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生活保護の不正受給とは?バレる仕組み・返還額・罰則・よくあるケースを徹底解説

不正受給
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生活保護制度は「最低限度の生活」を保障するための大切な社会保障です。

しかし近年、生活保護の不正受給に関するニュースや SNS 投稿が多く見られ、制度に対する誤解や偏見も広がっています。

一方で、実際には “悪意はないのに結果的に不正受給になってしまった” というケースも非常に多く、制度の仕組みを理解しないまま受給してしまうことが背景にあります。

本記事では、生活保護制度に詳しい立場から、

  • 不正受給とは何か
  • バレる仕組み
  • 調査方法(生活保護法29条の調査権限)
  • よくある事例
  • 返還額
  • 罰則・ペナルティ
  • 通報されたらどうなるか
  • 不正受給を避けるための正しい申告方法

をわかりやすく解説します。

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  1. ■ 生活保護の「不正受給」とは?定義と対象
    1. 不正受給と判断される主なケース
  2. ■不正受給はどうやってバレる?福祉事務所の調査方法
    1. ①税務情報との照合
    2. ② 銀行口座の照会
    3. ③ 勤務先への照会(給与収入)
    4. ④年金機構・ハローワークへの照会
    5. ⑤近隣住民からの通報
  3. ■ 不正受給と判定された場合のペナルティ
    1. ①最低生活費より多く支給した分を全額返還(返還金)
    2. ②追加で「違約金(制裁金)」が上乗せされることも
    3. ③保護の停止・廃止処分
    4. ④刑事告発(詐欺罪)されることも
  4. よくある不正受給の実例(悪意なしでも不正扱い)
    1. ①週1日や単発のアルバイトを申告し忘れた
    2. ②メルカリ・ヤフオクの売上を「収入ではない」と思った
    3. ③友人からの1万円の借金
    4. ④仕送りを「たまにだから」と申告しなかった
    5. ⑤SNSに副業を投稿し炎上→通報され発覚
    6. ⑥給料が手渡しなのでケースワーカーに言わなかった
  5. 生活保護の不正受給を避けるための4つのルール
    1. ①収入があったら必ず「その月」に申告する
    2. ②不明点は必ずケースワーカーに確認する
    3. ③SNSに収入・仕事・贅沢の様子を書かない
    4. ④「少額だから申告しなくて良い」 は絶対にNG
  6. 不正受給は制度の問題ではなく「誤解」や「無知」が原因のことが多い
  7. まとめ|不正受給は必ずバレる。正しい申告で安心して生活保護を利用しよう

■ 生活保護の「不正受給」とは?定義と対象

厚生労働省の定義では、生活保護の不正受給とは、収入や資産を隠したり、虚偽の申告によって本来なら受給できない保護費を受け取ることを指します。

ただし重要なのは、悪意がなくても、結果的に「申告漏れ」があれば不正受給になるという点です。

不正受給と判断される主なケース

  • 収入を申告しなかった
  • 働き始めたのに報告しなかった
  • 一時的な収入(臨時収入・売却益)を隠した
  • 同居人がいるのに申請しなかった
  • 銀行口座の残高を隠した
  • 仕送りや援助を受けているのに「収入なし」と申告した
  • 年金を受給しているのに申告しなかった
  • タンス預金をしていた

これらは金額の大小に関係なく、不正受給として扱われます。

■不正受給はどうやってバレる?福祉事務所の調査方法

生活保護法29条に基づき、福祉事務所は受給者の収入・資産をいつでも調査する権限を持っています。

よって、隠していても必ずと言っていいほど発覚します。

①税務情報との照合

毎年、税務担当課へ照会し、

  • 前年度の給与収入
  • 年金収入
  • 事業所得
  • その他の課税情報

を確認します。

申告内容と一致しなければ、即追加調査です。

【生活保護法29条】年間収入調査とは?内容・目的・調査される人・不正受給との関係を徹底解説
生活保護を申請すると収入調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

