「生活保護を受けると楽しいことは何もできないのでは?」「お金がないと人生は楽しめない?」「生活保護受給者は娯楽を我慢しなければいけない?」生活保護の受給を検討している方、あるいはすでに受給している方の中には、こうした不安や疑問を抱いている方が多くいらっしゃいます。
実際、内閣府の調査によれば、生活保護受給者の約40%が「生活に楽しみを感じられない」と回答していますが、一方で約60%は何らかの形で生活に充実感や楽しみを見出しています。
経済的な制約がある中でも、工夫次第で楽しく充実した日々を送ることは十分に可能です。
本記事では、生活保護を受けながらも人生を楽しむための具体的な方法、無料・低コストで楽しめる活動、心の持ち方、社会とのつながり方まで、実体験に基づいた実践的な情報を網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 生活保護受給中に楽しんで良いこと・悪いこと
- お金をかけずに楽しめる具体的な活動20選
- 生活保護受給者が利用できる文化・娯楽の支援制度
- 人生を楽しむための心構えと考え方
- 社会参加と人とのつながりを作る方法
- 趣味を通じた自立への道
生活保護受給中に「楽しむ」ことは悪いことではない

憲法で保障された「健康で文化的な生活」
日本国憲法第25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められています。
この「文化的な生活」には、単に食べて寝るだけではなく、人間らしい楽しみや文化的な活動を含むと解釈されています。
つまり、生活保護を受けていても、楽しみを持ち、人生を充実させることは、憲法で保障された権利なのです。
生活保護制度は「人間らしい生活」を保障する制度
生活保護は、単に生存を維持するためだけの制度ではありません。厚生労働省の生活保護実施要領でも、受給者の「自立の助長」が目的の一つとされています。
この「自立」には、経済的自立だけでなく、社会的自立や日常生活自立も含まれます。趣味や娯楽を楽しみ、社会とつながることは、この自立の一環です。
「楽しんではいけない」という誤解
インターネット上には、「生活保護受給者は娯楽を我慢すべき」という意見が見られますが、これは誤解です。
認められていること
- 無料または低額の娯楽を楽しむこと
- 図書館、公園、無料イベントの利用
- 趣味を持つこと
- 友人と交流すること
- ボランティア活動に参加すること
認められていないこと
- 高額な娯楽費を使うこと
- 生活費を削って贅沢品を購入すること
適切な範囲であれば、楽しみを持つことは何も問題ありません。
楽しみを持つことの重要性
心理学の研究によれば、趣味や楽しみを持つことは、以下のような効果があります。
心理的効果
- ストレスの軽減
- うつ症状の改善
- 自己肯定感の向上
- 生きがいの創出
社会的効果
- 人とのつながりの形成
- 社会参加の促進
- 孤立の防止
健康面での効果
- 心身の健康維持
- 認知機能の維持
- 生活リズムの安定
楽しみを持つことは、単なる娯楽ではなく、健康で文化的な生活を送るために必要なことなのです。
お金をかけずに楽しめる活動20選

生活保護を受けていても、工夫次第で様々な楽しみを見つけることができます。ここでは、無料または低コストで楽しめる活動を紹介します。
完全無料で楽しめる活動
1. 図書館の利用 全国の公立図書館は無料で利用できます。
楽しみ方
- 本や雑誌の閲覧・貸出
- DVD・CDの鑑賞(図書館による)
- 新聞の閲覧
- 無料Wi-Fiの利用
- 勉強スペースとしての利用
多くの図書館では、映画上映会、読書会、講演会などの無料イベントも開催されています。
2. 散歩・ウォーキング 歩くことは、健康にも良く、お金もかかりません。
楽しみ方
- 近所の散策
- 公園巡り
- 季節の花や紅葉を楽しむ
- 写真撮影(スマホで)
- バードウォッチング
3. 公園の利用 公園は無料のレジャースポットです。
楽しみ方
- ベンチで読書
- 日光浴
- 運動(ラジオ体操、ストレッチなど)
- 自然観察
- スケッチ
4. YouTubeやSNSでの情報収集・娯楽 インターネット環境があれば、無料で様々なコンテンツを楽しめます。
楽しみ方
- 音楽鑑賞
- ドキュメンタリー視聴
- 料理動画で新しいレシピを学ぶ
- 語学学習
- 趣味の情報収集


