「生活保護受給者が亡くなった場合、葬儀費用はどうなるの?」「葬祭扶助でいくらもらえるの?」「手続きはどうすればいい?」大切な方を亡くされた悲しみの中で、こうした経済的な不安を抱える方は少なくありません。
生活保護には「葬祭扶助」という制度があり、一定の条件を満たせば葬儀費用を公費で負担してもらえます。
厚生労働省の統計によれば、年間約5万件の葬祭扶助が実施されており、経済的に困窮している方々の最後の尊厳を守る重要な役割を果たしています。
本記事では、葬祭扶助の基本的な仕組みから、支給金額の目安、申請手続きの流れ、対象となる費用の範囲、さらには申請時の注意点まで、実務経験に基づいた正確な情報を網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 葬祭扶助の定義と法的根拠
- 葬祭扶助が適用される3つの条件
- 支給される金額の目安と地域差
- 葬祭扶助で賄える費用の具体的な範囲
- 申請から支給までの詳しい手続きの流れ
- 申請時の必要書類と注意点
- 葬祭扶助を受けた場合の葬儀の実際

葬祭扶助とは?基本的な定義と法的根拠

葬祭扶助の法的定義
葬祭扶助は、生活保護法第18条に基づく扶助の一つです。同条では「葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる」と定められています。
具体的には、以下の事項が葬祭扶助の対象となります。
- 検案:死亡の確認
- 死体の運搬:死亡した場所から火葬場または埋葬場所までの運搬
- 火葬または埋葬:遺体の火葬または土葬
- 納骨その他葬祭のために必要なもの:骨壺、位牌、簡素な祭壇など
つまり、葬祭扶助とは経済的に困窮している方が亡くなった際、または遺族が経済的に困窮している場合に、必要最小限の葬儀費用を公費で負担する制度です。
葬祭扶助の目的
葬祭扶助制度には、以下のような目的があります。
1. 死者の尊厳の保持 経済的理由で適切な葬儀ができない事態を防ぎ、故人の尊厳を守ります。
2. 公衆衛生の確保 経済的理由で遺体が放置されることを防ぎ、公衆衛生を維持します。
3. 遺族の心理的負担の軽減 葬儀費用の心配なく、故人を見送ることができます。
生活保護の8種類の扶助における位置づけ
生活保護には以下の8種類の扶助があります。
葬祭扶助は、これら8つの扶助の中で唯一、受給者本人が利用できない扶助です。なぜなら、本人が亡くなった後に適用されるためです。

葬祭扶助が適用される3つの条件

葬祭扶助を受けるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
条件1:故人が生活保護受給者だった場合
対象 亡くなった方が生活保護を受給していた場合、その葬儀費用を葬祭扶助で賄うことができます。
遺族の経済状況 この場合、葬儀を執り行う遺族の経済状況は問われません。遺族に一定の収入や資産があっても、故人が生活保護受給者であれば葬祭扶助の対象となります。
具体例
- 生活保護を受給していた母親が亡くなり、安定した収入がある子どもが葬儀を執り行う場合
- 独居の生活保護受給者が亡くなり、遠縁の親族が葬儀を執り行う場合
条件2:遺族が生活保護受給者である場合
対象 故人は生活保護を受給していなかったが、葬儀を執り行う遺族が生活保護受給者である場合、葬祭扶助の対象となります。
故人の経済状況 この場合、故人の生前の経済状況は問われません。故人に財産があったとしても、遺族が生活保護受給者であれば葬祭扶助を受けられます。
具体例
- 年金生活をしていた父親が亡くなり、生活保護を受給している子どもが葬儀を執り行う場合
- 一定の資産を持っていた祖母が亡くなり、生活保護を受給している孫が葬儀を執り行う場合
注意点 故人に遺産(預貯金、不動産など)がある場合、その遺産を相続した後は生活保護の要件を満たさなくなる可能性があります。その場合、相続した遺産で葬儀費用を賄うことが求められます。

