、国に対して「おかしい!」と声をあげましょう。

生活保護費でパチンコ等のギャンブルをする

「生活保護受給者がパチンコ店にいた!生活保護をもらっているのに、パチンコ等のギャンブルをするのはおかしい!」と、よく市民の方から問い合わせがありますが、実は生活保護受給者はパチンコ等のギャンブルをすることが認められています。

生活保護受給者はパチンコ等をしても良いの?
Q 生活保護受給者はパチンコ等をしても良いの? A 何も罰則はありません。生活保護受給者はパチンコをすることが認められています。 日本国憲法第25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 と定められています...
生活保護がパチンコしてたら通報・密告するべき?どう対応される?
「生活保護費は私たちが払った税金から出ているのに、そのお金でパチンコやギャンブルをするなんて許せない!すぐにやめさせるように指導してほしい!」と言うお声をよく聞きます。 しかし、実際に生活保護受給者がパチンコやギャンブルをしている現場に遭遇...

日本国憲法第25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
と定められています。

そして、生活保護法は、この憲法第25条に基づいて作られています。

この「健康で文化的な最低限度の生活」と言うキーワードが非常に重要で、「文化的」には娯楽も含まれてることから、映画やゲーム、漫画等はもちろん、パチンコ、競馬、競艇等のギャンブルに生活保護費をつぎ込んでも特に問題はありません。

生活保護でゲーム機を買っても良い?ゲームを売ったら申告が必要?
生活保護の受給を開始すると様々な制限や義務が発生します。 では、果たしてゲーム機を所有・購入したり、ゲームをプレイすること等は生活保護の制限に引っかるのでしょうか?気になるところだと思います。 そこで、このページでは ・生活保護受給者はゲー...

市民感情としては「パチンコ等のギャンブルに使うなんて許せない!!」と思いますが、生活保護費をパチンコ等に使ってはいけないなんて決まりはないので、不正受給になりえません。

生活保護受給者がしてはいけないことは?罰則などはある?
生活保護の受給を開始すると、様々な制限や義務が発生します。 例えば ・所有してはいけないものがある ・収入申告書を提出しなければいけない ・ケースワーカーによる訪問調査数ヶ月に1回ある などなど、多数あります。 一度にすべてを説明することは...

生活保護を受給しながら仕事をする

「働いているのに生活保護を受けている!不正受給じゃないのか!」との通報がたまにありますが、働きながら生活保護を受給することは不正受給ではありません。

生活保護は働きながらでも受給できるの?仕事で得た収入の取り扱いは?
「生活保護を受けながら仕事はできない!」 「生活保護受給中は働いたら駄目!」 「働きだしたら生活保護がすぐに廃止させられる!」 と言ったデマを時々信じている方がいらっしゃいますが、それらはハッキリ言って嘘です。 生活保護を受けながら仕事はで...
生活保護を受けながらいくらまで働ける?稼げる収入の目安はいくら?
仕事をしていると生活保護を受給することができない、とよく勘違いされていますが、生活保護を受けながら仕事をすることはできます。 しかし、そこで問題になるのが、いくらまでなら生活保護を受給しながら働くことができるのか?と言う点だと思います。 そ...

むしろ、働いて収入を得て、その収入で足りない部分を生活保護費で補う形こそ、生活保護受給者のあるべき姿です。

生活保護の受給が開始されると、自動的に決まった金額が支給されるわけではありません。

世帯ごとに最低生活費が算出され、その最低生活費に足りない部分が毎月の生活保護費として支給されます。

生活保護の最低生活費とはいくら?最低生活費の計算方法は?
よく生活保護制度の中で、「最低生活費」と言う単語を聞くと思います。 それもそのはず、生活保護の条件が「世帯の収入が最低生活費以下であること」なので、最低生活費が非常に重要な指標となります。 しかし、ケースワークの現場でも、実際によく使う言葉...
生活保護の最低生活費は一人暮らしだといくらになる?
生活保護を申請して、受給が開始されると、最低生活費に足りない分のお金が毎月生活保護費として支給されます。 では、その生活保護費は一人暮らしだと毎月いくらもらえるのでしょうか?気になるところだと思います。 そこで、このページでは、生活保護の最...

仮に働いて得た収入があれば、収入認定を行い、給料分を差し引いた金額が生活保護費として支給されます。

生活保護における給料収入の取り扱いは?収入申告しないとどうなる?
生活保護受給中に給与収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。
ボーナス(賞与)も収入申告しないといけないの?
Q  ボーナス(賞与)も収入申告しないといけないの? A  ボーナス(賞与)も収入申告する必要があります。 月々の給与収入は申告していても ボーナス(賞与)は申告していないケースがあります。 なぜなら、ボーナス(賞与)は臨時的な収入であるか...