5. ラジオ ラジオは無料で楽しめる娯楽です(radiko等のアプリも無料)。
楽しみ方
- 音楽番組
- トーク番組
- ニュース
- 語学講座
- ラジオドラマ
6. 無料の美術館・博物館 一部の美術館・博物館は常設展が無料です。
無料または割引がある施設の例
- 国立西洋美術館(常設展は一部無料日あり)
- 東京都写真美術館(一部展示無料)
- 各自治体の郷土資料館
また、生活保護受給者は入館料が免除される施設も多くあります。
7. 地域の無料イベント参加 自治体や地域団体が主催する無料イベントは多数あります。
イベントの例
- 夏祭り、盆踊り
- フリーマーケット
- 音楽会、コンサート
- 映画上映会
- ワークショップ
地域の広報誌や掲示板で情報を確認しましょう。
8. ボランティア活動 ボランティアは、社会貢献しながら充実感を得られます。
活動の例
- 清掃活動
- 子ども食堂の手伝い
- 高齢者施設でのレクリエーション支援
- イベントの運営補助
- 動物保護活動
ボランティアを通じて、新しい人間関係や生きがいを見つける方も多くいます。
9. 自然の中でのアクティビティ 自然は最高の無料レジャー施設です。
楽しみ方
- 山登り(低山ハイキング)
- 海岸散策
- 川遊び
- 星空観察
- 野鳥観察
10. 料理・お菓子作り 家にある材料で、料理を楽しむことができます。
楽しみ方
- YouTubeでレシピを学ぶ
- 安い食材で工夫した料理
- 季節の食材を活用
- お菓子作り(材料費は低額)
料理は実用的でありながら、創造性を発揮できる楽しい趣味です。
低コスト(月数百円~数千円)で楽しめる活動
11. 100円ショップでの趣味材料購入 手芸、工作、園芸など、100円ショップの材料で趣味を楽しめます。
趣味の例
- 折り紙
- 刺繍
- 編み物
- プラモデル
- 多肉植物の栽培
12. 古本屋・ブックオフでの読書 新刊は高いですが、古本なら100円から購入できます。
13. 公営のスポーツ施設利用 市区町村の体育館やプールは、1回数百円で利用できます。
施設の例
- 市民プール:300円~500円/回
- 市民体育館:200円~400円/回
- テニスコート:1時間500円程度
生活保護受給者は減免措置がある自治体も多いです。
14. 公民館・生涯学習センターの講座 自治体の講座は、無料または低額(材料費のみ)で受講できます。
講座の例
- 語学教室
- パソコン教室
- 料理教室
- 手芸教室
- 健康体操
15. カラオケ(昼間の安い時間帯) カラオケボックスは、平日昼間なら1時間100円~200円程度で利用できます。
注意点 頻繁に行くと費用がかさむため、月1~2回程度に抑えましょう。
16. 写真撮影(スマホカメラ) スマホのカメラで、写真撮影を趣味にできます。
楽しみ方
- 風景写真
- 花の写真
- ペットの写真
- SNSでの共有
17. ガーデニング(プランター栽培) ベランダや庭で、植物を育てる楽しみ。
初期費用
- プランター:100円~
- 土:300円~
- 種:100円~
食べられる野菜(ミニトマト、ハーブなど)を育てれば、食費の節約にもなります。
18. 映画鑑賞(割引デー) 映画館の割引デーやサービスデーを利用すれば、1,000円~1,200円で鑑賞できます。
割引の例
- レディースデー
- シニア割引
- ファーストデー(毎月1日)
- レイトショー
19. 銭湯(公衆浴場) 自宅にお風呂がない場合や、たまの贅沢として。
料金
- 大人:500円前後(自治体により異なる)
- 生活保護受給者は入浴券が支給される場合も
20. 市民農園・シェア畑 市民農園は年間数千円~1万円程度で畑を借りられます。
メリット
- 野菜を育てる楽しみ
- 収穫物は食費の節約に
- 適度な運動
- 他の利用者との交流
生活保護受給者が利用できる文化・娯楽の支援制度

生活保護受給者向けに、様々な減免・支援制度があります。
公共施設の利用料減免
多くの自治体では、生活保護受給者に対して公共施設の利用料を減免しています。
減免対象となる施設例
- 美術館・博物館:入館料無料または割引
- プール・体育館:利用料無料または割引
- 公民館の講座:受講料無料(材料費のみ負担)
利用方法 生活保護受給証明書を提示することで、減免を受けられます。証明書は福祉事務所で発行してもらえます(通常無料)。

NHK受信料の免除
生活保護受給者は、NHK受信料が全額免除されます。
申請方法
- 福祉事務所で「生活保護受給証明書」を発行してもらう
- NHKに免除申請書を提出
テレビがあれば、追加費用なしでNHKの番組を楽しめます。

