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生活保護法の指定医療機関とは?制度の仕組みと申請方法を詳しく解説【2026年最新】

Q&A
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生活保護法における指定医療機関は、生活保護受給者に医療を提供できる唯一の医療機関です。

本記事では、指定医療機関制度の仕組み、医療機関側の申請方法、受給者側の利用方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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生活保護法の指定医療機関とは

指定医療機関の定義

指定医療機関とは、生活保護法による医療扶助を行うための医療を担当する機関です。

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生活保護受給者が医療を受ける場合、この指定を受けた医療機関でのみ受診することができます。

法的根拠 生活保護法第49条に基づき、都道府県知事、政令指定都市市長、中核市市長が指定します。国の開設した医療機関については厚生労働大臣が指定します。

指定医療機関の役割

指定医療機関は福祉事務所に代わって直接、被保護者等に医療の給付を行うため、生活保護法による保護の趣旨を十分に理解する必要があります。

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医療扶助は、憲法第25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を実現するための重要な制度であり、最終的な医療の保障を担う役割を果たしています。

指定医療機関の種類と対象範囲

指定対象となる医療機関

指定医療機関として指定されるのは以下の機関です。

病院・診療所

  • 一般病院
  • 精神科病院
  • 診療所(医科・歯科)
  • 専門クリニック

薬局

  • 調剤薬局
  • 院外処方を扱う薬局

訪問看護事業所

  • 訪問看護ステーション

施術機関

  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師・きゅう師
  • 柔道整復師

助産機関

  • 助産所
  • 助産師

指定の効力範囲

指定の効力は全国に及びますので、いずれかの知事もしくは市長より指定を受ければ、あらためて他都道府県知事(他市長)に申請する必要はありません。

例えば、東京都で指定を受けた医療機関は、大阪府や福岡県の生活保護受給者も診療できます。

指定医療機関になるための要件

基本要件

指定医療機関になるには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 保険医療機関であること
医療機関等が生活保護法による指定医療機関の指定を受けるには、健康保険法による医療機関指定を受けていることが条件となっています。

2. 欠格事由に該当しないこと 以下に該当する場合は指定を受けられません。

  • 指定を取り消され、その日から5年を経過していない
  • 健康保険法の保険医療機関または保険薬局でない
  • 不正請求などで処分を受けている

3. 誓約書の提出
指定医療機関医療担当規程を遵守する旨の誓約書を提出する必要があります。

指定医療機関の申請方法【医療機関向け】

申請窓口

申請窓口は医療機関の所在地によって異なります。

都道府県管轄

  • 一般市町村に所在する医療機関

政令指定都市・中核市管轄

  • 東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市、福岡市、北九州市など

令和5年7月からの簡素化措置
令和5年7月1日から、保険医療機関の申請等と生活保護法に係る指定医療機関の申請等を併せて行うことができる新しい様式が整備され、手続きが簡素化されました。

地方厚生局に対して保険医療機関等に関する届出を行うと同時に、生活保護法指定医療機関の申請等も一括して行えます。

必要書類

新規指定申請の場合

  1. 生活保護法指定医療機関指定申請書
  2. 誓約書(欠格事由に該当しない旨)
  3. 保険医療機関の指定通知書の写し(該当する場合)

様式のダウンロード
各都道府県・政令指定都市のホームページから様式をダウンロードできます。

申請から指定までの流れ

1. 申請書の作成
必要事項を記入し、医療機関コードなどを確認します。

2. 提出

  • 福祉事務所経由で提出
  • 地方厚生局経由で提出(保険医療機関申請と同時の場合)
  • オンライン申請(対応自治体のみ、令和7年12月から順次導入)

3. 審査
都道府県または市が審査を行います。

4. 指定通知
原則、申請を受理した月の1日が指定年月日となります。指定通知書の発行は、通常申請した月の翌々月の中旬以降となります。

5. 告示
指定された医療機関は都道府県の公報等に告示されます。

指定の有効期間と更新制度

6年ごとの更新制

2014年7月1日から指定医療機関の指定の有効期間(更新制)が導入され、6年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によってその効力を失います。

