生活保護を受給している、または受給を検討している方には、お金、住まい、人間関係、将来への不安など様々な悩みがあります。
しかし「どこに相談すればいいかわからない」「相談しても解決できるか不安」という声も少なくありません。
本記事では、生活保護受給者が利用できる無料相談窓口、よくある悩みと解決方法、相談時のポイントまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
生活保護受給者が利用できる相談窓口

福祉事務所のケースワーカー(最も基本的な相談先)
生活保護受給中の相談先は、基本的にケースワーカーに決めておけば間違いないとされています。


ケースワーカーに相談できること
- 保護費の支給に関する疑問
- 収入申告の方法
- 医療機関の利用方法
- 就労に関する相談
- 生活上の困りごと全般
ケースワーカーは福祉制度に関する広範な知見を有しているため、保護受給者の強い味方になってくれます。
定期的な訪問によりある程度の人間関係も構築できているので、他の相談先よりも話しやすいという側面もあります。

連絡方法
- 電話:受給時に渡される連絡先
- 訪問:福祉事務所の窓口
- 家庭訪問時:定期訪問の際に相談
弁護士会の無料法律相談
弁護士会では、生活保護を受給したい方や、受給を停止されそうになっている方を対象に、生活保護相談を行っています。
無料相談ですので、現在の資力など心配することなく弁護士のアドバイスを受けることができます。
相談の結果、手続きの必要があると判断された場合には、弁護士が代理人となって生活保護の申請や審査請求のお手伝いをしてくれる場合もあります。
弁護士に相談すべきケース
- 申請を却下された
- 保護を停止・廃止された
- 不当な処分を受けた
- 返還金・徴収金に納得できない
- 借金の問題がある
NPO法人・民間支援団体
自立生活サポートセンター・もやい、POSSEなどが有名ですが、受給申請だけでなく、生活面・住居面・仕事面など、いろいろな場面で相談に乗ってくれる点が特徴です。
主な支援団体
- 自立生活サポートセンター・もやい
- NPO法人POSSE
- つくろい東京ファンド
- 生活保護問題対策全国会議
支援内容
- 生活相談
- 申請同行支援
- 住居探しのサポート
- 就労支援
- 孤立防止のための交流会

社会福祉協議会
生活福祉資金貸付制度は収入の低い方や高齢者、障害者が利用できる低利子または無利子の貸付制度です。
連帯保証人を立てる場合は無利子ですが、保証人がいない場合は年1.5%の利子がつきます。
申請は市町村社会福祉協議会の窓口で行なえます。
相談できる内容
- 生活福祉資金の貸付
- 臨時特例つなぎ資金(上限10万円)
- 生活困窮者自立支援制度
- 地域の福祉サービス

メンタルヘルス相談
生活保護を受給中の方であれば自己負担は実質ゼロでご利用いただけるところも、特徴の一つですという訪問型メンタルケアサービスもあります。
相談できる内容
- 不安やうつの悩み
- 孤独感への対処
- 人間関係の悩み
- 将来への不安
医療扶助の対象 精神科医療は医療扶助の対象となるため、精神科・心療内科への受診は自己負担なく可能です。


生活保護受給者のよくある悩みと解決方法

1. お金に関する悩み
悩み:「保護費が足りない」
保護費は最低生活費として算出されていますが、計画的に使わないと月末に苦しくなります。
解決方法
- 家計簿をつけて支出を把握する
- 固定費(家賃・光熱費)を優先的に支払う
- 1日あたりの予算を決める(保護費÷30日)
- ケースワーカーに家計相談をする

悩み:「返還金・徴収金の支払いが苦しい」
遺産分割などまとまった財産が手に入ったときは、返金に充てる分の資産を支払用に確保しておいてくださいという事例もあります。
解決方法
- 分割納付を申請する
- 保護費からの天引きを申し出る(本人申出制)
- 弁護士に相談して返還額の妥当性を確認する


2. 住まいに関する悩み
悩み:「住宅扶助の範囲内で物件が見つからない」
住宅扶助は企業等の家賃補助とは異なり、上限内の家賃の物件にしか住むことができないため、生活保護を受給するにあたり、住居の問題に悩まされる方が非常に多いです。
解決方法
- 生活保護受給者専門の不動産会社に相談する
- 福祉事務所に物件情報を相談する
- NPO法人の住居支援を利用する
- エリアを広げて探す


悩み:「入居審査に通らない」
入居審査では過去の家賃滞納やローン関係の履歴を見られるため、生活に困窮していた生活保護受給者の中には、入居審査に通らない方が少なくありません。
解決方法
- 保証人不要の物件を探す
- 生活保護受給者の入居実績がある物件を選ぶ
- 福祉事務所からの推薦状を依頼する

3. 人間関係の悩み
悩み:「周囲に生活保護のことを言えない」
生活保護に対する偏見や差別を恐れて、受給していることを隠している方も多いです。
解決方法
- 信頼できる人にだけ話す
- 話す必要のない人には話さない
- 同じ境遇の人との交流の場に参加する
- 自分を責めすぎない
悩み:「ケースワーカーとの関係がうまくいかない」
ケースワーカーの態度や対応に不満がある場合もあります。
解決方法
- 具体的な問題点を整理して伝える
- 上司に相談する
- 担当者の変更を依頼する
- 弁護士やNPOに相談する
4. 就労に関する悩み
悩み:「働きたいが何から始めればいいかわからない」
就労は自立への重要なステップですが、不安も大きいです。
解決方法
- ケースワーカーに就労支援プログラムを相談する
- ハローワークの生活保護受給者向け支援を利用する
- 職場体験講習を活用する
- 段階的に働く時間を増やす