条件3:遺族がおらず福祉事務所が葬儀を執り行う場合
対象 身寄りのない生活保護受給者が亡くなり、親族等が葬儀を執り行わない(または執り行えない)場合、福祉事務所が葬儀の手配を行い、その費用が葬祭扶助として支給されます。
具体例
- 独居の生活保護受給者が亡くなり、親族が全員相続放棄した場合
- 親族がいるが、高齢や病気などで葬儀を執り行えない場合
- 親族との関係が疎遠で、葬儀を執り行う意思がない場合
手続き この場合、福祉事務所が葬儀社と直接契約し、必要最小限の葬儀(直葬)を手配します。
葬祭扶助の支給金額と地域差

葬祭扶助でいくら支給されるのか、具体的な金額を解説します。
基準額の設定方法
葬祭扶助の基準額は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、各自治体が設定します。基準額は以下の式で計算されます。
葬祭扶助基準額 = 大人の基準額 + 実費加算
地域別の基準額(2025年現在)
葬祭扶助の基準額は、生活扶助と同様に「級地」によって異なります。
1級地(大都市部)
- 基準額:約20万6,000円
- 実費加算:火葬料等の実費
2級地(地方都市)
- 基準額:約19万2,000円
- 実費加算:火葬料等の実費
3級地(町村部)
- 基準額:約18万円
- 実費加算:火葬料等の実費
主な都市の例
- 東京都区部(1級地-1):約20万6,000円
- 大阪市(1級地-1):約20万6,000円
- 名古屋市(1級地-2):約20万1,000円
- 札幌市(1級地-2):約20万1,000円
- 福岡市(2級地-1):約19万2,000円
- 金沢市(2級地-2):約18万8,000円
子どもの場合の基準額
12歳未満の子どもが亡くなった場合、基準額は大人よりも低く設定されています。
子どもの基準額
- 1級地:約16万5,000円
- 2級地:約15万4,000円
- 3級地:約14万4,000円
実費加算の内容
基準額に加えて、以下の実費が別途支給されます。
火葬料
- 公営火葬場の使用料:実費(通常無料~5万円程度)
- 民営火葬場しかない地域:実費
その他の実費
- 死亡診断書(死体検案書)の作成料:実費(通常5,000円~1万円)
- 遺体の運搬費:合理的な範囲内の実費
支給される総額の目安
実際に支給される総額は、基準額+実費の合計となります。
一般的なケース(東京都区部、大人の場合)
- 基準額:20万6,000円
- 火葬料:無料~5,000円(区営火葬場)
- 死亡診断書:5,000円~1万円
- 合計:約21万円~21万7,000円
地方のケース(3級地、大人の場合)
- 基準額:18万円
- 火葬料:無料~2万円(公営火葬場)
- 死亡診断書:5,000円
- 合計:約18万5,000円~20万5,000円
基準額を超える費用の扱い
葬祭扶助の基準額を超える場合は、葬祭扶助の対象とならず、原則として全額自己負担となります。
例外的に認められるケース
- 離島等で火葬場までの遺体運搬費が高額になる場合
- 特別な事情で基準額内での葬儀が困難な場合
ただし、このような例外は福祉事務所の判断により認められるため、事前に相談が必要です。
葬祭扶助で賄える費用の具体的な範囲

