「生活保護を受けているけど、粗大ゴミの処分費用が払えない」「大型家具を捨てたいが手数料が心配」「生活保護受給者向けの減免制度はあるの?」引っ越しや家財の整理で粗大ゴミの処分が必要になったとき、こうした悩みを抱える方は少なくありません。
粗大ゴミの処分には、自治体により異なりますが1点あたり数百円から数千円の手数料がかかります。限られた保護費でやりくりしている受給者にとって、この費用は大きな負担となります。
本記事では、生活保護受給者が粗大ゴミを処分する際の費用負担、自治体の減免制度、福祉事務所のサポート、無料で処分する方法まで、実務経験に基づいた正確な情報を網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 粗大ゴミ処分の一般的な費用と仕組み
- 生活保護受給者向けの手数料減免制度
- 減免制度の申請方法と必要書類
- 福祉事務所に相談できるケース
- 粗大ゴミを無料または低価格で処分する方法
- 引っ越し時の粗大ゴミ処分の特別対応
粗大ゴミ処分の基本的な仕組みと費用

粗大ゴミとは何か
粗大ゴミとは、一般的に家庭から出る大型の不用品で、通常のごみ収集では回収できないものを指します。
粗大ゴミの主な例
- 家具類:タンス、ベッド、ソファ、テーブル、椅子、本棚
- 家電類:テレビ台、電子レンジ台、掃除機(大型)、扇風機
- 寝具類:布団、マットレス
- その他:自転車、カーペット、物干し竿、スーツケース
粗大ゴミに該当しないもの
- 家電リサイクル法対象品:テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン(別途リサイクル料金が必要)
- パソコン:PCリサイクル法により別処理
- 危険物・有害物:バッテリー、消火器、ガスボンベなど

粗大ゴミ処分の一般的な費用
粗大ゴミの処分費用は、品目とサイズにより異なります。
主要都市の処分費用例(2025年現在)
東京都23区
- 小型家具(高さ・幅・奥行の合計が135cm未満):400円
- 中型家具(135cm以上180cm未満):800円
- 大型家具(180cm以上270cm未満):1,200円
- 特大家具(270cm以上):2,000円~2,800円
- ベッド(シングル):1,200円
- ソファ(2人掛け):1,200円
- 自転車:800円
大阪市
- 小型品目:200円
- 中型品目:400円
- 大型品目:700円
- 特大品目:1,000円
名古屋市
- 1品目:250円
札幌市
- 小型:200円
- 中型:400円
- 大型:800円
- 特大:1,200円
福岡市
- 小型:300円
- 中型:500円
- 大型:1,000円
このように、自治体によって料金体系は大きく異なります。
粗大ゴミ処分の一般的な流れ
ステップ1:申し込み
- 電話またはインターネットで粗大ゴミ受付センターに申し込む
- 収集日、品目、料金を確認
ステップ2:処理券の購入
- コンビニエンスストアや指定販売店で粗大ゴミ処理券(シール)を購入
- 必要な金額分の処理券を購入
ステップ3:処理券の貼付
- 購入した処理券を粗大ゴミに貼る
- 収集日、収集場所を確認
ステップ4:排出
- 収集日の朝、指定時間までに指定場所に出す
- 通常は玄関前や敷地内の指定場所
ステップ5:収集
- 自治体の収集業者が回収
生活保護受給者向けの粗大ゴミ手数料減免制度

多くの自治体では、生活保護受給者など経済的に困窮している方を対象に、粗大ゴミ処分手数料の減免制度を設けています。
減免制度の対象者
以下のいずれかに該当する方が、減免の対象となることが多いです。
1. 生活保護受給者
- 生活保護法による保護を受けている世帯
2. 中国残留邦人等支援給付受給者
- 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている世帯
3. その他自治体が定める低所得者
- 障害者手帳等の交付を受けていて世帯員全員が住民税非課税の世帯(自治体により異なる)
- 児童扶養手当受給者(自治体により異なる)
減免される金額
全額免除が一般的 多くの自治体では、生活保護受給者は粗大ゴミ処分手数料が全額免除されます。
一部減免の自治体もある 自治体によっては、半額減免など一部減免の場合もあります。
免除の上限
- 品目数の上限を設けている自治体もある(例:年間10点まで無料)
- 回数制限がある場合もある(例:年2回まで)
減免制度がない自治体もある
すべての自治体で減免制度があるわけではありません。小規模な自治体では、減免制度自体がない場合もあります。
その場合は、後述する福祉事務所への相談や、無料処分方法を検討しましょう。
粗大ゴミ手数料減免の申請方法