年金等の給料以外の収入がある場合も控除はありませんが、基本的に同様の取り扱いになります。

生活保護は年金があっても受けられる?年金収入の取り扱いは?
生活保護受給中に年金収入を得た場合の取扱いについて詳しく説明しています。

もちろん、収入があるのに黙っていた場合や少なく申告していた場合は不正受給となりますが、キチンと収入申告をしているのであれば、働きながら生活保護を受給することは不正受給ではありません。

働けるのに働かない

「健康なのにわざと働かないで生活保護を受給している!」「うつ病と偽って生活保護を受給している!」等の通報がありますが、本当は働けるのに働かないで生活保護を受給しても不正受給にはなりません。

生活保護は楽すぎる?まじめに働くよりも生活保護の方が良い?
生活保護の世間一般的なイメージは、「働かずに楽してお金をもらっている」と言うイメージが強いのではないでしょうか? ケースワーカーをしていると市民の方から「生活保護受給者は楽すぎではないか?もっと厳しく指導しろ!」と厳しい意見を言われることも...

それがたとえ健康であろうと、嘘の病気であろうと、一切関係ありません。

なぜなら、生活保護の条件は「世帯の収入が最低生活費以下であること」だけだからです。

一昔前までは、働ける健康状態であれば、生活保護を受給することができなかったんですが、バブル崩壊後、不景気となり、働けないのは個人の責任ではなく、社会にも責任があると言う考えから、病気等がなく、いたって健康であっても世帯の収入が最低生活費以下であれば、生活保護を受給できるようになりました。

そのため、働けるのに働かなくても生活保護の不正受給にはなりません。

「健康で働ける以上は、ケースワーカーが働くように指導するべきで、指導に従わなければ不正受給になるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、日本国憲法第22条で、全ての国民は職業選択の自由が認められています。

もちろん、生活保護受給者にも職業選択の自由があることから、ケースワーカーが働くことを強制することはできません。

Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの?
Q 健康でわざと働かない生活保護受給者を役所はなぜ働かせないの? A 生活保護受給者は職業選択の自由で守られているからです。 「病気や障害等があって生活保護を受給しているのはわかる。しかし、特段病気や障害もなく、至って健康な人が、なぜ生活保...

家・土地等の不動産を所有している

「今住んでいる家は生活保護受給者が所有している家だぞ!」「土地を持っているのに生活保護を受給しているのはおかしい!」等の通報がありますが、家・土地等の不動産を所有したまま生活保護を受給することは、不正受給ではありません。

家・土地等の不動産を所有していたら生活保護は受けられませんか?
Q  家・土地等の不動産を所有していたら生活保護は受けられませんか? A  家・土地等の不動産を所有していても生活保護は受けられます。 家・土地等の不動産をを所有していたら生活保護は受給できないと勘違いされている方が多いですが 家・土地等の...

はじめに、マイホームに関しては、生活保護受給者が住み続ける限り、そのまま所有・利用して問題はなく、マイホームを売却する必要もありません。

なぜならマイホームを所有している場合、住宅扶助を支給しなくて良くなるからです。

生活保護の住宅扶助とは?住宅扶助の基準額や上限額についてわかりやすく解説
住宅扶助とは生活保護制度で定められている8種類の扶助の一つです。住宅扶助では毎月の家賃や住宅の修繕にかかる費用、敷金等の引っ越し費用の他、住宅に関するあらゆる費用が支給されます。このページでは、住宅扶助の基準額や上限金額についてについて、できるだけ簡単にわかりやすく解説します。

地域によって異なりますが、賃貸住宅に住んでいる場合、家賃として大体3万円~6万円の住宅扶助を毎月支給しています。

Q 家賃はいくら支給されるの
Q 生活保護受給中の家賃はいくら支給されるの A  地域によって上限金額が決まっており、その金額までなら家賃全額支給されます。 生活保護受給者が借家に住んでいる場合、家賃についても住宅扶助費として 生活保護費から支給されます。 支給方法 支...

マイホームがあれば、その住宅扶助分、生活保護費の支給金額を減額することができるので、マイホームを所有することは生活保護を受給するうえで、特に問題はありません。

ただし、住宅ローンが残っている場合は、該当する家・土地を売却しない限り生活保護を受給することはできませんので、ご注意ください。

次に、自らが居住していない家・土地等の不動産に関しても所有したまま、生活保護を受給することが可能です。

なぜなら、家・土地等の不動産は価格が高く、売却するのに時間が掛かるからです。

仮に100億円もの価値がある不動産を持っていたとしても、売却できなければ現金化できず、現金がなければ生活をすることができません。

そのため、資産をもっていても現金を持っていない方が生活保護を受給する場合、家・土地に関しては不動産屋を通して売却手続きを行い、売却できた場合に、それまでの期間に受給した生活保護費を返還してもらうことになります。

生活保護法第63条返還金と第78条徴収金の違いとは?
福祉事務所は本来支給する金額よりも多くの生活保護費を支給してしまった場合に、 生活保護法第63条返還金又は生活保護法第78条徴収金を根拠に 生活保護者から返還又は徴収することができます。 返還金も徴収金も生活保護受給者から生活保護費を返しも...

