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【2025年最新版】外国人は生活保護を受けられる?受給条件と支給の仕組みを徹底解説

Q&A

「外国人でも日本で生活保護を受けられるの?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。

実際、日本には長年生活している外国人や、日本人と結婚して暮らしている方も多く、生活が困難になった際にどんな支援を受けられるのか気になるところです。

結論から言うと、一定の条件を満たす外国人は生活保護の対象になる場合があります。

この記事では、2025年時点の制度に基づいて、外国人が生活保護を受けるための条件・支給内容・申請手続き・注意点を詳しく解説します。

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生活保護とは?外国人にも適用されるの?

生活保護は「日本国憲法第25条(生存権)」を根拠に、最低限の生活を保障し、自立を支援する制度です。

法律上は「日本国民」を対象としていますが、永住者や定住者など一定の在留資格を持つ外国人も、人道的な観点から保護の対象とされています。

これは1954年(昭和29年)の厚生省通知に基づく運用であり、現在も全国の自治体では、外国人に対して生活保護法に準じた取り扱いを行っています。

つまり、法律上の「生活保護法の適用対象外」であっても、実際には行政の判断で生活保護と同等の支給を受けられるという仕組みです。

外国人が生活保護を受けるための条件

外国人が生活保護を受けるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。

① 在留資格が安定していること

生活保護を受けられる外国人は、原則として日本での長期滞在が認められている在留資格を持つ方です。

具体的には次のような在留資格が対象になります。

  • 永住者(永住権を持っている人)
  • 永住者の配偶者等
  • 日本人の配偶者等
  • 定住者
  • 特別永住者(在日韓国・朝鮮・台湾籍の方など)

これらに該当する方は、日本人とほぼ同様の扱いで生活保護を申請できます。
逆に、短期滞在・技能実習生・留学生などは原則として対象外です。

② 日本に生活の本拠があること

生活保護は日本国内で生活の基盤があること(住所や居所があること)が前提です。
観光や短期ビザで滞在している場合、申請の対象にはなりません。

③ 他の制度・家族の扶養によっても生活できないこと

生活保護は「最後のセーフティネット」です。

外国人であっても、まずは他の制度を優先的に利用します。

  • 年金や遺族年金などの社会保障制度
  • 雇用保険・傷病手当金などの給付
  • 家族や親族からの援助(扶養義務)

これらをすべて利用してもなお生活が維持できない場合に、初めて生活保護が適用されます。
この点は日本人の場合と同じです。

外国人への生活保護の支給内容

外国人に支給される生活保護の内容は、日本人と全く同じ基準で行われます。
以下の7つの扶助項目があり、世帯の状況に応じて支給されます。

  1. 生活扶助: 食費・光熱費など日常生活に必要な費用
  2. 住宅扶助: 家賃・地代などの住居費
  3. 医療扶助: 病院の診察・治療費を全額支給
  4. 介護扶助: 介護サービスの自己負担分を支給
  5. 教育扶助: 義務教育に必要な学用品・給食費
  6. 出産扶助: 出産時の費用支援
  7. 葬祭扶助: 葬儀にかかる最低限の費用

支給金額は地域(級地)、世帯人数、年齢構成などによって異なります。
目安については、以下の記事で詳しく解説しています。

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外国人が生活保護を申請する手続き

外国人の生活保護申請も、日本人と同様にお住まいの地域を管轄する福祉事務所で行います。

申請に必要な主な書類

  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • パスポート(身分確認のため)
  • 印鑑
  • 収入・資産を確認できる書類(通帳、給与明細など)

福祉事務所ではまず事前相談が行われ、他の支援制度で生活できるか確認されます。

そのうえで生活保護が必要と判断されれば、正式な申請に進みます。

申請方法の詳細はこちらの記事でも解説しています。

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外国人が生活保護を受ける際の注意点

1. 在留資格の更新を忘れない

生活保護を受けている間も、在留資格の有効期限を過ぎると滞在資格を失うおそれがあります。
更新手続きは必ず期限内に行いましょう。

2. 収入や資産が増えたら報告が必要

アルバイトや仕送りなどで収入が発生した場合は、必ず福祉事務所に報告する義務があります。

報告を怠ると不正受給とみなされ、返還や処罰の対象になることがあります。

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3. 扶養義務の確認が行われる

外国人であっても、日本に家族がいる場合や本国に扶養できる親族がいる場合、
役所から「扶養照会」が行われることがあります。

この調査は生活保護の手続き上必要なもので、拒否することはできません。

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外国人への生活保護支給に関する誤解

インターネット上では、「外国人が日本人より優先的に生活保護を受けている」という誤解が見られますが、これは事実ではありません。

実際には、外国人の生活保護受給者は全体の約3%程度(厚生労働省統計・2025年度)であり、
その多くは日本で長年生活している特別永住者や永住者です。

支給の判断基準も日本人と同じであり、外国人だから優遇されるということは一切ありません。

まとめ:外国人も条件を満たせば生活保護の対象になる

  • 永住者・定住者・特別永住者などは生活保護の対象になる
  • 日本に生活の本拠があり、他の制度で生活できない場合に支給される
  • 支給内容は日本人と同じで、生活・住宅・医療などがカバーされる
  • 申請は福祉事務所で行い、在留資格の確認が必要

生活保護は、日本に住むすべての人が「人として最低限の生活」を守るための制度です。

外国人であっても、一定の条件を満たしていれば支援を受けることができます。

困ったときは一人で悩まず、まずはお住まいの福祉事務所へ相談してみましょう。

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