減免制度を利用するための具体的な手順を説明します。
申請前の確認事項
1. 自治体の減免制度の有無を確認 お住まいの自治体のホームページまたは粗大ゴミ受付センターに問い合わせて、減免制度があるか確認します。
2. 減免の条件を確認 生活保護受給者が対象となるか、必要な書類は何か、上限はあるかなどを確認します。
申請に必要な書類
一般的に、以下の書類が必要です。
必須書類
- 粗大ゴミ処理手数料減免申請書
- 自治体の窓口またはホームページから入手
- 氏名、住所、減免を受ける理由などを記入
- 生活保護受給証明書
- 福祉事務所で発行してもらう
- または保護決定通知書のコピー

自治体により必要な書類
3. 本人確認書類
- マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など
- 印鑑
- シャチハタ不可の自治体が多い
申請の流れ(パターン1:事前申請型)
ステップ1:減免申請書の入手
- 自治体の窓口(清掃事務所、環境課など)で入手
- またはホームページからダウンロード
ステップ2:福祉事務所で証明書取得
- 生活保護受給証明書を発行してもらう
- ケースワーカーに「粗大ゴミの減免申請に使う」と伝える
- 発行は通常無料、即日~数日
ステップ3:減免申請書の提出
- 記入した減免申請書と生活保護受給証明書を提出
- 提出先:清掃事務所、環境課、粗大ゴミ受付センターなど
- 郵送可能な自治体もある
ステップ4:減免決定通知
- 審査後、減免決定通知書が送られてくる(または窓口で受領)
- 通常1週間~2週間程度
ステップ5:粗大ゴミ収集の申し込み
- 粗大ゴミ受付センターに電話またはインターネットで申し込み
- 減免決定通知書の番号を伝える
ステップ6:粗大ゴミの排出
- 処理券を貼る必要はない(減免のため)
- 収集日に指定場所に出す
申請の流れ(パターン2:申込時申告型)
一部の自治体では、事前申請不要で、粗大ゴミ申込時に申告するだけで減免されます。
ステップ1:粗大ゴミ収集の申し込み
- 粗大ゴミ受付センターに電話
- 「生活保護を受けている」と申告
- 生活保護受給者番号を伝える
ステップ2:確認
- 受付担当者が福祉事務所に受給状況を確認(自治体内で照会)
ステップ3:収集日の決定
- 処理券購入は不要と案内される
- 収集日を確認
ステップ4:粗大ゴミの排出
- 処理券なしで排出
- 収集日に指定場所に出す
このパターンの方が手続きは簡単ですが、対応している自治体は限られます。
申請時の注意点
1. 処理券を購入する前に申請 先に処理券を購入してしまうと、後から返金を受けられない自治体が多いです。必ず減免申請を先に行いましょう。
2. 申請から収集までの期間を考慮 事前申請型の場合、申請から減免決定まで1~2週間かかります。急ぐ場合は早めに手続きを開始しましょう。
3. 必要書類を事前に確認 自治体によって必要書類が異なります。不備があると手続きが遅れるため、事前に確認しましょう。
4. 年度ごとの更新が必要な場合も 年度をまたぐ場合、新たに減免申請が必要な自治体もあります。
福祉事務所に相談できるケース

粗大ゴミの処分について、福祉事務所(ケースワーカー)に相談できる場合があります。

一時扶助で対応してもらえる可能性があるケース
以下のような場合、粗大ゴミ処分費用を一時扶助として支給してもらえる可能性があります。
1. 転居指導に伴う処分 福祉事務所から転居を指導された場合(家賃が住宅扶助の上限を超えているなど)、転居に伴う不用品処分費用を支給してもらえることがあります。
支給例
- 転居費用(引越代、敷金、礼金など)とともに、粗大ゴミ処分費用も支給
- 上限:実費(合理的な範囲内)

2. 健康上の理由で処分が必要な場合 ゴミ屋敷状態になってしまい、健康被害が出ている場合など、特別な事情がある場合は相談できます。
3. 家財道具の買い替えに伴う処分 家具什器費の支給を受けて家財を買い替える際、古い家財の処分費用を併せて支給してもらえる可能性があります。

