「生活保護の減額分が戻ってくると聞いたけど、いつ届くの?」「10万円もらえるって本当?自分は対象になるの?」2025年6月の最高裁判決を受けて、2013年〜2015年に行われた生活保護費の引き下げが「違法」と認定され、全国約300万世帯を対象とした追加支給が2026年4月以降から順次始まっています。
しかし、「いつ振り込まれるのか」「自分の金額はいくらなのか」「申請が必要なのか」という疑問が多くの方から寄せられています。本記事では、支給時期・支給額・手続き方法を2026年6月時点の最新情報をもとに徹底解説します。
そもそも何があったのか:最高裁判決と減額分追加支給の背景

2013〜2015年の生活扶助基準引き下げ
厚生労働省は、生活保護費の2013〜2015年の引き下げを違法とした最高裁判決への対応策を決めました。
2013年(平成25年)から3年かけて、国は生活保護費の中核である生活扶助費を平均約6.5%引き下げました。引き下げの根拠として、①物価下落率に基づく「デフレ調整(▲4.78%)」と、②保護基準と一般低所得世帯の消費水準のズレを是正する「ゆがみ調整」の2つを用いました。
この引き下げに対し、全国の受給者・元受給者が「生存権を侵害する違憲・違法な引き下げ」として提訴し、「いのちのとりで裁判」と呼ばれる10年以上の法廷闘争が続きました。

2025年6月:最高裁が「違法」と判断
平成25年から3年間かけて実施した生活扶助基準改定に関する令和7年6月27日の最高裁判決において、「デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があった」と指摘され、違法と判断されました。
この判決を受けた対応の在り方については、学識経験者から構成される「最高裁判決への対応に関する専門委員会」において検討を行い、令和7年11月に報告書が取りまとめられました。本報告書等を踏まえ、厚生労働省では、従来の水準と新たな水準との差額に関して、保護費の追加給付を行います。

自分は対象?対象者の条件を詳しく解説

基本的な対象期間
今回の追加支給の対象は、原則として、平成25(2013)年8月1日から平成30(2018)年9月30日までの間に、生活保護を受給したことがある全ての世帯が対象となります。
このほか、平成30(2018)年10月1日から令和8(2026)年3月31日までの間に、一部加算や、毎年12月に支給される期末一時扶助などが算定されていた世帯も対象となります。これらの条件に当てはまる場合は、現在、保護停止中の世帯や保護廃止済みの世帯であっても、追加給付の対象となります。
対象者の3つのグループ
対象者は大きく以下の3つのグループに分類されます。
訴訟の原告:減額処分の取り消しなどを求めて提訴した約700人。
現在も生活保護を受給している世帯(原告以外):全国で約300万世帯が該当します。
現在は生活保護を受給していない世帯(廃止世帯):対象期間中に受給していたが、現在は受給していない世帯です。
対象外となるケース
平成25年8月から令和8年3月の間、生活保護を受給していた多くの世帯の方が対象ですが、受給期間や障害の有無などにより、追加給付がない方もいらっしゃいます。ただし、既にお亡くなりになった方は支給の対象とはなりません。
また、期間②(2018年10月以降)の一部期間のみ保護を受給していた場合、追加給付額は極めて少額(300円程度)になる場合があります。
就労収入があった期間も対象
平成25年(2013年)8月から令和8年(2026年)3月までの間に、就労等により一定の収入があり、生活扶助費が支給されていない期間(または一部のみ支給されている期間)がある場合であっても、今回の追加給付の対象となります。


「約10万円」の根拠:支給額の計算方法

追加給付率の仕組み
追加給付率については、+0.8%(平成25年8月から平成26年3月)、+1.6%(平成26年4月から平成27年3月)、+2.4%(平成27年4月から)。なお、期末一時扶助の追加給付率については、+2.4%(平成25年8月から令和8年3月)となっています。

これは「従来の水準」と「新たな基準(新保護基準)」との差額を補填するもので、受給期間が長いほど追加給付額が大きくなります。
約10万円の根拠
対象は約300万世帯で、単身世帯の場合、追加支給は約10万円。地方負担を含め約2000億円の財政規模になります。
ただし、これはあくまで平均的な目安です。実際の金額は受給期間・世帯構成・地域・加算の有無によって大きく異なります。
支給額に影響する主な要素
【支給額を決める5つの要素】
① 受給していた時期(2013年8月〜の開始時期)
② 受給期間の長さ(長いほど多い)
③ 居住地域(1級地〜3級地の区分)
④ 世帯人数(多いほど多い)
⑤ 加算の有無(障害者加算・母子加算・妊産婦加算等)
世帯別・受給期間別の支給額シミュレーション