悩み:「働いたら保護費が減るのでは?」
収入があっても、勤労控除があるため手取りは増えます。
解決方法
- 勤労控除の仕組みをケースワーカーに確認する
- 収入申告を正確に行う
- 就労により実質的に手取りが増えることを理解する


5. 健康・医療に関する悩み
悩み:「病院に行きたいが手続きがわからない」
医療扶助は現物給付のため、医療券の発行が必要です。
解決方法
- ケースワーカーに連絡して医療券を発行してもらう
- 指定医療機関のリストをもらう
- 緊急時は事後に医療券を発行してもらう

悩み:「メンタル面で辛い」
精神科医や臨床心理士によるカウンセリングを使いたい、認知行動療法や精神分析など、専門的なサービスを受けられたらうれしいという方も多いです。
解決方法
- 精神科・心療内科を受診する(医療扶助の対象)
- 無料のカウンセリングサービスを利用する
- ケースワーカーに相談する
6. 将来への不安
悩み:「このまま一生生活保護なのか」
自立への道筋が見えず、不安を感じる方も多いです。
解決方法
- 小さな目標を立てる(資格取得、就労体験など)
- 自立支援プログラムに参加する
- 成功事例を知る
- 焦らず一歩ずつ進む
相談時のポイント

1. 相談前の準備
整理すべき情報
- 何に困っているか
- いつから困っているか
- 自分で試したこと
- 希望する解決方法
メモを用意しておくと、相談がスムーズに進みます。
2. 正直に話す
むしろ生活の実態にあわせ、より適切な支援を行うための聞き取りという側面があるため、日頃の悩みや困りごとは積極的に相談してみましょう。
隠し事をすると適切な支援が受けられません。
3. 複数の窓口を活用する
相談内容によっては、他分野の専門家につないでくれることもあります。
介護サービスの利用に関することはケアマネジャーが、医療に関することは病院の医療ソーシャルワーカーなども相談を受け付けてくれます。
一つの窓口で解決しない場合は、他の窓口も試してみましょう。
4. 記録を残す
相談内容や回答をメモしておくと、後で見返すことができます。
相談をためらう必要はありません

生活保護は憲法第25条で保障された国民の権利です。
困った時に相談することは、決して恥ずかしいことではありません。
相談することのメリット
- 問題の早期解決
- 適切な支援の紹介
- 精神的な負担の軽減
- 新しい選択肢の発見
- 孤立の防止
一人で悩まず、まずは相談してみましょう。多くの相談窓口があなたを支えてくれます。
よくある質問

Q1: 相談は無料ですか?
A: はい。福祉事務所、弁護士会の生活保護相談、NPO法人の相談はすべて無料です。
Q2: 匿名で相談できますか?
A: NPO法人や支援団体では匿名での相談も可能な場合があります。ただし、福祉事務所は本人確認が必要です。
Q3: ケースワーカーに言いにくいことはどうすればいいですか?
A: 弁護士やNPO法人に相談することができます。第三者が間に入ることで、問題が解決することもあります。
Q4: 相談したら保護を打ち切られませんか?
A: 正当な理由なく保護を打ち切ることはできません。むしろ相談することで適切な支援が受けられます。
Q5: 夜間や休日に緊急で相談したい場合は?
A: 24時間無料で診断できますという電話相談やLINE相談を実施している団体もあります。
Q6: 家族に知られずに相談できますか?
A: はい。相談内容は守秘義務により保護されます。
まとめ:生活保護受給者の相談先を正しく理解する

生活保護受給者が利用できる相談窓口は複数あり、悩みの内容によって適切な窓口を選ぶことが大切です。
主な相談窓口
- 福祉事務所のケースワーカー:最も基本的な相談先
- 弁護士会:法的問題や不当な処分への対応
- NPO法人:生活全般の相談と支援
- 社会福祉協議会:資金貸付や福祉サービス
- メンタルヘルス相談:心の悩み
よくある悩み
- お金:保護費の管理、返還金の支払い
- 住まい:物件探し、入居審査
- 人間関係:偏見、ケースワーカーとの関係
- 就労:仕事の見つけ方、収入申告
- 健康・医療:医療券の手続き、メンタルケア
- 将来への不安:自立への道筋
相談時のポイント
- 事前に悩みを整理する
- 正直に話す
- 複数の窓口を活用する
- 記録を残す
困ったときの連絡先
- 担当ケースワーカー
- 市区町村の福祉事務所
- 厚生労働省の相談支援窓口案内
- 弁護士会の法律相談センター
- NPO法人の生活相談窓口
最後に
生活保護受給中は様々な悩みが生じますが、一人で抱え込まず、適切な相談窓口を利用することで解決への道が開けます。
相談することは権利であり、決して恥ずかしいことではありません。
まずは身近なケースワーカーに相談することから始めてみましょう。


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