相談時のポイント
具体的な状況を説明
- なぜ粗大ゴミを処分する必要があるのか
- どのような品目を処分するのか
- 処分費用はいくらかかるのか
見積もりを取る
- 複数の処分業者から見積もりを取る
- 自治体の粗大ゴミ処分費用も調べる
事前相談が重要 処分してしまった後では、一時扶助は受けられません。必ず事前に相談しましょう。
一時扶助が認められない場合
以下の場合は、一時扶助が認められないことが多いです。
- 単に「不要になったから捨てたい」だけの場合
- 自己都合の引っ越しの場合
- すでに処分してしまった後の事後申請
このような場合は、減免制度を利用するか、無料処分方法を検討しましょう。
粗大ゴミを無料または低価格で処分する方法

減免制度が利用できない、または手続きが煩雑な場合、以下の方法も検討できます。
1. 自治体の持ち込み処分を利用
多くの自治体では、粗大ゴミ処理施設への直接持ち込みにより、収集よりも安く処分できます。
メリット
- 収集より安価(無料~半額程度の自治体が多い)
- 自分の都合の良い日時に処分できる
デメリット
- 運搬手段が必要
- 重い物は運ぶのが大変
生活保護受給者の場合 持ち込みでも減免が適用される自治体が多いです。事前に確認しましょう。
2. リサイクルショップに売却
まだ使える家具や家電は、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。
買取対象になりやすいもの
- 比較的新しい家具(5年以内)
- ブランド家具
- 状態の良い家電
- 自転車(電動アシスト付きなど)
出張買取サービス 大型家具は、出張買取サービスを利用すると便利です。査定は無料の業者が多いです。
注意点 買取額が出た場合、ケースワーカーに収入として報告する必要があります。
3. ジモティーなど無料譲渡サイトを利用
インターネットの無料譲渡サイトで、不用品を必要な人に譲ることができます。
主なサイト
- ジモティー
- メルカリ(0円出品)
- Facebook Marketplace
メリット
- 処分費用がかからない
- 引き取りに来てもらえば運搬不要
デメリット
- 引き取り手が見つからない場合もある
- 個人情報のやり取りが必要
注意点 金銭の授受があった場合は、収入として報告が必要です。


4. 自治体の粗大ゴミ無料収集日を利用
一部の自治体では、年に数回、粗大ゴミの無料収集日を設けています。
実施している自治体例
- 年末の大掃除時期
- 春の引っ越しシーズン
- 地域の清掃デー
お住まいの自治体のホームページやごみカレンダーで確認しましょう。
5. NPO法人や支援団体に相談
生活困窮者支援を行っているNPO法人の中には、粗大ゴミ処分の支援を行っている団体もあります。
支援内容
- 無料または低額での処分代行
- 運搬の手伝い
- リサイクル品としての引き取り
相談先
- 社会福祉協議会
- 生活困窮者自立支援制度の相談窓口
- 地域のボランティア団体
6. 解体して一般ゴミとして出す
小型の家具などは、解体して一般ゴミとして出せる場合があります。
解体可能なもの
- 小型の木製家具
- プラスチック製品
- カーペット(切断)
注意点
- 自治体の分別ルールを守る
- 指定ごみ袋に入る大きさにする
- 金属部分など分別が必要
危険性 怪我をしないよう、十分注意して作業しましょう。
引っ越し時の粗大ゴミ処分の特別対応

生活保護受給者が引っ越す場合、粗大ゴミ処分について特別な対応があります。
転居費用の支給
福祉事務所の指導により転居する場合、転居費用が一時扶助として支給されます。
支給される費用
- 引越業者費用
- 敷金、礼金、仲介手数料
- 運送費
- 不用品処分費用(認められる場合)
不用品処分費用の条件
- 転居先に持って行けない家財がある
- 処分が必要と認められる
- 合理的な費用の範囲内