パターン別の支給額目安(都市部・居宅の場合)
厚生労働省が示している例は以下の通りです。
① 60歳代の単身世帯(加算なし)
60歳代の一人暮らし(障害等の加算がない場合)について、平成25年8月から8か月受給していた場合は約4,000円、1年間受給していた場合は約12,000円、3年間受給していた場合は約65,000円となります。
| 受給期間 | 支給額の目安 |
|---|---|
| 2013年8月〜2026年3月(全期間) | 約105,000円 |
| 2013年8月〜2015年3月(3年) | 約65,000円 |
| 2013年8月〜2014年3月(1年) | 約12,000円 |
| 2013年8月〜2014年3月(8ヶ月) | 約4,000円 |
② 70歳代夫婦世帯(加算なし)
70歳代夫婦(障害等の加算がない場合)について、平成25年8月から8か月受給していた場合は約7,000円、1年間受給していた場合は約21,000円、3年間受給していた場合は約111,000円となります。
③ 30歳代夫婦・子ども1人の3人世帯(加算なし)
30歳代夫婦、4歳の子ども1人の3人世帯(各種加算なし)で、平成25年8月から令和8年3月まで継続して保護を受給していた場合の支給額は約204,000円となります。
④ 40歳代の単身世帯(2020年以降のみ受給・加算なし)
40歳代の一人暮らし(障害等の加算がない場合)で、令和2年8月から8か月受給していた場合は約300円、1年間受給していた場合は約300円、3年間受給していた場合は約1,000円となります。
この例が示すように、2018年10月以降のみの受給(期末一時扶助や加算がない場合)は支給額が極めて少額になります。
期間別の支給額の仕組み(単身・都市部の目安)
各期間の単身世帯(都市部・居宅)の目安は以下の通りです。平成25年8月から平成26年3月まで受給していた場合は約5,000円、平成26年4月から平成27年3月まで受給していた場合は約16,000円、平成27年4月から平成30年9月まで受給していた場合は約81,000円、平成30年10月から令和8年3月まで受給していた場合は約2,000円となります。
支給時期:いつ届くのか

「いつ届くのか」は多くの方が最も知りたい点です。結論から言うと、自治体によって大きく異なります。
現在受給中の世帯
2026年4月以降、自治体の準備状況に応じて順次支給される見込みです。ただし、生活保護利用世帯の数などによって、支給時期が遅れる可能性もあるので自治体に確認してください。
自治体の準備状況に応じて、支給スケジュールが異なりますので、具体的な支給時期については一概にお答えすることはできません。現在生活保護を受給中の方については、できるだけ速やかに支給することを想定しています。

廃止世帯(元受給者)
現在、保護を受給していない世帯の申出は令和8年夏頃から受付予定です。保護廃止世帯については、国で全国の申出受付期間を統一的に示す予定としており、申出の開始時期を令和8年夏頃予定としています。
支給時期の大まかな目安
| グループ | 支給時期の目安 |
|---|---|
| 訴訟原告(約700人) | 2026年3月以降に支給開始 |
| 現在受給中の世帯 | 2026年4月〜年度内に順次支給 |
| 廃止世帯(元受給者) | 2026年夏頃から申し出受付開始後、順次支給 |
自治体別の支給スケジュール(主要都市)

自治体ごとの準備状況を確認できるよう、主要都市の状況をまとめます(2026年6月時点)。
| 自治体 | 現受給世帯の状況 | 廃止世帯の受付 |
|---|---|---|
| さいたま市 | 6月1日にコールセンター開設・準備中 | 夏頃予定 |
| 横浜市 | 7月以降順次給付予定 | 決まり次第告知 |
| 大阪市 | 2026年度内に順次給付 | 夏頃に受付開始予定 |
| 福岡県 | 準備次第速やかに給付 | 夏頃に詳細告知 |
| 河内長野市 | 支給決定通知書を準備中 | 夏頃から申し出受付開始 |
自分の自治体の最新スケジュールは、市区町村の公式サイトまたは厚生労働省の相談センター(0120-179-445)で確認してください。
手続き方法:現受給世帯と廃止世帯で大きく異なる

① 現在受給中の世帯:原則として申請不要
保護受給中の世帯について、現在受給されている自治体で追加給付を行いますので、原則として支給手続(申出)は不要です。
自治体から「追加給付決定通知書」が世帯主宛に郵送されてきます。内容を確認するだけで、原則として手続きは必要ありません。
ただし、引っ越しをしている場合は注意が必要です。
現在はA市で生活保護を受けているが、平成25年8月時点ではB市で、その後C市で生活保護を受けていた場合、A・B・C市から保護費の追加給付があります。A市からは手続きをすることなく支払われますが、B市・C市に対しては申出が必要となります。
② 廃止世帯(元受給者):本人からの申し出が必要
過去に保護を受けていた方(現在は廃止)は、申出が必要です。申出がない場合は追加給付を行うことができません。令和8年夏ごろから受付を開始しますので、最新情報をご確認ください。
廃止世帯の手続きの流れ
STEP 1:受付開始時期を確認(2026年夏頃予定)
↓
STEP 2:当時受給していた自治体(福祉事務所)を特定する
↓
STEP 3:申し出書類を準備
(申出書・本人確認書類・口座情報等)
↓
STEP 4:当時の福祉事務所への申し出
↓
STEP 5:内容審査・追加給付額の確定
↓
STEP 6:指定口座への振り込み
追加給付決定通知書が届いたらすること
追加給付の支給が決まったら、自治体から世帯主へ追加給付決定通知書が送付されます。
通知書が届いたら、次の点を確認してください。
✅ 追加給付の対象期間(いつからいつまでの分か)
✅ 支給額(計算根拠が示されているか)
✅ 振込予定日・振込先口座
✅ 不服がある場合の審査請求期限(通知書受領翌日から3ヶ月以内)
追加給付は収入認定される?生活保護への影響