葬祭扶助で支給される金額で、実際にどのような葬儀ができるのでしょうか。
葬祭扶助で認められる費用
葬祭扶助では、以下の費用が認められます。
1. 遺体の搬送費
- 死亡場所(病院、自宅など)から火葬場または安置所までの運搬費
- 合理的な範囲内の実費
2. 火葬費用
- 火葬場の使用料
- 公営火葬場が優先されるが、民営でも認められる場合あり
3. 棺代
- 簡素な木製の棺
- 豪華な装飾のないもの
4. 骨壺代
- 遺骨を納める骨壺
- 標準的なサイズのもの
5. 死亡診断書(死体検案書)作成料
- 医師が作成する死亡を証明する書類の費用
6. 骨上げ
- 火葬後の遺骨を骨壺に納める作業
7. 簡素な祭壇
- 最低限の祭壇(白木の位牌、花立て、香炉など)
8. 遺影写真
- 故人の写真(簡素なもの)
9. 手続き代行費用
- 葬儀社による火葬の手配、手続き代行費
葬祭扶助で認められない費用
以下の費用は、葬祭扶助の対象外です。
通夜・告別式関連
- 通夜・告別式の会場費
- 祭壇の花飾り
- 供花、供物
- 遺影の額縁(豪華なもの)
- 返礼品
飲食関連
- 通夜振る舞い
- 精進落とし
- 会葬者への食事
僧侶等への謝礼
- 読経料
- 戒名料
- お布施
埋葬関連
- 墓地の購入費
- 墓石の建立費
- 納骨堂の使用料(永代供養を除く一時的な保管は可能な場合も)
その他
- 遺族の喪服代
- 会葬礼状の印刷費(大量の場合)
- ハイヤー、タクシー代
実際にできる葬儀の形式
葬祭扶助の範囲内でできる葬儀は、いわゆる「直葬(ちょくそう)」または「火葬式」と呼ばれる形式です。
直葬の流れ
- 遺体の搬送(病院等から安置所へ)
- 安置(24時間以上)※法律で火葬まで24時間空ける必要がある
- 納棺
- 火葬場へ搬送
- 火葬
- 骨上げ
- 遺骨の引き渡し
特徴
- 通夜・告別式を行わない
- 僧侶の読経なし(希望すれば自費で依頼可能)
- 参列者は遺族のみ(数名程度)
- 所要時間:1~2日
直葬の利点
- 費用を最小限に抑えられる
- 準備や手続きがシンプル
- 遺族の身体的・精神的負担が少ない
直葬の注意点
- 親族や知人が最後の別れをする機会が限られる
- 宗教的な儀式を行わないため、抵抗感を持つ方もいる
- 後日、お別れの会を開きたい場合は別途費用が必要
葬祭扶助の申請手続きの流れ

葬祭扶助を受けるための具体的な手続きを説明します。
申請のタイミング
原則:葬儀を行う前 葬祭扶助は、原則として葬儀を行う前に申請する必要があります。葬儀後の申請は認められないケースが多いため、注意が必要です。
緊急時の対応 亡くなってすぐに申請できない場合(夜間、休日など)は、翌営業日に速やかに連絡すれば問題ありません。
申請の手順(ステップバイステップ)
ステップ1:福祉事務所への連絡 故人または喪主が生活保護を受給している自治体の福祉事務所に連絡します。
- 電話または窓口で「葬祭扶助を申請したい」と伝える
- 担当ケースワーカーにつないでもらう
ステップ2:申請書の提出 福祉事務所から「葬祭扶助申請書」を受け取り、必要事項を記入して提出します。
申請書に記載する主な内容
- 申請者の氏名、住所、生活保護受給者番号(該当する場合)
- 故人の氏名、住所、死亡日時
- 申請者と故人の続柄
- 葬儀を執り行う葬儀社の情報
ステップ3:見積書の提出 葬儀社から取得した見積書を福祉事務所に提出します。
見積書のポイント
- 葬祭扶助の基準額内に収まる内容
- 費用の内訳が明確に記載されている
- 葬儀社の社名、住所、電話番号、押印がある
ステップ4:福祉事務所による審査 福祉事務所が、申請内容と見積書を審査します。
審査内容
- 申請者または故人が葬祭扶助の要件を満たしているか
- 見積書の内容が基準額内か
- 費用の内訳が適切か
ステップ5:承認通知 審査が通れば、福祉事務所から承認の連絡があります。
ステップ6:葬儀の実施 承認後、葬儀を執り行います。
ステップ7:請求書の提出 葬儀実施後、葬儀社からの請求書を福祉事務所に提出します。
ステップ8:支払い 福祉事務所から葬儀社に直接支払いが行われます(代理受領方式)。
または、喪主が一旦立て替えて支払い、後日福祉事務所から喪主に支給される場合もあります(償還払い方式)。
申請に必要な書類
葬祭扶助の申請には、以下の書類が必要です。
必須書類
- 葬祭扶助申請書:福祉事務所で入手
- 死亡診断書(または死体検案書)のコピー:医師が発行
- 葬儀の見積書:葬儀社が発行
- 申請者の本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど
状況により必要な書類
5. 生活保護受給証明書:申請者または故人が生活保護受給者の場合
6. 戸籍謄本:申請者と故人の続柄を証明する必要がある場合
7. 相続放棄申述受理証明書:遺族が相続放棄している場合
葬儀後に提出する書類
8. 葬儀社からの請求書(領収書):葬儀実施後
9. 火葬許可証のコピー:火葬後
申請時の注意点
1. 事前申請が原則 繰り返しになりますが、葬儀前の申請が原則です。葬儀後の申請は認められない可能性が高いため、必ず事前に連絡しましょう。
2. 複数の葬儀社から見積もりを取る 福祉事務所によっては、複数の見積書の提出を求められる場合があります。可能であれば2~3社から見積もりを取りましょう。
3. 葬祭扶助対応の葬儀社を選ぶ すべての葬儀社が葬祭扶助に対応しているわけではありません。「葬祭扶助対応」または「生活保護葬」と明記している葬儀社を選ぶとスムーズです。
4. 基準額を超えないようにする 見積もりが基準額を超える場合は、葬祭扶助の対象外になるため、全額自己負担となります。基準額内に収まるプランを選びましょう。
5. 追加費用に注意 当初の見積もりにない費用を後から追加すると、葬祭扶助の対象から外れてしまい、全額自己負担となる可能性があります。見積もり内容をよく確認しましょう。
葬祭扶助と一般の葬儀の違い