NPO法人による支援
生活困窮者支援を行うNPO法人の中には、以下のような活動を行っているところがあります。
支援の例
- 無料の食事会・交流会
- 子ども食堂(大人も参加可能な場合あり)
- 無料の学習支援
- レクリエーション活動
- フードバンク(食料の無料提供)
社会福祉協議会に問い合わせると、地域の支援団体を紹介してもらえます。
生活保護受給中にやってはいけない「楽しみ」

楽しみを持つことは大切ですが、生活保護制度上、認められない娯楽もあります。
ギャンブル
生活保護費は「最低限度の生活」を保障するためのものです。そのため、趣味の範囲でする分には問題ありませんが、生活ができなくなるほどのめり込んでいる場合は指導指示を受けます。
対象となるギャンブル
- パチンコ・パチスロ
- 競馬・競輪・競艇
- カジノ
- 宝くじ(高額購入)


問題となるケース
- 生活費を使い込んでしまう。
- ギャンブルで儲けた場合は収入申告が必要
- 収入申告しない場合は不正受給とみなされる可能性もあり


高額な娯楽費の支出
問題となる例
- 頻繁な外食(月数万円)
- 高級ブランド品の購入
- 高額なゲーム課金(月数万円)
- 高価な趣味用品の購入
適切な範囲 月の娯楽費は、生活扶助費の10%以内(月数千円程度)が目安とされることが多いです。
飲酒・喫煙の過度な出費
飲酒や喫煙自体は禁止されていませんが、過度な出費は問題となります。
適切な範囲
- タバコ:1日1箱以内(月1万5千円程度)
- お酒:月数千円程度
健康面からも、過度な飲酒・喫煙は控えましょう。


保護費の貯金(原則)
生活保護費を貯金することは原則として認められていません。ただし、以下は例外です。
認められる貯金
- 就労自立給付金の貯蓄
- 家具家電の買い替え費用
- 子どもの学資保険(一定額まで)
趣味のための貯金は基本的に認められません。

人生を楽しむための心構えと考え方

お金がないからといって、人生が楽しめないわけではありません。心の持ち方次第で、日々の充実度は大きく変わります。
1. 「お金がない=不幸」ではない
心理学の研究によれば、年収が一定額を超えると、それ以上収入が増えても幸福度は上がらないという結果が出ています。
幸福を感じる要素
- 人間関係の質
- 健康
- やりがいのある活動
- 自己成長
- 貢献感
これらは、お金がなくても得られるものです。
2. 「今あるもの」に感謝する
生活保護を受けられること自体、一つの幸運です。
感謝できること
- 雨風をしのげる住居がある
- 毎日食事ができる
- 医療を受けられる
- 安全な環境で暮らせる
当たり前のことに感謝する心を持つと、日々の小さな喜びに気づけるようになります。
3. 小さな目標を持つ
大きな目標は挫折しやすいですが、小さな目標は達成感を得やすいです。
小さな目標の例
- 「今月は図書館で3冊本を読む」
- 「毎日30分散歩する」
- 「新しい料理レシピを1つ覚える」
- 「ボランティアに月1回参加する」
達成感が、生活の充実感につながります。
4. 「比較」をやめる
SNSなどで他人の生活を見て落ち込むことがあるかもしれません。しかし、比較は不幸の元です。
心がけたいこと
- 他人と比較せず、過去の自分と比較する
- SNSの見すぎに注意
- 自分のペースで生きる
5. 「今この瞬間」を楽しむ
過去を悔やみ、未来を心配するのではなく、今この瞬間を大切にしましょう。
マインドフルネスの実践
- 散歩中は、景色や音に意識を向ける
- 食事は味わって食べる
- 呼吸に意識を向ける時間を作る
今を生きることで、日々の満足度が上がります。
6. 人の役に立つ喜びを見つける
ボランティア活動や、身近な人を助けることで、自己肯定感が高まります。
できること
- 近所のゴミ拾い
- 高齢の隣人の話し相手
- 地域のイベントの手伝い
- 誰かに自分の知識や経験を教える
人の役に立つことは、最も大きな喜びの一つです。
7. 学び続ける姿勢を持つ
学ぶことは、生きがいにつながります。
無料で学べるもの
- 図書館の本
- YouTubeの教育動画
- 無料のオンライン講座(MOOC)
- NHK Eテレの教養番組
- ラジオの語学講座
学び続けることで、脳も活性化し、認知症の予防にもなります。
社会とのつながりを作る方法