現在も生活保護を受給中の方が気になるのが、「追加給付が収入として認定され、保護費が減らされないか」という点です。
今回の保護費の追加給付は収入認定の対象になりません。ただし、保有が認められない物品の購入や他の世帯への贈与などは認められません。

金額に納得できない場合の「審査請求」

追加給付の金額が「少なすぎる」「計算が違う」と感じる場合は、審査請求(不服申立て)を行うことができます。
審査請求の期限と手順
保護費の「追加給付決定通知書」を受け取った日の翌日から3カ月以内に提出することが必要です。この期間を過ぎてから審査請求しても、不適法なものとして却下されるので注意が必要です。
都道府県知事に提出します。または処分庁(地元の福祉事務所)に提出してもよく、この場合、処分庁は都道府県知事に送付しなければなりません。
「再減額」への批判と審査請求運動
国は、違法とされた「デフレ調整」と別の理由(最貧困層の消費額)を持ち出して、補償額を約半分に値切るとともに、原告と原告以外を差別・分断する内容となっています。10年以上の裁判闘争の労苦をふみにじる、再減額(追加給付の半減)を容認することはできないとして、審査請求運動が呼びかけられています。
審査請求を検討している場合は、法テラス(0570-078374)に相談することで、無料の法的アドバイスを受けることができます。
詐欺に注意:正規の支給との見分け方

追加給付への関心が高まる中、悪質な詐欺が増加しています。
今回の追加給付において、厚生労働省やさいたま市が銀行口座の暗証番号を聞き出したり、ATM操作や手数料の振込みを依頼することはありません。
今回の追加給付において、暗証番号を伝えたり、ATM操作を行わないようご注意ください。
正規の追加給付の特徴
✅ 案内・通知は自治体から郵便で届く
✅ 手数料・代行費用は一切不要
✅ 銀行口座の暗証番号を聞かれることはない
✅ ATM操作・振込を求めることはない
✅ 公式サイト・コールセンターで確認できる
怪しい連絡を受けた場合は、消費者ホットライン「188」または警察相談専用電話「#9110」に相談してください。
よくある質問(FAQ)

Q. 通知書がまだ届いていません。自分は対象外?
A. 自治体によって準備状況が異なるため、具体的な時期には差が出る見通しです。2013年8月〜2018年9月の間に受給実績があれば対象の可能性が高いため、お住まいの自治体またはコールセンター(0120-179-445)に問い合わせてください。
Q. 引っ越しを複数回しています。どうすればいいですか?
A. それぞれの自治体から追加給付されます。現在受給中の自治体からは手続きなしで支払われますが、過去に受給していた別の自治体に対しては申出を行ってください。
Q. 廃止世帯の申し出はいつからできますか?
A. 現在は生活保護を受給していない世帯の申出は令和8年夏頃から受付予定です。受付開始時期・方法は当時受給していた自治体の公式サイトで確認してください。
Q. 亡くなった家族の分を家族が受け取れますか?
A. 亡くなったら追加給付は受けられません。生活保護受給権は「一身専属権」で相続されないという最高裁大法廷判決があるからです。
Q. 追加給付決定通知書を紛失した場合はどうすればいいですか?
A. 当時受給していた福祉事務所に連絡し、再発行の手続きを相談してください。審査請求を行う場合は通知書が必要になるため、受け取ったら大切に保管してください。
まとめ:今すぐ確認すべき3つのこと

生活保護の減額分追加支給について、重要なポイントを整理します。
支給金額の目安
| 世帯類型 | 全期間受給の場合の目安 |
|---|---|
| 60代単身(加算なし) | 約105,000円 |
| 70代夫婦(加算なし) | 約204,000円(参考) |
| 30代夫婦+子1人(加算なし) | 約204,000円 |
| 2018年10月以降のみの単身 | 約2,000円程度 |
支給時期まとめ
| グループ | 支給時期 |
|---|---|
| 現在受給中の世帯 | 2026年4月以降、自治体の準備次第で順次 |
| 廃止世帯(元受給者) | 2026年夏頃から申し出受付開始→その後支給 |
今すぐ確認すべき3つのこと
① 2013年8月〜2018年9月の間に受給実績があるか確認する
→ ある場合は追加給付の対象の可能性が高い
② 現在受給中か、廃止世帯かを確認し、
必要な手続きを把握する
→ 廃止世帯は2026年夏頃から申し出が必要
③ 届いた「追加給付決定通知書」は
必ず大切に保管する
→ 審査請求の期限は通知書受領翌日から3ヶ月以内
公式相談窓口
- 厚生労働省「追加給付相談センター」:0120-179-445(平日9時〜17時)
- お住まいの市区町村の福祉事務所・生活保護担当課
- 法テラス(審査請求の相談):0570-078374


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