葬祭扶助を利用した葬儀と、一般的な葬儀の違いを理解しておきましょう。
費用の比較
一般的な葬儀の費用相場
- 全国平均:約120万円~150万円(日本消費者協会調査)
- 内訳:葬儀一式費用約60万円、飲食接待費約30万円、寺院費用約30万円
葬祭扶助の葬儀の費用
- 約18万円~21万円(全額公費負担)
このように、葬祭扶助では一般的な葬儀の約6分の1~7分の1の費用で葬儀を行います。
葬儀の内容の比較
| 項目 | 一般的な葬儀 | 葬祭扶助の葬儀 |
|---|---|---|
| 通夜 | あり | なし |
| 告別式 | あり | なし |
| 僧侶の読経 | あり | なし |
| 会葬者 | 数十人~数百人 | 遺族のみ(数名程度) |
| 会場 | 葬儀場、寺院 | なし(火葬場のみ) |
| 祭壇 | 豪華な祭壇 | 簡素な祭壇または白木位牌のみ |
| 供花 | あり | なし |
| 食事 | 通夜振る舞い、精進落とし | なし |
| 返礼品 | あり | なし |
| 所要日数 | 2~3日 | 1~2日 |
葬祭扶助でも尊厳ある葬儀は可能
葬祭扶助の葬儀は簡素ではありますが、故人を尊厳を持って見送ることは十分に可能です。
直葬でもできること
- 納棺時に故人の好きだった花を手向ける(自費)
- 火葬前に最後のお別れの時間を持つ
- 遺族で故人を偲ぶ時間を持つ
- 後日、自宅で簡素な法要を行う(自費)
形式にこだわるよりも、心を込めて見送ることが大切です。
葬祭扶助を利用する際の心構え

葬祭扶助を利用することに、後ろめたさを感じる必要は全くありません。
葬祭扶助は正当な権利
葬祭扶助は、生活保護法で定められた正当な制度です。経済的に困窮している方が、故人を尊厳を持って見送るための大切な仕組みです。
「お金がないから申し訳ない」と感じる必要はありません。制度を利用することは、あなたの権利です。
故人への思いが最も大切
葬儀の形式や費用の多寡よりも、故人を思う気持ちが最も大切です。
簡素な葬儀であっても、心を込めて見送れば、それは立派な葬儀です。葬祭扶助を利用した多くの遺族が、「シンプルだからこそ、故人との最後の時間を大切にできた」と語っています。
事前の相談が重要
葬祭扶助の手続きは、事前の準備と相談が重要です。
- 生活保護を受給している方は、元気なうちに自分の葬儀について考え、ケースワーカーに相談しておく
- 生活保護受給者の親族がいる方は、万が一に備えて葬祭扶助について知識を持っておく
このような準備が、いざという時の慌てや不安を減らします。
葬祭扶助に関するよくある質問(Q&A)