更新申請のタイミング
有効期間満了日までに更新申請書を提出する必要があります。更新を忘れると指定の効力を失い、生活保護受給者を診療できなくなります。

更新手続きが不要な場合

以下の医療機関は更新手続きが不要です。

  • 開設者である保険医または保険薬剤師のみが診療または調剤している場合
  • その者と同一世帯に属する配偶者、直系血族または兄弟姉妹のみが診療または調剤している場合

小規模な個人開業医などが該当します。

変更・廃止等の届出

届出が必要な場合

指定医療機関となった後、医療機関の名称、所在地、開設者、代表者などに変更が生じた場合は届出が必要です。

主な届出事項

  • 医療機関の名称変更
  • 所在地の変更(移転)
  • 開設者の変更
  • 法人代表者の変更
  • 診療所から病院への変更(またはその逆)
  • 休止・廃止・再開
  • 辞退(30日以上の予告期間が必要)

再申請が必要な場合

以下の場合は新規申請が必要です。

変更届ではなく再申請

  • 開設者が変更した場合
  • 診療所から病院へ変わった場合
  • 改築・移転で所在地が変わった場合

これらの場合、廃止届と新規申請書を併せて提出します。

医療券の仕組み【受給者・医療機関向け】

医療券とは

医療券は生活保護受給者が医療機関に受診する際に利用できるもので、医療機関に提出すると医療費が無料になります。

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医療券の発行方法

受給者側の手続き

  1. 担当ケースワーカーに医療機関受診の報告
  2. ケースワーカーが必要性を判断
  3. 福祉事務所が医療券を発行
  4. 医療機関に提出して受診

医療券の有効期限
医療券には有効期限があり自治体によって期限が異なります。有効期間内であれば、次回からは身分証等があれば医療券を発行してもらわなくても受診することが可能です。

緊急時の対応

医療券を持たずに患者が受診した場合には、その患者を担当する福祉事務所に電話連絡し、生活保護受給者であることの確認をしてください。医療券はその後に発行されます。

急病や事故などの緊急時は、事後に医療券を発行してもらうことが可能です。

オンライン資格確認の導入

令和5年以降、医療扶助のオンライン資格確認が順次導入されています。マイナンバーカードを利用した資格確認により、紙の医療券が不要になる医療機関も増えています。

診療報酬の請求と支払い

診療報酬の基準

指定医療機関の診療方針及び診療報酬は、国民健康保険の診療方針及び診療報酬の例によることとされています。

基本的に健康保険と同じ診療報酬体系が適用されますが、一部制限があります。

診療制限の例

  • 歯科材料として金位14カラット以上の金合金の使用は認められない
  • 金銀パラジウム合金等を使用する

請求方法

省令レセプトによる請求
医療機関は、厚生省令に定められた各法共通の診療報酬明細書(省令レセプト)に必要事項を転記のうえ、他の医療保険及び公費負担医療の請求分とともに編てつし、社会保険診療報酬支払基金へ請求します。

医療券の交付番号
医療券には暦月を単位として有効期間・交付番号が記入されています。診療報酬の明細書には月ごとに異なる交付番号を記入しなければなりません。

支払いの流れ

  1. 医療機関が社会保険診療報酬支払基金に請求
  2. 支払基金が審査
  3. 都道府県・市が支払基金に支払い
  4. 支払基金から医療機関に支払い

医療機関は被保護者から一切の自己負担金を受け取ることはできません。

指定医療機関の義務と指導

遵守すべき規程

指定医療機関は「指定医療機関医療担当規程」を遵守しなければなりません。

主な義務

  • 医療券の確認義務
  • 適正な診療の実施
  • 診療報酬の適正請求
  • 福祉事務所への報告義務
  • 医療要否意見書の作成(無償)