② 銀行口座の照会

金融機関に照会をかけ、保有口座の残高や入出金記録を確認します。

SNSでの贈与や副業収入なども口座履歴で必ずバレます。

生活保護における金融機関調査とは?預貯金と調査の実態をわかりやすく解説
生活保護を申請すると金融機関調査が行われます。調査内容について詳しく説明しています。

③ 勤務先への照会(給与収入)

給与収入の場合は必ず 勤務先へ直接照会 が行われます。

  • いつから働いているか
  • 給料はいくらか
  • 雇用形態
  • 現在も勤務しているか

これらは企業側が回答するため、隠すことは不可能です。

④年金機構・ハローワークへの照会

年金受給や失業給付がある場合は年金機構・ハローワークへの照会で即判明します。

⑤近隣住民からの通報

最も多いのが匿名通報です。

  • 明らかに生活レベルが高い
  • 毎日働きに行っている
  • 車を複数所有
  • 高額商品を購入している
  • SNSで裕福な暮らしを投稿している

福祉事務所は通報内容に基づき調査を行い、事実であれば不正認定されます。

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■ 不正受給と判定された場合のペナルティ

生活保護の不正受給は非常に厳しく扱われます。

以下は典型的な処分です。

①最低生活費より多く支給した分を全額返還(返還金)

不正受給で多くもらった生活保護費は「全額返還」です。

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例えば毎月15万円生活保護費を受給していたが、実は収入があり、実際の支給額は月10万円だった場合、差額の5万円については返還しなければいけません。

仮に12ヶ月間不正受給が続いた場合は、
5万円 × 12ヶ月=60万円返還
となります。

返還は分割も可能ですが、支払える範囲で厳しく請求されます。

②追加で「違約金(制裁金)」が上乗せされることも

悪質な場合、返還金に加えて制裁金(30〜40%)が追加されることがあります。

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福祉事務所は本来支給する金額よりも多くの生活保護費を支給してしまった場合に、生活保護法第63条返還金又は生活保護法第78条徴収金を根拠に 生活保護者から返還又は徴収することができます。返還金も徴収金も生活保護受給者から生活保護費を返しもらう...

③保護の停止・廃止処分

不正受給の内容があまりに悪質な場合は

  • 一時的に支給停止になる
  • 一時的に保護停止になる
  • 生活保護が廃止される

という重い処分が科されることもあります。

Q 「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの?
Q  「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」って違うの?A  どれも月々の生活保護費の支給はありませんが全く違います。毎月1日の生活保護費の支給がないところは共通していますが「生活保護の廃止」「生活保護の停止」「支給なし」では、そ...

④刑事告発(詐欺罪)されることも

悪質なケースは生活保護費詐欺(刑法246条)として刑事告発されます。

なお、実刑になった例もあります。

よくある不正受給の実例(悪意なしでも不正扱い)

実際に多いケースをまとめます。

①週1日や単発のアルバイトを申告し忘れた

たとえ少額であっても収入申告は必要です。

収入申告しなければ完全に不正受給として取り扱われます。

また、高校生のアルバイトもすべて申告の対象です。

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生活保護の問題として、よく取り上げられるのは、不正受給問題です。その中で、特に高校生のバイト代未申告問題については、「高校生のバイト代を全部返還させるのは、かわいそうだ!」「自己責任だから、全額返還は当然だ!」など様々な議論があります。どち...

②メルカリ・ヤフオクの売上を「収入ではない」と思った

メルカリ・ヤフオクでの売上も収入は収入です。

銀行口座を通じてのやり取りは必ず調査に引っかかり、不正受給となるため、たとえ少額であっても収入申告しましょう。

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③友人からの1万円の借金

たとえば友人から1万円借りた場合も収入になります。

「借金なのに?」と思うかもしれませんが、借金も収入としてみなされます。

そのため、スーパーやコンビニで100円足りなくて一時的にお金を借りるくらいなら問題ありませんが、数万円単位でお金を借りた場合は、いずれ返さなければいけませんが、援助になるため収入認定の対象となり、申請しなければ不正受給となります。