Q1: 生活保護を受けていない遺族でも葬祭扶助は受けられますか?
A: はい、故人が生活保護受給者であれば、遺族が生活保護を受けていなくても葬祭扶助を受けられます。ただし、遺族に十分な収入や資産がある場合、福祉事務所の判断で認められないこともあります。事前に相談してください。
Q2: 葬儀後に申請しても認められますか?
A: 原則として、葬儀前の申請が必要です。葬儀後の申請は認められないケースが多いため、必ず事前に福祉事務所に連絡してください。やむを得ない事情がある場合は、その旨を説明して相談しましょう。
Q3: 葬祭扶助で永代供養はできますか?
A: 葬祭扶助の基準額内であれば、永代供養を選択することは可能です。最近は、葬祭扶助の範囲内で対応できる永代供養プランを提供する寺院や霊園も増えています。ただし、自治体によって判断が異なるため、事前に福祉事務所に確認してください。
Q4: 葬祭扶助を受けると、後で返還を求められますか?
A: 葬祭扶助は返還不要です。ただし、申請時に虚偽の申告をした場合や、故人に多額の遺産があったことが後で判明した場合は、返還を求められる可能性があります。正直に申告することが重要です。


Q5: 親族が複数いる場合、誰が申請すればいいですか?
A: 実際に葬儀を執り行う方(喪主)が申請します。親族間で話し合って決めてください。複数の親族が同時に申請することはできません。
Q6: 葬祭扶助と香典は併用できますか?
A: はい、併用できます。香典は葬祭扶助の対象外の費用(僧侶へのお布施、食事代など)に充てることができます。ただし、香典が多額になった場合、生活保護受給者はその旨をケースワーカーに報告する必要があります。
Q7: 火葬場が遠方の場合、遺体搬送費は全額支給されますか?
A: 合理的な範囲内の搬送費は実費で支給されます。ただし、不必要に遠方の火葬場を選んだ場合は、認められないこともあります。近隣の火葬場を優先的に選びましょう。
Q8: 葬祭扶助で家族葬はできますか?
A: 葬祭扶助は基本的に直葬(火葬式)を想定しています。通夜や告別式を伴う家族葬は基準額を越え、葬祭扶助の対象外となるため、全額自己負担となります。
Q9: 葬儀社を自分で選べますか?
A: はい、葬儀社は自由に選べます。ただし、葬祭扶助に対応している葬儀社を選ぶ必要があります。福祉事務所に相談すれば、対応可能な葬儀社を紹介してもらえます。
Q10: 戒名は付けてもらえますか?
A: 葬祭扶助では戒名料は対象外です。戒名を希望する場合は、自費で僧侶に依頼する必要があります。最近は、無料または低額で戒名を付けてくれる寺院もあるため、相談してみましょう。
まとめ:葬祭扶助は経済的困窮者の尊厳を守る大切な制度

本記事の重要なポイントをまとめます。
葬祭扶助の基本
- 生活保護法第18条に基づく制度
- 経済的に困窮している方の葬儀費用を公費で負担
- 年間約5万件が利用されている
対象となる条件(いずれか)
- 故人が生活保護受給者だった
- 遺族が生活保護受給者である
- 身寄りがなく福祉事務所が葬儀を執り行う
支給金額
- 約18万円~21万円(地域により異なる)
- 基準額+火葬料等の実費
- 子どもの場合は減額
対象となる費用
- 遺体搬送、火葬、棺、骨壺、死亡診断書など
- 通夜・告別式、僧侶への謝礼、飲食費などは対象外
- 実際には「直葬」という形式の葬儀
申請手続き
- 原則、葬儀前に福祉事務所に申請
- 必要書類:申請書、死亡診断書、見積書など
- 葬儀社への支払いは代理受領または償還払い
重要な注意点
- 葬儀後の申請は認められないことが多い
- 基準額を超える場合は葬祭扶助の対象外となり、全額自己負担
- 葬祭扶助対応の葬儀社を選ぶ
- 見積書の内容をよく確認する
最後に
葬祭扶助は、経済的に困窮している方でも、故人を尊厳を持って見送ることができる大切な制度です。利用を検討している方は、まず福祉事務所に相談してください。
また、現在生活保護を受給している方は、万が一に備えて葬祭扶助について知識を持ち、家族と話し合っておくことをお勧めします。