転居に伴う粗大ゴミ処分の手順
ステップ1:ケースワーカーに相談 転居が決まったら、不用品がある旨をケースワーカーに伝えます。
ステップ2:見積もりの取得
- 自治体の粗大ゴミ処分費用を調べる
- 必要に応じて処分業者からも見積もりを取る
ステップ3:承認を得る ケースワーカーの承認を得てから処分します。
ステップ4:処分の実施 承認された方法で処分します。
ステップ5:領収書の提出 処分後、領収書をケースワーカーに提出します。
ステップ6:費用の支給 転居費用と一緒に、または別途支給されます。
自己都合の引っ越しの場合
福祉事務所の指導によらない、自己都合の引っ越しの場合、転居費用の支給は受けられません。
この場合は、自治体の減免制度を利用するか、無料処分方法を検討しましょう。
粗大ゴミ処分に関するよくある質問(Q&A)

Q1: 減免申請をせずに処理券を購入してしまいました。返金してもらえますか?
A: 自治体によって対応が異なります。返金可能な自治体もありますが、多くは返金不可です。処理券を購入する前に、必ず減免制度の確認と申請を行いましょう。どうしても困る場合は、自治体の窓口に相談してみてください。
Q2: 生活保護受給証明書の発行に費用はかかりますか?
A: 通常、無料です。福祉事務所に「粗大ゴミの減免申請に使う」と伝えれば、無料で発行してくれます。発行には数日かかる場合があるので、余裕を持って依頼しましょう。
Q3: 家電リサイクル法対象品(冷蔵庫、テレビなど)も減免されますか?
A: 家電リサイクル法対象品は、粗大ゴミとは別の扱いとなります。リサイクル料金と収集運搬料金が必要で、これらは原則として減免の対象外です。
Q4: 年に何回まで減免を受けられますか?
A: 多くの自治体では回数制限はありません。ただし、一部の自治体では年間の上限を設けている場合があります。お住まいの自治体に確認してください。
Q5: 減免申請から収集までどれくらいかかりますか?
A: 自治体により異なりますが、事前申請型の場合、申請から減免決定まで1~2週間、収集まで合計2~4週間程度が一般的です。急ぐ場合は、申込時申告型の自治体か確認しましょう。
Q6: 粗大ゴミを勝手に捨てるとどうなりますか?
A: 不法投棄は犯罪です。廃棄物処理法違反となり、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。必ず適切な方法で処分してください。

Q7: 処分業者に依頼した場合も減免されますか?
A: 自治体の減免制度は、自治体が行う粗大ゴミ収集サービスに対するものです。民間の処分業者に依頼した場合は、減免の対象外です。ただし、福祉事務所の転居指導に伴う場合は、一時扶助として支給される可能性があります。
Q8: 同居家族がいる場合も減免を受けられますか?
A: 世帯全体が生活保護を受給していれば、減免の対象となります。世帯の一部の方だけが受給している場合は、自治体により判断が異なるため、確認が必要です。

まとめ:生活保護受給者は粗大ゴミ処分手数料の減免制度を活用しよう

本記事の重要なポイントをまとめます。
粗大ゴミ処分の基本
- 一般的に1点あたり数百円~数千円の手数料
- 自治体により料金体系が異なる
- 処理券を購入して排出するのが一般的
生活保護受給者の減免制度
- 多くの自治体で全額免除
- 対象:生活保護受給者、中国残留邦人等支援給付受給者など
- 上限なしの自治体が多い
減免の申請方法
- 事前申請型:減免申請書と生活保護受給証明書を提出
- 申込時申告型:粗大ゴミ申込時に受給者であることを申告
- 処理券購入前に必ず申請
福祉事務所への相談
- 転居指導に伴う処分:一時扶助の可能性
- 家具買い替えに伴う処分:家具什器費と合わせて支給の可能性
- 事前相談が必須
無料・低価格で処分する方法
- 自治体の持ち込み処分
- リサイクルショップへの売却
- 無料譲渡サイトの活用
- NPO法人への相談
- 解体して一般ゴミとして排出
重要な注意点
- 処理券購入前に減免制度を確認
- 生活保護受給証明書の発行に数日かかる場合がある
- 不法投棄は犯罪
- 売却益や譲渡は収入として報告が必要
最後に
生活保護を受給している方は、粗大ゴミ処分手数料の減免制度を積極的に活用しましょう。手続きは少し煩雑に感じるかもしれませんが、数千円の節約になります。
わからないことがあれば、ケースワーカーや自治体の窓口に遠慮なく相談してください。あなたの正当な権利を行使して、限られた保護費を有効に使いましょう。

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