孤立は、生活保護受給者が直面する大きな問題の一つです。社会とつながることで、人生はより豊かになります。
1. 地域のコミュニティに参加
参加できるコミュニティ
- 町内会・自治会
- 老人クラブ(高齢者の場合)
- 子育てサークル(子どもがいる場合)
- 趣味のサークル
- ボランティア団体
地域の掲示板や広報誌で情報を確認しましょう。
2. 図書館や公民館の常連になる
定期的に同じ場所に通うことで、自然と顔見知りができます。
つながりの作り方
- 図書館員と軽い会話
- 同じ講座の受講生との交流
- イベントでの出会い
3. ボランティア活動を通じた交流
ボランティアは、社会貢献しながら人間関係を築ける素晴らしい機会です。
おすすめのボランティア
- 清掃活動:気軽に参加でき、仲間ができやすい
- 子ども食堂:やりがいがあり、感謝される
- イベント運営:達成感と一体感が得られる
4. SNSやオンラインコミュニティの活用
直接会うのが苦手な方は、オンラインでのつながりも有効です。
活用方法
- 趣味のコミュニティに参加
- 情報交換
- オンラインイベントへの参加
ただし、ネット依存にならないよう注意が必要です。
5. ケースワーカーとの良好な関係
ケースワーカーも、大切な社会とのつながりの一つです。
良好な関係を築くコツ
- 正直に報告する
- 困ったことは素直に相談する
- 感謝の気持ちを伝える
ケースワーカーは、あなたの自立を支援するパートナーです。

趣味を通じた自立への道

趣味は、単なる娯楽ではなく、自立への足がかりになることもあります。
趣味がスキルになる
例1:料理の趣味 料理が上手になれば
- 飲食店でのアルバイト
- 家事代行サービスのスタッフ
- 料理教室のアシスタント
といった仕事につながる可能性があります。
例2:園芸の趣味 植物を育てる技術があれば
- 園芸店での勤務
- 造園業のアシスタント
- 農業への従事
などの道が開けます。
例3:ハンドメイド作品 手芸や工作が得意なら
- フリーマーケットでの販売
- ネット販売(メルカリなど)
- ハンドメイド教室の講師
収入につながる可能性があります(ただし、収入があった場合はケースワーカーに報告が必要)。
ボランティアが就労につながる
ボランティア活動での実績や人脈が、就労のきっかけになることもあります。
実例
- イベントボランティア → イベント会社のスタッフ
- 子ども食堂のボランティア → 福祉施設のスタッフ
- 清掃ボランティア → 清掃業の仕事


資格取得への道
生活保護の生業扶助を利用して、資格取得のための費用を支給してもらえる場合があります。

対象となる可能性がある資格
- 介護職員初任者研修
- ホームヘルパー
- 簿記検定
- 運転免許(就労に必要な場合)
ケースワーワーカーに相談してみましょう。
まとめ:生活保護でも人生は楽しめる!大切なのは心の持ち方

本記事の重要なポイントをまとめます。
生活保護と「楽しみ」の基本
- 憲法で「文化的な生活」が保障されている
- 適切な範囲で楽しむことは権利
- ギャンブルや高額な娯楽は避ける
お金をかけずに楽しめること
- 図書館、公園、散歩、ボランティアなど無料の活動が豊富
- 公共施設は生活保護受給者向けの減免制度がある
- 100円ショップや古本屋で低コストの趣味も可能
人生を楽しむ心構え
- お金がなくても幸せは感じられる
- 今あるものに感謝する
- 小さな目標を持つ
- 他人と比較しない
- 今この瞬間を大切にする
社会とのつながり
- 地域コミュニティへの参加
- ボランティア活動
- 図書館や公民館の利用
- オンラインコミュニティの活用
趣味から自立へ
- 趣味がスキルや仕事につながる可能性
- ボランティアが就労のきっかけに
- 生業扶助で資格取得も可能
最後に
生活保護を受けているからといって、人生を楽しむことを諦める必要は全くありません。むしろ、楽しみを見つけ、社会とつながり、充実した日々を送ることが、心身の健康を保ち、最終的な自立につながります。
経済的な制約はありますが、その中でも工夫次第で豊かな人生を送ることは十分に可能です。まずは、今日できる小さな一歩から始めてみませんか?
図書館に足を運ぶ、近所を散歩する、地域のイベントに参加してみる、どんな小さなことでも構いません。一歩踏み出すことで、新しい世界が開けるかもしれません。
あなたの人生は、あなた自身が創るものです。生活保護を受けているという状況に縛られず、今この瞬間を大切に、楽しく、充実した日々を送ってください。

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