行政指導と監査

一般指導
生活保護指定医療機関に対しては行政による、原則6年に一回の「一般指導」(集合形式での指導)と「個別指導」(個別の医療機関において行われる指導)が行われます。

個別指導
診療内容や請求に疑義がある場合、個別に指導が行われます。

重点指導項目

  • 向精神薬の重複投与
  • 頻回受診・頻回訪問診療
  • 診療報酬の不正請求

指定取消・効力停止

以下の場合、指定が取り消される、または効力が停止されることがあります。

指定取消事由

  • 健康保険法の保険医療機関または保険薬局でなくなったとき
  • 診療報酬の請求に関し不正があったとき
  • 指定医療機関医療担当規程に違反したとき
  • 知事の行う指導に従わないとき

指定医療機関一覧の確認方法

公開されている情報

各都道府県・政令指定都市のホームページで、指定医療機関の一覧が公開されています。

確認できる情報

  • 医療機関名
  • 所在地
  • 指定年月日
  • 医療機関コード
  • 診療科目

受給者への情報提供

生活保護受給者は、担当ケースワーカーから指定医療機関のリストを入手できます。

指定医療機関は、生活保護受給者への対応に慣れており、医療扶助の手続きにも精通しています。

よくある質問

Q1: すべての病院が指定医療機関ですか?

A: いいえ。保険医療機関であっても、生活保護法の指定を受けていなければ生活保護受給者を診療できません。ただし、ほとんどの保険医療機関は指定を受けています。

Q2: 指定申請に費用はかかりますか?

A: いいえ、申請手数料は不要です。無料で申請できます。

Q3: 個人診療所でも指定を受けられますか?

A: はい。保険医療機関であれば、個人診療所でも指定を受けられます。小規模な診療所は更新手続きも不要です。

Q4: 指定を受けると何か不利益はありますか?

A: 通常の保険診療と同様の診療報酬が支払われるため、経済的な不利益はありません。ただし、行政指導の対象となります。

Q5: 訪問看護ステーションも指定が必要ですか?

A: はい、訪問看護事業所も指定が必要です。ただし、手続きは病院・診療所と一部異なります。

Q6: オンライン申請はできますか?

A: 令和7年12月から順次、オンライン申請が導入されています。東京都など一部の自治体では既に対応しています。

指定医療機関制度の最近の動向

手続きの簡素化

令和5年7月から、保険医療機関の申請と生活保護法指定医療機関の申請を一本化できるようになり、医療機関の事務負担が大幅に軽減されました。

オンライン資格確認の普及

紙の医療券に代わり、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認が普及しています。これにより、医療券の発行・管理業務が効率化されています。

指導体制の強化

不正請求や過剰診療を防ぐため、行政による指導・監査体制が強化されています。特に向精神薬の重複投与については重点的に確認が行われています。

まとめ:指定医療機関制度を正しく理解する

生活保護法の指定医療機関制度は、生活保護受給者に適切な医療を提供するための重要な仕組みです。

医療機関側のポイント

  • 保険医療機関であれば指定申請が可能
  • 令和5年7月から手続きが簡素化
  • 6年ごとの更新が必要(一部例外あり)
  • 指定の効力は全国に及ぶ

受給者側のポイント

  • 指定医療機関でのみ医療扶助を受けられる
  • 医療券を使えば医療費は無料
  • 緊急時は事後の手続きも可能
  • オンライン資格確認が順次導入

制度運営のポイント

  • 診療報酬は健康保険と同じ基準
  • 行政指導により適正な診療を確保

指定医療機関制度を正しく理解し、適切に運用することで、生活保護受給者の健康と生活を守ることができます。医療機関の方は、この制度の趣旨を理解し、困窮する方々への医療提供にご協力ください。

受給者の方は、担当ケースワーカーと連携しながら、必要な医療を適切に受けることが大切です。わからないことがあれば、遠慮なく福祉事務所に相談しましょう。

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