生活保護を受給中の方が遺産相続によって、急遽、家・土地等の不動産を相続した場合も同様の手続きになります。

生活保護受給者が親名義の家に住むことはできる?相続した場合の取扱いは?
生活保護受給者の中には親名義の不動産に住んでいる方がいます。 この場合、生活保護受給者は親名義の不動産に住み続けることはできるのか?引っ越さなければいけないのか? また、不動産の名義は親のままでも実際は親が亡くなっている、もしくは亡くなって...

飲酒・喫煙をする

「生活保護を受給しているのにタバコを吸っている!」「生活保護費で飲みまわっている!」等の通報がありますが、生活保護受給者が飲酒・喫煙をすることは不正受給ではありません。

Q 生活保護費でタバコを購入しても良い?
Q 生活保護費でタバコを購入しても良い? A 生活保護費でタバコを購入しても問題ありません。 生活保護受給中はタバコを買ったり、吸ったりしてはいけないのでは? と思っている人がいますが、生活保護受給者が生活保護費でタバコを 買っても吸っても...
Q 生活保護費でお酒を購入しても良い?
Q 生活保護費でお酒を購入しても良い? A 生活保護費でお酒を購入しても問題ありません。 生活保護受給中はお酒を買ったり、飲んだりしてはいけないのでは? と思っている人がいますが、生活保護受給者が生活保護費でお酒を 買っても飲んでも何も問題...

生活保護受給者がパチンコ等のギャンブルをして良いのと同じ理由で、生活保護受給者は憲法で「健康で文化的な最低限度の生活」を送ることが認められています。

タバコを吸うことも、お酒を飲むことも娯楽であり、文化的な最低限度の生活に該当するため、生活保護を受給していることを理由に飲酒・喫煙を禁止することはできません。

仮に生活保護受給者がアルコール依存症になっていて、近所の人や病院に迷惑をかけるようになったとしても、タバコにばかりお金を掛けすぎて生活できないような状況になったとしても、ケースワーカーが飲酒・喫煙を止めることはできません。

なぜなら、生活保護費の使い道は生活保護受給者の自由だからです。

Q 担当ケースワーカーの指導指示に従わない場合どうなりますか?
Q  担当ケースワーカーの指導指示に従わない場合どうなりますか? A  最悪の場合、生活保護の停止又は廃止になります。 生活保護法第二十七条を根拠に担当ケースワーカーは生活保護受給者に対して、 生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指...
指導指示に従わなくても生活保護を受け続けることができる。
生活保護法第二十七条を根拠に担当ケースワーカーは生活保護受給者に対して、 生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができます。 そして生活保護法第二十八条及び第六十二条を根拠に指導指示に従わない場合、 生活保護の停...

もちろん、ケースワーカーも生活指導を行いますが、強制することはできません。

強制した場合、権利侵害となるため、逆にケースワーカー側が罰せられてしまいます。

このように、生活保護受給者の権利は最大限守られているため、一般常識的に不正受給と思われることでも、不正受給ではないことが多々あります。

生活保護は贅沢できる?贅沢をするのは図々しいことなのか?
「生活保護は私達が払った血税から支払われているのに、その生活保護費を使って贅沢するとはどういうことだ!?」と言う声はケースワーカーとして働いていると、市民の方から、よく頂きます。 では、果たして、生活保護受給者は贅沢をしてはいけないのでしょ...

まとめ

生活保護の不正受給を見つけた場合、どこに通報したら良いのか?通報したらどうなるのか?について詳しく説明させていただきました。

上記をまとめると

  • 生活保護の不正受給とは収入や資産があるのに申告をしないで生活保護を受給すること
  • 生活保護の不正受給を見つけた場合は、生活保護受給者が住んでいる所の市役所に連絡し、氏名等の個人が特定できる情報と不正受給の詳細情報について伝える
  • 不正受給が発覚した場合は、徴収金として不正受給した金額、もしくはそれ以上の金額を福祉事務所に返還しなければならない
  • 不正受給が発覚しても生活保護は廃止にならない
  • 不正受給を通報しても、個人情報のため、経過報告等の連絡はない
  • パチンコ等のギャンブルをしている、働けるのに働かない等、一般常識的には不正受給と思われる件でも生活保護制度上は不正受給ではない件が多数ある。

となります。

その他、生活保護の不正受給に関する様々な疑問については、下記にまとめてありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

https://seikathuhogomanabou.com/category/fuseijukyu/

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