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④仕送りを「たまにだから」と申告しなかった

扶養義務者からの一時的な仕送りも収入認定の対象となります。

食べ物等の現物で、量がそこまで多くなければ目を瞑ってもらえますが、現金であったり、大量の食料品が仕送りとして送られた場合は収入認定の対象となり、申請しなければ不正受給となります。

仕送りする際の注意点
生活保護の申請をした場合、親族に対して扶養義務調査が行われます。絶対的扶養義務者と呼ばれる直系血族及び2親等以内の親族(祖父、祖母、両親、兄弟姉妹、子、孫等)に対しては必ず援助ができるかどうかの調査が行われます。※相対的扶養義務者と呼ばれる...

⑤SNSに副業を投稿し炎上→通報され発覚

SNSは誰が見ているかわかりません。

近隣の方が見ている場合もあります。

また、生活保護受給者であることを自らバラして投稿している例もあります。

本人としては「バレない」もしくは「バレても通報まではされない」と思っているかもしれませんが、不正受給の実例として非常に多いです。

⑥給料が手渡しなのでケースワーカーに言わなかった

給料を手渡しでもらえばバレないと思うかもしれませんが、給与として会社に照会されれば、すぐに不正受給が発覚します。

ひとつひとつは軽い気持ちでも、結果として大きな返還金・生活保護廃止に繋がります。

生活保護の不正受給を避けるための4つのルール

生活保護は「正しく申告していれば安心して利用できる制度」です。

不正扱いを避けるために、以下のルールを必ず守りましょう。

①収入があったら必ず「その月」に申告する

  • 給与
  • 年金
  • 仕送り
  • フリマ売上
  • 投資利益
  • 賞与
  • 懸賞金

すべて収入扱いになります。

生活保護受給者には毎月収入申告をする義務がありますので、収入がある場合は、収入が入った月に収入申告をしましょう。

②不明点は必ずケースワーカーに確認する

「これは申告が必要?」と思ったら必ずケースワーカーに聞きましょう。

自己判断は絶対にしてはいけません。

 

③SNSに収入・仕事・贅沢の様子を書かない

SNSは誰が見ているかわかりません。

友達登録していなかったとしても近隣住民の他、ケースワーカーも見ています。

通報・バレされやすいので、SNSをする場合は投稿内容に気をつけましょう。

④「少額だから申告しなくて良い」 は絶対にNG

極端な話ですが、たとえ1円でも収入があれば申告は必要です。

上記でも紹介してあるとおり、自己判断は決してせずに、「こんな少額でも本当に収入申告が必要なのか?」と思う場合は必ずケースワーカーに相談しましょう。

不正受給は制度の問題ではなく「誤解」や「無知」が原因のことが多い

ネット上では「生活保護は不正受給ばかり」と言われることがありますが、実際に多いのは意図しない申告漏れです。

生活保護制度は複雑で、

  • 何が収入にあたるのか
  • いつ申告するのか
  • 何を提出すべきか

が分かりにくいことが原因になっています。

だからこそ、正しい情報を知り、ケースワーカーとこまめに連絡を取り合うことが最も大切です。

まとめ|不正受給は必ずバレる。正しい申告で安心して生活保護を利用しよう

生活保護の不正受給は、

  • 税務照会
  • 年金照会
  • 勤務先への連絡
  • 金融機関への照会
  • 近隣住民からの通報

などの仕組みにより必ずと言っていいほど発覚します。

そして、不正受給と判定されれば、

  • 全額返還
  • 制裁金
  • 生活保護の停止・廃止
  • 場合によっては詐欺罪で刑事告発

という非常に重いペナルティが課されます。

しかし逆に言えば、毎月の収入を正しく申告していれば、安心して生活保護を利用できる制度でもあります。

生活保護は命と生活を守る大切な保障です。

正しい知識を持って、制度を適切に利用していきましょう。

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